乳幼児のための食中毒予防

乳幼児は免疫機能や消化能力が不十分で、腸内細菌叢も未発達であることから、少ない菌数でも食中毒になりやすく、大人よりも重症化しやすいのが特徴です。お子さんを食中毒から守るために、家庭で気を付けたいポイントを確認してみましょう。

食中毒予防の3原則

つけない

食中毒の原因となる菌やウイルスを食品につけないために

  • 調理や食事の前にはしっかり手洗いを。
  • 包丁やまな板などの調理器具は、食材別(肉用、魚用、野菜用など)に使い分ける。使い分けできない場合は、きれいに洗い、熱湯や塩素系漂白剤などで消毒してから別の食材を扱う。
  • 食品の保存容器は清潔なものを使う。

ふやさない

食中毒菌は10度から50度の温度帯で増殖しやすくなります。食品を室温に長時間放置するのは危険です。

  • 要冷蔵・要冷凍の食品は、すみやかに冷蔵庫や冷凍庫に入れる。
  • 作った料理はすぐに食べる。温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに。
  • すぐに食べないときは、冷蔵庫に保管する。
  • 保存した料理は早めに食べきる。
  • 口をつけた食べ残しは廃棄する。

やっつける

食中毒菌は熱に弱く、その多くは加熱することで死滅します。

  • 特に肉料理は、中心までしっかり加熱する。「中心温度75℃で1分間以上」が目安。
  • 料理を温めなおす場合は、よくかきまぜながら、全体を沸騰させ、均一に温める。
  • 乳幼児には生もの(生卵、生魚、生肉など)を与えないようにする。

また、調理器具を清潔に洗い、消毒することも大切です。汚れが残っていると消毒の効果は低下します。まずは洗剤と流水でよく洗ってから、熱湯や塩素系漂白剤などで消毒しましょう。

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お子さんを食中毒から守るために

授乳時の衛生管理

粉ミルクを調乳するとき

  • 調乳の前には必ず石けんで手を洗い、清潔にする。
  • 哺乳びんや乳首など、使用する器具はよく洗って消毒しておく。
  • 粉ミルクを溶かすときは、一度沸騰させた70℃以上のお湯を使う。(やけどに注意)
  • 殺菌されていない井戸水や湧き水は使わない。
  • 溶かした後、2時間以上たったミルクは与えない。作り置きをしない。
  • 飲み残しのミルクは与えない。
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赤ちゃんを守るために

母乳を保存するときの注意点や、調乳用具を清潔に保つポイントについて確認してみましょう。

離乳食で気をつけたいこと

離乳食を作るときや与えるときにも「食中毒予防の3原則(つけない・ふやさない・やっつける)」を守りましょう。

  • 調理器具や食器、保存容器を清潔に。
  • 殺菌されていない井戸水や湧き水を使わない。
  • お子さんのスプーンは清潔なものを使い、大人のものと別にする。
  • 保存するときは、小分けして速やかに冷凍する。
  • 冷凍した離乳食は1週間ほどで食べ切る。
  • 加熱ムラがないように、よく混ぜて均等に温める。

乳幼児で特に気をつけたい食品

ハチミツ(乳児ボツリヌス症)

乳児ボツリヌス症は、1歳未満の乳児にみられるボツリヌス菌による食中毒です。代表的な原因食品として、ハチミツが明らかになっています。

ボツリヌス菌は熱に強く、通常の加熱や調理では死にません。1歳未満のお子さんにはハチミツやハチミツ入りの飲料・食品などを与えないようにしましょう。

生もの(生卵、生魚など)

生卵や刺身など、生のまま加熱せずに食べる食品は、乳幼児には与えないようにしましょう。新鮮なもので大人は平気でも、お子さんにとっては危険なことがあります。中まで十分に火を通してから食べさせましょう。

生肉、加熱が不十分な肉

生肉には腸管出血性大腸菌(O157など)やカンピロバクター、サルモネラ属菌などの食中毒菌がついていることがあります。これらの食中毒は少量の菌でも発症するのが特徴で、重症化しやすく命にかかわる危険性があります。肉類は中まで十分に火を通してから食べましょう。「生焼け」は、生肉を食べるのと同じく危険です。

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食中毒かなと思ったら

腹痛や下痢、嘔吐が続く場合は、様子を見ずに、早めに医師の診察を受けましょう。

便のついたおむつを受診時に持っていくと、参考になる場合があります。

自己判断で市販の下痢止めや鎮痛薬をむやみに服用しないようにしましょう。

(参考)より詳しく知りたい方へ

この記事に関するお問い合わせ先

保健センター 地域健康支援係

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更新日:2022年07月14日