平成28年第1回ふじみ野市議会定例会市長施政方針
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はじめに ー 新たなステップへ ー
平成28年第1回ふじみ野市議会定例会の開会にあたり、私のふじみ野市政の施政方針を謹んで申し上げ、市議会の皆様と市民の皆様のご理解とご賛同を賜りたいと存じます。
ふじみ野市にとりまして今年度、平成27年度は、何と言いましても10周年という節目の年でありました。
そしてこの節目の年に市民の皆様と育んだ10年の歩みをオールふじみ野でお祝いし、輝く未来に歩みを進める契機として、市が直接実施するものや市民の皆さんや団体が実施する「ふじみ野市誕生10周年記念事業」を展開し、昨年の4月から先月までこの1年間様々な催しなどで盛り上げていただきました。
昨年10月4日に行いました誕生10周年記念式典におきましては、埼玉県知事を始め多くのご来賓の方々に、ご臨席をいただき盛大に執り行うことができました。
式典は二部構成で行い、一部では、式典に合わせ制作したふじみ野市誕生10周年PR動画や、本市出身でスポーツ界や芸能界で活躍する著名人の祝福メッセージビデオの上映を行うほか、作文やキャッチフレーズ、シンボルマークの作品の優秀者への表彰など行いました。
また、この合併10周年を契機にこれまでふじみ野市の発展にご尽力いただいた方々に敬意を表したいと考え、功労表彰制度を作りました。
当日は多くの受賞者にお集まりいただき表彰をさせていただきましたが、時間の都合上、各分野の代表の方にしか直接、表彰状をお渡しすることができませんでした。
あらためてこの場をお借りし、ふじみ野市の発展に寄与されました皆様に敬意と感謝を申し上げます。
式典二部においては、まさにこれからのふじみ野市を背負って立つ、今年度成人を迎えた若者が10歳になったふじみ野市にちなんで1/2成人式として、地場の材料を使い、プロ・アマによるお菓子作りの企画により式典に花を添えていただきました。
企画に携わった若者の行動力、実行力を見ていて安心して未来を託せると実感したところでもありました。
そんな式典も厳粛なうちにも暖かで和やかなとても素晴らしい式典を執り行うことができました。
更にその晩には、ふじみ野市の10周年を祝い、また文化・スポーツ振興条例の制定を記念いたしまして、市民実行委員会主催による「第九合唱コンサート」が盛大に開催されました。
私も当日、鑑賞させていただきましたが、プロのオーケストラの迫力ある演奏と、多くの市民の皆さんなどで構成された160人の合唱団の素晴らしい歌声に魅了されました。
平成27年10月4日はふじみ野市にとってとても素晴らしい一日になったのではないかと思っております。
さて、少し振り返ってみたいと思います。
合併直前の上福岡市、大井町の状況についてでございますが、両市町ともにまちづくりとしては、再開発事業や区画整理事業に取り組んでおりました。
財政状況については、年々税収が落ち込む中、財政は硬直化し行財政運営も厳しい状況下にありました。
合併年度の平成17年度決算における経常収支比率は99.7%と県内ではワースト1と言う状況にあり、財政運営上の自由度はほとんどありませんでした。
その厳しい行財政運営を強いられる中、平成21年11月、合併後約4年が経過し、財政的恩恵が受けられる期間もあと6年という時期に私は市長に就任いたしました。
とにかくスピード感と経営感覚を持った行財政改革を行わなければならないと感じました。
また、合併による財政的恩恵を受けられる時期に必要なことはやっておかなければ、その恩恵が無くなってからイザ何かをやろうと思っても財政的には厳しいだろうということは当時容易に想定できました。
従って、これまでやれることは必死になって取り組んできたものであります。
行財政運営の面では、積極的な民間活力の導入を図り、窓口業務の一部委託化や指定管理者制度の促進、公共施設の整備においてはPPP、PFI手法による整備も実施してきたところであります。
また、職員に対しては、コスト意識の醸成を図るなか、市民の皆様のお力を借りて公開事業評価の実施や外部評価制度の導入なども行ってまいりました。
一方、ハード面の整備につきましては、子ども優先の政策の中、小中学校においては、校舎の耐震化を前倒しで完了させ、その後は順次大規模改造工事を行っております。
また、エアコン設置につきましては、普通教室には昨年度設置を行い、来年度は特別教室を行うこととなっております。
また、老朽化した上福岡学校給食センターの建替えについては、先ほどお話ししましたPFI手法により更新し、間もなく運営が始まります。
学校関係以外では放課後児童クラブの増設や建替え、保育所の耐震補強工事なども実施してまいりました。
また、生活基盤施設としましては、ごみ処理施設の更新であります。
まずは、上福岡、大井両清掃センターの一本化を図りコスト削減を行いつつ、廃止した大井清掃センターは、有利な財源により、解体、土壌入れ替えを行い人工芝の多目的グラウンドとしてリニューアルさせました。
それと並行しまして、一本化した上福岡清掃センターの老朽化に伴う更新を三芳町との共同事業として現在工事を行っており、あと数か月で試運転を開始するというところまで来ることができました。
更に災害対策を強化すべく、震災対策として消防本部庁舎建て替えや災害発生時の拠点となる大井総合支所の建替え、本庁舎の耐震化と併せた増築工事を行うほか台風やゲリラ豪雨など雨水対策として、市内各所に貯留浸透槽の設置や排水ポンプ設置、遊水池の整備なども行ってきているところであります。
これら申し上げたものは一部であり、これ以外にも様々な取り組みを進めてきた中でありますが、それでもまだなお合併後の課題は多く残っております。
財政上の優遇措置の一つである地方交付税については、平成28年度から5年間かけて段階的に減っていき、平成33年度からは本来のふじみ野市としての算定額となります。
今年度の交付税の算定額から見た場合、最終的に現在と比較して約7億円程度、減額となる見込みであります。
一言で7億円と申し上げましたが、この財源分を事業として削減すること、または新たな財源として生み出すことは並大抵のことではありません。
平成27年度の普通地方交付税の交付額が約34億5千万円なので約20%相当になります。
7億円の影響がどれほど大きいかが分かると思います。
もう一つ財政上の優遇