令和5年第1回ふじみ野市議会定例会市長施政方針

はじめに

令和5年市長施政方針

令和5年第1回ふじみ野市議会定例会の開会に当たり、私のふじみ野市政の施政方針を謹んで申し上げ、市議会の皆様と市民の皆様のご理解とご賛同を賜りたいと存じます。

ふじみ野市のまちづくりの方向性を示す計画として「ふじみ野市将来構想from2018to2030」を平成30年3月に策定いたしました。

この計画は「基本構想」「基本計画」「実施計画」となっておりますが、2層目の基本計画は平成30年度(2018年度)から令和5年度(2023年度)までを前期計画として策定していることから、令和5年度は前期計画の最終年度となり、後期計画に引き継ぐ大切な年度であります。

そのような節目の年ではありますが、新型コロナウイルスとの闘いは、残念ながら4年目に入り、現在はいわゆる第8波の中にあります。

幸い新たなワクチンの開発も進み市民の皆様も感じているかもしれませんが、初期の頃の全くの手探りの状態からはなんとか抜け出せたのではないでしょうか。

そのような中、政府においては感染症法上の取扱いを5月8日に、現在の「2類相当」から「5類」に移行する方針が示されました。

しかし、ウイルスそのものは変異を繰り返すことにより、感染の波も繰り返し起きており、見えない敵と今後も闘っていかなければなりません。

一昨年前の市長選挙に臨むに当たり、「コロナに打ち勝ち市民とともに、希望へ」との思いの下、推進していく政策をお示しさせていただきました。

また、併せて「ふじみ野市の未来に向けて、最も重要な課題は、誰もが願っている以前のような日常を取り戻すこと。今後の取り組み方によってこのまちの将来が決まる正念場」ということを決意したところでございます。

今もなお、その決意の下、市政運営に当たっているところでございます。

これまで医療従事者の皆様には、コロナ禍の困難な状況の中、地域医療を継続いただき、更にはワクチン接種や発熱外来の対応等にご尽力いただいております。

また、市民の皆様には、感染拡大防止に向けての基本的な感染防止対策などを継続していただいております。

医療従事者の皆様、市民の皆様に対しまして、改めて、感謝申し上げる次第でございます。

これだけ長きにわたると多くの方々がコロナ疲れしていると思いますが、引き続きのご協力を切にお願い申し上げます。

市政運営のかじ取りを任されている私といたしましても、引き続き、感染対策と社会経済活動の両立に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。

これから生まれてくる赤ちゃんからこれまでがんばってこられたご高齢の方々まで誰もが健やかに暮らし続けることのできる市政運営に努めてまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

社会・経済情勢

さて、昨年から現在までの社会、経済に関する内外の情勢について少し振り返ってみたいと思います。

まず、新型コロナウイルス関連の本市の状況といたしましては、第5波までは1日当たりの陽性者数が最も多い日でも60人程度でした。

昨年年明けの第6波では169人、第7波では254人を数えるなど、陽性者数としては相当多い状況でございました。

しかしながら、現在の第8波では192人をピークに減少傾向が続いております。

ウイルスは変異を繰り返し感染力が強くなる一方、重症化リスクは低くなっているようです。

残念ながら、まだしばらくは見えない敵との闘いが続くものと考えております。

中国では、新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ政策」によるロックダウンや移動制限をかけました。

この影響で、サプライチェーンの寸断による製品製造の縮小により経済活動が停滞しました。

日本において身近な例を挙げれば、自動車業界では新車の注文を受けてから、納車まで従来は2、3か月程度だったものが半年、更には1年と遅れが出ているようです。

車種によっては納車時期の見通しが立たないことから受注停止を行ったものもあるようです。

自動車以外についても、製品によっては似たようなことが起こっているようです。

話を移しますが、何と言っても昨年の世界情勢といたしましてはロシアによるウクライナ侵略について語らないわけにはいかないと思います。

昨年の2月、ロシアのプーチン大統領がウクライナでの軍事作戦開始を各メディアに対して公表した後、首都キーウを含むウクライナ各地で砲撃や空襲を開始し、ロシアと国境を接する州への侵攻が続き、9月30日にロシアは一方的にウクライナ4州の併合を宣言し、10月5日には併合手続きを完了したと発表しました。

その後もミサイルなどにより攻撃が行われている中、一部の地域ではウクライナの反撃により奪還した地域もあるようです。

一方、当初よりロシアによる核兵器の使用を示唆する報道などもあり、難しい情勢は依然として続いております。

こうした中、ロシアに対し西側諸国などによる強い経済制裁を行っていることやそれによる反動などから、エネルギー資源の高騰、物流の停滞、食糧問題など全世界に大きな経済的影響や社会不安を与えております。

その様な状況に加えて国内外の金融情勢に目を向けてみますと、米国では複合的な要因で生じたインフレが止まらず連邦準備理事会(FRB)では相次ぐ利上げが行われました。

日本では日銀の金融政策に変更はなく、昨年の7月、金融政策の方向性の違いから日米の金利差が拡大し、外国為替市場では円安・ドル高が進行し、ついに10月20日には1990年8月以来、実に32年ぶりに1ドル150円台となりました。

連日の為替介入が行われ、介入直後は急激に円高方向に進むもののなかなか安定しない状況が続きました。

しかしながら、米国の景気減速の観測等も出始め、米国の利上げスピードも緩まり、また、日銀の金融政策による長期金利の許容変動幅を広げたことから、直近では若干の円高方向に推移しています。

しかし、憶測が入ると数円台で戻されるため、なかなか安定した状況とは言えません。

感染拡大前の為替水準と比較するとまだ相当な円安状態にあります。

円安に加え資源高によるコスト押し上げの物価上昇は良いインフレとは言えません。本来景気が上向き、賃金が上昇し消費が活発になり、結果として緩やかなインフレが起こることが望ましい姿ではありますが、今はその様な経済原理として望ましい姿には少し遠い状況にあります。

1月の「月例経済報告」の基調判断では、「景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している。」とあります。

2月の基調判断は明日発表される予定のため、引き続き、注視してまいりたいと思いますが、グローバル的に観てまだまだ不確定要素の大きい社会経済状況が続くことが予測できます。

このような中、時計の針は1秒1秒を刻み、日々の市民生活が止まることはありません。

市民の皆様が日々平穏無事に暮らせる市政運営を行うことが私に課されたミッションであると考えております。

常日頃から内外の情勢に高いアンテナ、そして強い意識を持ち、今後の様々な情勢を先読みする中で、機動的な行財政運営を行い市民の皆様の日々の生活基盤の安定を図るべく努力してまいります。

絆を強く結び直す

さて、私が市長就任以来、政治信念として毎年欠かさずに行ってきましたタウンミーティングでございますが、これまでの2年間は、感染症対策のため、各自治組織の会長さんに数人ずつ集まっていただき意見交換を行う形で行ってまいりましたが、昨年の9月からは約3年ぶりに直接市民の皆様と膝を突き合わせて行う本来の形で再開いたしました。

直接市民の皆様一人ひとりからご意見をお聴きすることの緊張感と大切さを改めて、実感したところでございます。

今年度はここまで22回を終え、令和5年度も引き続き実施し、全自治組織を回ってまいります。

さて、感染症の影響により自治組織が毎年行ってきた地域のお祭りなど各種行事が軒並み中止となる状況が続いていました。

また、本来であれば、近年、自治組織の加入率の低下が課題となっている中、市と各自治組織が連携して、自治組織の様々な行事を通じて会員拡大を図るための取組を推進していく予定でございましたが、これもなかなか進めることができませんでした。

以前であれば地域の皆様が協力しながら行ってきた行事が感染症の影響で数年できなかったことにより、地域のつながりが少し薄れてしまった様にも感じています。

ある地域のタウンミーティングでその地域の方も同様に感じておられ、「国、県、市があり最も身近な組織として自治組織があるがその自治組織が崩壊の危機に瀕している」との発言がありました。

地域の方の生の声として聴いたときには、「やはりそうか」と現実のものとして捉えざるを得ないものと痛切に感じたところでございます。

日頃の防犯活動や登下校時の子どもたちの見守り活動など、平時はもとより、災害時に各地域での共助は絶対に必要です。

大規模災害はいつ起こるかわかりません。今この瞬間に起こるかもしれません。

この状況で一たび大震災などに見舞われたらと思うと、何としてもこの状況は改善しなければなりません。

地域の自治組織の活動について、行政が直接口を挟むことはありませんが、課題や問題を共有し、お互いに知恵を出し合い改善に向けて努力していかなければなりません。

これまでも様々な支援を行ってまいりましたが、課題はまだまだ山積しております。

時代は変わり、生活スタイルも昭和の高度経済成長期とは大きく変化しています。

公共インフラや物質面など、生活の利便性は格段に向上しました。

極端なことを言えばスマートフォン1つあれば日常生活は成立する時代となりました。

スマホで買い物もできます。

鉄道、バスなどにも乗れます。

話しかければ、答えが返ってきます。

連絡も24時間いつでもどこでも文字で伝えることができます。

言い換えますと、この便利さと引きかえにFace to Faceの関係を減少させていると言っても過言ではないと思います。

生活が便利になることは決して悪いことではありません。

様々な技術革新があったからこそ、そして今後も進化し続け、快適な生活は更に向上するものと思います。

しかしながら、大切なことは技術革新による快適さだけではないと思います。

人と人とのつながり、そして地域のつながりは、絶対に必要であると確信しております。

令和5年度は、何としても人と人とのつながり、地域の絆を強く結び直す足がかりの年にしていきたいと考えております。

令和5年度の予算概要

さて、令和5年度における政府の予算案は、「物価高・円安への対応」、「構造的な賃上げ」、「成長のための投資と改革」を重点分野とする予算として編成され、一般会計の総額は114兆3,800億円となりました。

一方、地方財政計画では、臨時財政対策債の抑制等による財政の健全化に加え、地方が地域社会のデジタル化や脱炭素化等の推進に取り組みつつ、公共施設の光熱費高騰への対応など、安定的な財政運営を行うために必要となる一般財源総額について、令和4年度を0.2兆円上回る62.2兆円が確保されました。

こうした状況の中で編成した本市の令和5年度当初予算案の概要でございますが、一般会計の予算規模は、478億7,578万8千円で前年度と比較してプラス11.2パーセント、48億2,330万円の増額となり、当初予算としては令和2年度から4年連続となる過去最大規模の予算案といたしました。

歳入面では、市税におきまして、個人市民税や固定資産税の増加を見込み、市税全体では、約7億8千万円の増額を見込んでおります。

歳出面では、感染症対応に加え、物価高騰などに対応すべく予算計上を行っているほか、コロナ禍を乗り越え、地域活動を再開し始めている自治組織や上福岡七夕まつり、おおい祭りの実行委員会への補助金の増額など、令和5年度におきましても、市民の皆様の心と心の結びつきに欠かすことのできない市民活動や市内イベントの活性化に向けた予算を計上し、引き続き必要な支援を行ってまいります。

また、本市は、令和4年10月に「ふじみ野市ゼロカーボンシティ宣言」を表明いたしました。

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、庁用車における電気自動車の導入を計画的に進めるとともに、住宅用スマートエネルギーシステムの設置や電気自動車等購入促進の予算を計上しております。

普通建設事業では、文化施設の整備や小中学校校舎大規模改造工事を継続して実施するなど、普通建設事業全体では、約81億8千万円、前年度と比較して、約31億9千万円の増額となります。

この予算を編成するに当たり、これまで計画的に積み立ててきた基金約54億6千万円を当初予算に繰り入れ、将来世代に過度な負担とならないよう健全な財政運営を行ってまいります。

今後の財政見通しといたしましては、市税収入が堅調な伸びを示している状況にはあるものの、歳出におきましては、少子高齢化の進展により社会保障関連経費は増加し続けており、また、公共施設やインフラの老朽化対策などを計画的に講じていく必要があることから、今後も厳しい状況が続くものと見込んでおります。

このため、限られた財源を効率的かつ効果的に活用できるよう、行政経営の視点を持ち事務事業の選択と集中を図るとともに、行政のデジタル化や公共施設の管理を包括的に行うことなどにより、将来にわたり安定的な行政サービスを継続的に行えるよう必要な予算を配分したところでございます。

ポストコロナにおける新しい生活様式の下での感染症対応に加え物価高騰への対応を継続して行っていくとともに、デジタルトランスフォーメーションの推進や2050年カーボンニュートラルの実現など、多岐にわたる課題に対して、スピード感を持って着実に取り組んでまいる所存でございます。

続きまして、令和5年度の各部の主な事業につきまして、説明させていただきます。

令和5年度の取組(主な事業)

1.総合政策部

まず初めに、総合政策部所管の主な取組についてお話しいたします。

冒頭でお話しいたしましたとおり「ふじみ野市将来構想」の前期基本計画期間の最終年度となることから、前期基本計画で掲げた目標の達成に向けてまい進していくとともに、前期基本計画の十分な検証を行った上で、これまでにいただいた市民の皆様の思いを踏まえ、今後のふじみ野市の姿をしっかり見据えながら将来像の実現を目指すべく、令和6年度から令和12年度までの計画を策定してまいります。

さらに、将来構想と一体化するまち・ひと・しごと創生総合戦略につきましても、国が示している「ヒューマン」「デジタル」「グリーン」の視点を取り入れて策定してまいります。

さて、旧上福岡市と旧大井町の合併により誕生した「ふじみ野市」でございますが、令和7年10月には誕生から20年を迎えます。

この節目におきまして、合併がどのような思いでなされ、どのようにまちが発展してきたのか、こうしたことを行政運営や統計数値などの情報から資料としてまとめ、これからの世代に受け継いでいくことは、今を生きる私たちの責務であると考えております。

そのため令和5年度より市史の編さんに着手し、令和7年度の完成を目指し取り組んでまいります。

次にタウンミーティングでございますが、先程お話しいたしましたとおり引き続き実施し、市民の皆様からいただいた声は、着実に市政へ反映してまいります。

続きまして、デジタル化の推進についてでございますが、令和3年度に策定した「ふじみ野市DX推進方針」に基づき、デジタル化の総合的な施策展開を図っているところでございます。

令和5年度につきましては、簡単にWebフォームを効率的に作成することができる電子申請システムを導入し、行政手続のオンライン化を推進するとともに、対象手続の拡大に取り組んでまいります。

さらに、公共施設予約システムの更新を行い、スマホ対応のシステムとし、利便性の向上を図ってまいります。

また、「情報システムの標準化・共通化」につきましても、令和7年度を目標年次とする国が定める標準準拠システムへの移行を目指し、令和5年度は現行システムと標準仕様書の内容との差異分析等を行い、対応策を検討してまいります。

これらの取組を着実に推進し、DX推進方針にビジョンとして掲げております「離れていてもつながる デジタルの活用で便利なまち ふじみ野」の実現を目指してまいります。

2.総務部

次に、総務部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに、防災対策でございますが、近年、想定外と言われる災害が常態化する中、昨年も各地で大きな災害が発生しました。

本市におきましては幸いなことに、令和3年に続き令和4年も大きな災害に見舞われることはありませんでしたが、日本各地で災害が激甚化し頻発する中、災害への備えは万全でなければなりません。

本市では令和4年度に「ふじみ野市地域防災計画」の改定を行いました。

この改定では、関係法令の改正を踏まえ、国の防災基本計画及び県の地域防災計画との整合を図るとともに、災害時の活動体制の見直しや感染症対策等を反映させております。

また、これまで対象要件が広く実効性に課題のあった避難行動要支援者の要件について、避難の実効性に主眼を置いた見直しを図るとともに、要配慮者の受入れを行う福祉避難所につきましても公設の避難所に加え、協定に基づく施設の活用について見直しを図りました。

今後は改定した計画に基づき、地域や法人、行政が一体となり助け合える体制を築いていくことにより更なる災害対策の強化に取り組んでまいります。

また、令和5年度におきましても、災害発生時における応急対策の確認と検証及び災害対応力の向上を図る総合防災訓練を実施するとともに、地域防災の要となる自主防災組織への防災資機材の整備や地区防災計画策定に係る支援を継続し、地域防災力の向上に努め、引き続き、自助、共助、公助における様々な側面から災害に強いまちづくりを進めてまいります。

続きまして、防犯対策についてでございます。

本市におきましては、自治組織や青色防犯パトカー市民パトロール隊をはじめ、ふじみ野市防犯推進会議の加盟団体の皆様を中心に、市内防犯パトロールや子どもの見守り活動など、幅広い防犯活動にご協力をいただいております。

また、東入間警察署とも連携した駅頭での防犯キャンペーンを3年ぶりに開催し、防犯意識の啓発と高揚を図ったところでございます。

こうした地域・警察・行政が一体となった防犯活動の取組により、本市での犯罪発生件数は減少傾向を維持しており、治安の改善が図られております。

しかしながら、その一方で、年々手口が巧妙かつ複雑化している高齢者を狙った振り込め詐欺につきましては、県内における被害件数が増加しております。

本市における被害件数は、近年、同水準で推移しており、被害防止対策として、補助金による振り込め詐欺等対策機器の普及促進をはじめ、様々な機会を通じた注意喚起を引き続き行ってまいります。

また、防犯ボランティア活動に対する支援や警察、関係団体と連携したタイムリーな情報発信を行うことで、安全・安心なふじみ野市の実現を目指してまいります。

次に、人材育成についてでございますが、働き手不足が深刻化し社会問題となる中、社会の活力維持と行政サービスの充実を図るためには、年齢や性別にとらわれることなく新たな人材を確保するとともに、個々の能力を十分に発揮できる働きやすい職場環境を整えていくことが必要です。

そこで、令和5年度は職員の定年引上げに伴い、豊富な知識や経験を持つ高齢期職員を対象とした新たな研修を実施いたします。

また、中長期的なキャリアビジョンを持ち、求められる職場で能力が存分に発揮できるよう新たな形で「女性キャリアデザイン研修」を実施し、これまで積極的に行ってきた働き方改革を更に加速させていきたいと考えております。

続きまして、財産管理につきましては、令和5年度から市役所本庁舎をはじめ、70を超える公共施設で包括管理業務を導入し、施設の維持管理を行ってまいります。

この包括管理業務の導入により、建物の保守管理や修繕に関する専門的知識やノウハウを有する民間事業者が定期的に施設を点検し計画的な修繕を行っていくことで、予防保全の強化を図り、持続可能で施設利用者にとってより安全・安心な質の高い施設管理を行ってまいります。

次に、自主財源の根幹である市税の収納関連でございますが、納税率は、令和3年度決算におきましても県平均を超え、平成23年度から11年連続で上昇となり、個人住民税の納税率は、県内40市中第2位の納税率となりました。

今後におきましても納税者のために納付環境を整備するとともに、税負担の公平性を確保し、納税率の向上に努めてまいります。

3.市民生活部

続きまして、市民生活部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに市民窓口サービスについてでございます。

本庁、大井総合支所及び出張所の各市民窓口で毎年度実施しております来庁者窓口サービス満足度調査では、満足度90パーセント以上の高い評価をいただきました。

本庁では、コンシェルジュによる案内や「書かない窓口」をご利用いただいた市民の方々から多くのお褒めの言葉をいただいております。

そうしたことから今申し上げました「書かない窓口」を大井総合支所にも導入いたします。

これにより、令和5年2月から全国で開始されました「引越しワンストップサービス」と併せ、市民の皆様の利便性の向上と行政の業務の効率化を図ってまいります。

今後は本庁、大井総合支所及び出張所でオンラインと対面窓口の両方のデジタル化を更に推進できるものと考えております。

次に、マイナンバーカードの普及促進対策につきましては、国においては引き続き全国民へのマイナンバーカード所持を目指し、保険証など様々な施策との連携が予定されております。

そのため、令和5年度におきましても本庁市民課及び大井総合支所市民総合窓口課における申請支援や、市内公共施設における出張申請サポートを実施してまいります。

また、出張所におきましては、マイナンバーカードを利用したパスポートのオンライン申請が令和5年度に本格導入されることになり、曜日、時間に関係なく自宅から申請することができるようになります。

現在は、申請時と交付時の2回窓口に来庁いただいておりますが、交付時1回の来庁で済むため、申請者の負担軽減、窓口の混雑緩和、マイナンバーカードの普及促進につながるものと考えております。

さらに、戸籍事務へのマイナンバー制度の導入に関しまして、「戸籍法の一部を改正する法律」が令和元年に公布され、令和2年度から順次、戸籍情報システムの改修を実施しているところでございます。

令和5年度におきましては、令和6年度中の本格稼働に向けた試行運用を実施してまいります。

本システムが稼働いたしますと、これまでの届出時における戸籍謄抄本の添付が不要となるほか、本籍地の市区町村以外の窓口でも戸籍謄抄本の請求が可能となることから、市民の皆様におかれましても、戸籍手続きの際の負担軽減及び利便性の向上が図られるものと考えております。

続きまして、消費生活相談につきましては、地方消費者行政強化交付金の活用により、今後におきましても、相談体制の強化及び相談員の資質向上を図りながら、消費者被害の未然防止と迅速な救済に努めるとともに、消費生活に関する知識の普及や情報提供などの充実を図ってまいります。

また、犯罪被害者等が受けた被害の早期の回復又は軽減を図り、誰もが安心して暮らすことのできる地域社会の実現を目指し、「ふじみ野市犯罪被害者等支援条例」を本定例会にご提案させていただきました。

ご審議の上ご可決賜った折には、同条例に基づき、見舞金の支給、相談及び情報提供、日常生活の支援、安全の確保など犯罪被害者等の被害の状況に応じた適切な支援を行ってまいります。

次に、国民健康保険につきましては、広域化の実施から5年が経過したところでございます。

第2期埼玉県国民健康保険運営方針に明記されている赤字の削減・解消の取組や県内の保険税水準の統一を見据えた運営を行わなければなりません。

加えて、感染症の影響で一時的に減少していた療養の給付費は増加に転じ、これに連動して算出される国民健康保険事業費納付金も増加が見込まれることから、本市国民健康保険財政の安定的な運営を図るため、これまで8年間据え置いた保険税率を改定することといたしました。

ただし、国民健康保険財政調整基金の活用や、赤字補てん目的以外の法定外繰入金を新たに採り入れることにより、本市の保険税率は、県から参考として示されている本市の標準保険税率より低い水準となっております。

4.市民活動推進部

続きまして、市民活動推進部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに、自治組織への支援についてでございます。

感染症の波に苦慮しながらも、英知を結集し、事業展開に努められている自治組織の会長をはじめ役員の皆様には改めて敬意を表する次第でございます。

その一つひとつの取組が、人と人との結び付きを強めるとともに、地域への思いを紡ぎ、愛着を抱く地域を築き上げていくものと考えます。

令和5年度におきましても、市としても一緒になって地域コミュニティの醸成を図るべく努めていくとともに、各自治組織や自治組織連合会との連携を密にしながら地域の活性化、そして、会員の増加につながる取組や支援を行ってまいります。

また、コミュニティ施設の整備につきましては、ふじみ野市総合センターフクトピアの空調設備更新工事をはじめ、老朽化している設備等の修繕を計画的に実施し、安心かつ快適にご利用いただける環境を整えてまいります。

続きまして、文化の分野についてでございます。

現在整備を進めているふじみ野ステラ・ウェストにつきましては、いよいよ令和5年にオープンいたします。

音響効果の高い機能を有するホールでは、これまで市内で鑑賞する機会の少なかった質の高い舞台芸術など、積極的に提供させていただき、多くの市民の皆様にご利用いただきたいと考えております。

次に、ふじみ野ステラ・イーストのホール棟の整備でございますが、実施設計に着手し、長年ご愛顧いただきました旧勤労福祉センターホールの解体につきましては、本年中に着手し、令和7年10月のリニューアルオープンを目指して取り組んでまいります。

一方、ソフト面につきましては、令和4年度から積極的な事業展開を図ってきたところでございますが、令和5年度につきましても、新たに文化団体ネットワーク形成事業として「(仮称)ふじみ野市文化協会」を立ち上げ、文化団体間の連携や情報交換などネットワークの強化に向けた支援を行うなど、協働してふじみ野文化の発展に取り組んでまいります。

次にスポーツの分野についてでございます。

令和5年度は「第2期ふじみ野市スポーツ推進計画」のスタートの年となります。

市民の皆様が、性別、年齢、国籍、障がいの有無、経済的事情に関わらず、誰もが、「スポーツに出会い 楽しみ つながるまち ふじみ野」を目指してまいります。

スポーツ施設につきましては、総合体育館や、駒林体育館の修繕・改修を行い、事故防止、そして利用率及び利用者満足度の更なる向上を進めてまいります。

また、クラブハウスのトイレにつきましても洋式化を進めてまいります。

続きまして、環境の分野についてでございます。

本市では、1人1日当たりにおける家庭系ごみの排出量が少ない市として、令和2年度の実績では、2年ぶりに県内第1位を獲得することができました。

市民の皆様の日々の努力に心から感謝いたしますとともに、誇らしく思う次第でございます。

令和5年度は、「第2期ふじみ野市環境基本計画・後期行動計画」の計画開始年度でございます。

この計画におきまして、「ふじみ野市環境基本条例」の基本理念である「快適で良好な環境の確保」を推進し、持続可能な開発目標「SDGs」の視点を取り入れながら、市民・環境活動団体、事業者及び行政が連携し、新たな施策を推進するとともに、市民の皆様が快適な生活を送るための良好な環境づくりに取り組んでまいります。

また、地球温暖化対策として、国の「2050年カーボンニュートラル宣言」を受け、本市におきましても令和4年10月1日に「ふじみ野市ゼロカーボンシティ宣言」を表明いたしました。

これを受け、同月に武州瓦斯株式会社及び東京瓦斯株式会社との3者間で「カーボンニュートラルシティ実現に向けた包括連携協定」を締結したところでございます。

本市が抱える課題を共有するとともに、専門的な知見を賜りながら、環境基本計画に掲げる環境像である「みんなではぐくむ 緑豊かな住みよいまち ふじみ野」を実現するため、私たち一人ひとりが強い使命感を持ち、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指してまいります。

続きまして、産業振興の分野についてでございます。

令和4年度は3年ぶりにふじみ野市産業まつりが開催され、多くの市民の皆様にご来場いただきました。

コロナ禍で様々なイベントが中止を余儀なくされる中、地元事業者と市民との一体感が醸成されたものと感じております。

令和5年度におきましても、情勢を見極めながら様々な支援をすることで、市内経済の活性化を図るきっかけとしてまいりたいと考えております。

また、令和4年4月に施行された「中小企業及び小規模企業振興基本条例」に基づく基本計画を策定し、産業振興施策を総合的に推進してまいります。

次に、農業支援策でございますが、令和3年度に開設いたしました「農業入門塾」は、講師の指導の下、2年間のカリキュラムを3月で終了し、令和5年度は新たに第2期が始まります。

新たな塾生を迎え新規就農のきっかけ作り及び農業に対する意識の高揚を引き続き図ってまいります。

また、地産地消の推進及び農業者と市民とのふれあいの場を作るとともに、地域農業の魅力を市民の皆様に伝えていくため、直売市や軽トラ市を引き続き開催してまいります。

5.福祉部

次に、福祉部所管の主な取組について、お話しいたします。

令和4年1月、在宅医療にご尽力いただいていた医師が凶弾に倒れ、同行者1名は重傷という誠に痛ましい立てこもり事件が市内で発生しました。

この事件を契機に、医療・介護の現場で起きている利用者や家族などによるハラスメントの実態が改めて浮き彫りになり、私も県知事に面会を重ね、現場の声を活かした対応策の実施を訴え、県におきましてもハラスメント対策事業が順次開始されてまいりました。

本市も、地域の医療・介護関係者の方々の現場の声をお伺いしながら、県の事業を補完する対策事業を始めたところでございます。

本定例会には、地域の医療と介護の従事者を守り、市民の皆様が安心して必要な医療や介護を受けられるよう、「ふじみ野市地域の医療と介護を守る条例」をご提案させていただきました。

本市で起きた事件を風化させることなく、引き続き医療事業、介護事業の担い手の方々への支援策を継続して実施してまいります。

さて、本市では、制度の狭間の問題を抱える方や多問題を抱える方を支援するための組織体制を先進的に構築してきたところでございます。

令和5年度は、更に困窮世帯や複雑な事情を抱えた方への相談体制の充実を図るため、介護予防センター2階に設置しております「ふくし総合相談センターにじいろ」を大井総合支所1階に移転し、西側地域の拠点として生活困窮や複合的な課題を抱えた方からの相談を大井総合支所の市民窓口からのつなぎや市民相談との連携を図りながら実施してまいります。

また、同時に大井総合福祉センター4階にある社会福祉協議会大井支所を大井総合支所1階に移すことにより、大井総合支所の市民窓口とワンフロアによるネットワーク化を図り、各種相談やサービス利用の手続き等、市民の皆様の利便性を高め、円滑な支援につなげてまいります。

さらに、地域課題や社会資源を把握して地域の方々と地域で支え合う仕組みづくりを推進する「生活支援コーディネーター」も大井総合支所に配置いたします。

生活支援コーディネーターと社会福祉協議会や社協支部との連携により、第2層協議体での住民主体の地域づくりの取組を更に促進してまいります。

また、地域福祉の推進に重要な役割を担っていただいている民生委員・児童委員の方々につきましては、令和5年度には活動費の見直しなど改善を図ってまいります。

次に、障がい福祉施策といたしまして、令和5年度に、令和6年度から8年度までの障がい福祉施策を総合的かつ効果的に推進するため、また、障害福祉サービス等の提供体制の確保に向けて「第2期障がい者プラン後期」を策定いたします。

障がいのある人が、住み慣れた地域で自らの意思により選択・決定をして暮らしていくために必要な公的支援及び地域の中での支え合いや支援に向けた目標と方策を定めてまいります。

また、地域で暮らす障がい者が安心して生活できるよう、地域生活支援拠点等の取組を前進させ、障がい者の緊急時に備えた対応や将来を見据えた一人暮らしの体験などの実施に向けた体制整備を障害福祉サービス事業者の方々にご協力をいただきながら進めてまいりたいと考えております。

続きまして、高齢者施策でございます。

国によりますと令和7年には、高齢者のおよそ5人に1人、約700万人が認知症になるとの予測が公表され、認知症に向けた取組がこれまで以上に重要になっております。

今後、判断能力の低下による成年後見制度のニーズの高まりが想定されます。

制度の周知と安定したセンターの運営を図るため、令和5年度は、成年後見センターの職員体制等の見直しを図ってまいります。

また、令和5年度以降は、ポストコロナを見据えた中で、身近な通いの場を増やし、高齢者の皆様の介護予防・フレイル予防の活動を促進してまいります。

このため、高齢者あんしん相談センターに専門職を加配して体制を強化し、地域での自主グループによる新たな通いの場の設置を進めてまいります。

高齢者あんしん相談センターの体制強化により、後期高齢者の増加に対応した相談体制の充実も図れるものと考えております。

このほか、介護保険に関しましては、市の認定調査員が行う認定調査にタブレット端末を導入し、認定調査の効率化を図ることで認定調査件数を増やし、要介護認定にかかる日数の短縮に努めてまいります。

6.こども・元気健康部

次に、こども・元気健康部所管の主な取組についてお話しいたします。

まず、新型コロナウイルス感染症対策についてでございますが、本市といたしましては、準拠すべき統一的指針である「基本的対処方針」にのっとり、埼玉県と連携するとともに、ふじみ野市医師会のご協力を賜りながら、ワクチン接種をはじめとする感染拡大防止策に引き続き万全を期してまいります。

次に、健康増進及び保健衛生に係る具体的な取組といたしまして、令和5年度は、令和6年度からの「第2期ふじみ野市元気・健康プラン」の策定を進めてまいります。

市民の皆様一人ひとりが生涯にわたり健やかにお過ごしいただけるよう、市民の皆様のご意見をいただきながら計画の策定に取り組んでまいります。

令和5年度の保健事業におきましては歯科口腔保健事業を拡充いたします。

小学6年生を対象としたむし歯・歯肉炎予防健康教育事業及び就学時健康診断の際に「保護者向け歯科講話」を実施する学校数を増やすとともに、ご高齢で口腔機能が低下された方への指導も実施いたします。

さらに、令和5年度から母子保健包括支援事業といたしまして、出産・子育て応援交付金事業にも取り組んでまいります。

令和4年4月以降に出産した全ての方を対象に、妊娠期から産後の育児期まで一貫した伴走型相談支援を行うとともに、妊娠時と出産時に経済的支援を行うことにより、全ての妊婦・子育て世帯が孤立感や不安感を抱くことなく、安心して出産・子育てができる環境づくりに努めてまいります。

次に、子ども・子育て支援に係る具体的な取組として、令和5年度は、令和7年度からの「第3期ふじみ野市子ども・子育て支援事業計画」の策定を進めてまいります。

地域や社会が子育て世代に寄り添い、子育てに対する負担や不安、孤立感をなくし、安心して子育てができる環境を整えること、さらには子育てや子どもの成長に喜びや生きがいを感じられるようになることを目指し、市民の皆様のご意見をいただきながら計画の策定に取り組んでまいります。

次に、児童発育・発達支援センターについてでございます。

本市の児童発育・発達支援センターは、令和4年度から公の施設とし、社会福祉法人と連携しながら、発育・発達に不安のある児童の発育・発達相談、児童の発達支援を提供する通園事業など専門的な療育支援や相談支援を実施するとともに、巡回相談支援や地域支援等の事業を行っております。

さらに、令和5年度から巡回相談支援事業を拡充することにより、支援の必要な児童の把握に一層努めてまいります。

今後も発育・発達に不安のある児童やご家庭を支援するとともに、地域社会への参加・インクルージョンを推進するための地域連携体制を構築することを目指してまいります。

次に、放課後児童クラブについてでございます。

令和4年度に実施いたしました建て替え前の西放課後児童クラブの解体工事をもって、毎年度実施してまいりました施設の更新及び整備事業は完了し、全ての放課後児童クラブが快適な環境となりました。

また、夏休み期間中の給食サービス事業は、令和3年度の事業開始以来、保護者の皆様から毎年高い評価をいただいているところであり、令和5年度は8日間提供いたします。

次に、保育所についてでございます。

上野台保育所の老朽化したウッドデッキを改修するほか、民間保育所であるたんぽぽ保育園の空調設備更新工事に対する支援も行います。

また、昨今の物価高騰を受け、経済的負担の増加への対応が必要となった場合には速やかに対応してまいります。

公立、民間を問わず保育所の施設整備及び管理運営の状況を把握し適切に対応することにより、ふじみ野市全体の保育の質の向上に努めてまいります。

7.都市政策部

続きまして、都市政策部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに、市内循環ワゴンの運行についてでございます。

これまで多くの方々にご利用いただいている市内循環ワゴンの運行をより効果的に、そして持続可能なものとしていくため、コース及びダイヤの見直しを実施してまいりました。

令和5年4月からは、改善された既存の4コースに加え、市役所本庁舎と大井総合支所を結ぶ新たなコースを加えた5コースで運行を実施してまいります。

今後も市民の皆様に安全で快適にご利用いただける市内循環ワゴンを目指し、取組を進めてまいります。

次に、公園緑地についてでございます。

なんぽの道は四季を通じてウオーキングや花見など多くの方々にご利用いただいております。

しかしながら整備から27年が過ぎ、近年は照明の老朽化や遊歩道においては樹木の根上がりによる段差が生じていることから、令和5年度におきましては、照明のLED化や舗装改修を進めてまいります。

次に、空家対策についてでございます。

本市では「ふじみ野市空家等対策計画」に基づき、空家化の予防、空家等の適切な管理と利活用の促進、管理不全な空家等の防止・解消などに取り組んでまいりました。

現計画につきましては、令和5年3月末をもって期間終了となるため、令和5年度は、新たに策定した第2期計画に基づき、これまで取り組んでまいりました様々な空家等に対する施策を更に効果的に運用していくとともに、全国的に問題視され始めている「高経年マンション」の管理不全といった新たな課題に対する施策に取り組んでまいります。

次に、道路新設改良事業についてでございます。

市道F-55号線におきまして、市立総合体育館に向かう交差点「通称八軒家交差点」の改良事業を進めてまいります。

三芳スマートインターチェンジのフル化の供用開始に伴い、主要アクセス道路となることから、埼玉県川越県土整備事務所、三芳町及び本市が連携し歩道整備等を行うことにより、児童や歩行者の安全確保を図ってまいります。

次に、雨水対策についてでございます。

江川流域都市下水路の下流部における浸水被害の軽減を図るべく、川越市と共同で川崎調整池整備事業を進めているところでございます。

令和4年度には、国の交付金や事業債などを活用し、調整池及びポンプ施設整備の実施設計を進めるとともに、地権者の皆様のご理解を賜り、調整池用地の取得がスムーズに完了したところでございます。

整備工事につきましては、令和5年度から令和7年度までの3年間で実施する計画となっております。

本調整池につきましては、元福岡地区や川崎地区における浸水被害の軽減に大きな役割を果たし、地域の皆様の安全・安心につながる実効性ある事業であることから、早期の完成を目指し整備を進めてまいります。

次に、公共下水道汚水事業についてでございます。

市街化調整区域の公共下水道未普及地区における管渠整備につきましては、これまでに、優先整備地区の皆様へ説明会を実施し、ご理解をいただき、実施設計及び調査業務を実施いたしました。

令和4年度には、下水道管渠布設工事に着手することができ、令和5年度以降も順次整備を進めてまいります。

次に、水道事業についてでございます。

水道管路におきましては、震災時における耐震対策として、耐震性の低い石綿セメント管の更新事業を引き続き実施し、将来にわたる維持費の軽減対策としてのダウンサイジングも継続実施してまいります。

また、浄水場施設におきましては、令和5年度も引き続き、福岡浄水場第1配水池の耐震補強工事を行います。

今後も計画的に災害に強い管路及び浄水場施設を構築するとともに、停電時でも井戸から取水が可能となるよう、水道事業用水源井戸につきましても改修事業を実施し、更なる安全な水道水の安定供給を図ってまいります。

8.教育部

最後に、教育部所管の主な取組についてお話しいたします。

まず、1つ目は、学校教育環境の整備でございます。

これまで、本市では校舎の大規模改造工事を計画的に進めてまいりました。

令和4年度には、予定どおり、さぎの森小学校の工事が完了し、鶴ヶ丘小学校の第1期工事に着手いたしました。

令和5年度は、鶴ヶ丘小学校の工事完了を目指し、第2期工事を進めるとともに、大井東中学校につきましては3年間で大規模改造工事を実施することとし、初年度の工事に取り組んでまいります。

さらに、福岡中学校の大規模改造工事の設計にも取り組んでまいります。

また、本市ではこれまで学校教育環境の整備に加えて、災害時の避難所としての機能強化を図るため、小中学校全校の体育館に空調設備や自家発電設備を設置し、トイレ改修、バリアフリー化を行ってまいりました。

引き続き、令和5年度は、学校開放や部活動等で使用している外トイレの洋式化にも取り組んでまいります。

いずれの工事におきましても、児童生徒の安全を第一に進め、快適な学校教育環境を構築してまいります。

2つ目は、学校教育の質の向上に向けた取組でございます。

GIGAスクール構想がスタートしたことを受け、本市では、「個別最適な学び」、「協働的な学び」を更に推進するため、令和4年度から配置しているGIGAスクール推進主幹1名を引き続き配置し、学校におけるICTの有効活用を支援し、授業の質的向上、校務の改善などに取り組んでまいります。

また、毎年実施されております「埼玉県学力・学習状況調査」につきましては、多くの領域において、正答率の県平均と同等かあるいはそれを上回る結果となっており、特に学年が上がっていくとその傾向は顕著であり、本市の児童生徒の学力は着実に向上しております。

引き続き児童生徒の学力向上に向けて取り組んでまいります。

さらに、老朽化している学校プールの更新費用や維持管理費用を削減し、1年を通して気候に左右されず、計画的、かつ、安全な水泳学習の実施が可能となる民間プールの活用をモデル校9校で実施し、課題や効果を検証してまいります。

そして、学校給食につきましては、昨今の物価高騰による賄材料費上昇への対応として、昨年度に引き続き、上昇分について公費を投入することで保護者負担を求めず、栄養バランス、質、量を維持した安全・安心な学校給食の提供を行い、食育を推進してまいります。

また、東台小学校におきましては、令和7年度には全校児童数が100人を下回る見込みとなっており、今後、ひと学年が10人前後となることも懸念されております。

小規模校の解消に向け、児童、保護者及び地域住民の方々のご意見を十分に伺った上で、課題の解決に努めてまいります。

3つ目は、社会教育環境の整備でございます。

本年中のふじみ野ステラ・ウェストのオープンに合わせて、大井図書館が新たな文化施設内へ移転し、業務を開始いたします。

ふじみ野ステラ・ウェストの開館時間が、午後10時までとなることから、大井図書館が閉館する午後8時以降につきましては、返却BOXの設置に加え、予約本の自動貸出装置を配備し、サービスの充実を図ってまいります。

また、電子図書の導入を開始し、開館時間内に図書館に足を運べない方や読書困難者、高齢者の方などが本に親しむ環境の拡大を図ってまいります。

老朽化が進んでいる上福岡図書館の大規模改修工事も大井図書館の移転後の業務開始を待って着手し、市民の方が、家庭や職場などとは違う、居心地がよくリラックスできるサードプレイスとなりえる図書館にリニューアルし、令和6年7月の事業再開を目指してまいります。

なお、工事期間中は、大井図書館の営業に加え、図書の貸出、返却カウンターをイオンタウンふじみ野内に設置し、休館中の影響が最小限となるようサービスを提供してまいります。

また、大井郷土資料館の移転に伴い、上福岡歴史民俗資料館の常設展示を本市の総合的な歴史と文化を学べる展示へと再構築するとともに、福岡河岸記念館と旧大井村役場におきまして、それぞれの立地や建物の特色を活かし、関わりの深い舟運、陸運の資料を展示するほか、他の公共施設や民間施設を活用して、アウトリーチによる特別展の開催を積極的に展開し、文化財の保存と活用、知識の普及を推進してまいります。

令和5年度は、「子ども優先のまちづくり」を掲げた最上位計画の前期基本計画の最終年度となります。重点プロジェクトである「次代を担う子どもを育むプロジェクト」の総仕上げの年度として、そして、令和6年度からスタートする後期基本計画へバトンをつなぐ年度として、引き続き教育委員会との連携の下、地域の皆様のご協力を頂きながら、教育行政を推進してまいります。

結びに

さて、私たちを取り巻く環境は、長期にわたる感染症の影響を受け、社会構造などが著しく変化しております。

経済的損失もそうですが、更に深刻な問題として、出生数の低下の問題があります。

新型コロナウイルス感染症の長期化の影響で将来への不安から「産み控え」が起きていると指摘されているようであります。

厚生労働省が昨年9月に公表した令和3年人口動態統計の確定値では、出生数は811,622人で、前年より29,213人減少し、明治32年の人口動態調査開始以来最少となり、合計特殊出生率は1.30で、前年の1.33より低下したと発表されました。

また、今年1月に公表された人口動態統計速報11月分では、令和4年1月から11月までの出生数は735,572人で対前年比38,522人の減少となっております。

前年同期間と比べ、5パーセントの減少です。

厚生労働大臣からも「令和4年の出生数については、77万人前後になるのではないか」との発言がありました。

これは、統計開始以来、初めて80万人を割り込むことになります。

令和4年の確定値の公表はまだだいぶ先にはなりますが、速報値から推測すれば、令和3年の合計特殊出生率1.30より更に低下することが見込まれます。

令和3年の合計特殊出生率も前年対比では、0.03ポイントの差で数字の上では感覚的に僅かなものに見えますが、実はこの差が、これから先、またその先へと大きな数字として表れてくるものと考えます。

今生まれてくる子どもたちが大人になった時、生活の利便性は今より更に向上していると思います。想像もつかないレベルで向上していることも考えられます。

しかし、減少する生産年齢人口で社会を支えていかなければなりません。

単純に高齢者を支えていくということだけではなく、この国全体を支えていかなければならないのです。

そのためには、先にお話しさせていただきましたとおり、最終的にはハード面でのつながりだけではなく、人と人とのつながりが必ず必要になると私は考えます。

繰り返しにはなりますが、何としてでも人と人との絆を決して解けることのないように、そんな思いであります。

いつの時代も、どの様な状況下にあっても、人の温かさや思いやり、こうした目には見えない心のつながりが大切です。

 

だからこそ、

このまちで暮らす

全ての市民が一つの家族のような

あったかいまちにしたい

 

そして何より大切なことは、

子どもたちの笑顔を増やすこと

 

この思いを胸に、市民の命と暮らしを守ることを第一に、引き続き全身全霊で取り組んでゆく所存でございます。

市民の皆様、そしてここにお集まりの議員の皆様におかれましては、なお一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の令和5年度施政方針とさせていただきます。

令和5年2月20日 ふじみ野市長 高 畑 博

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更新日:2023年02月21日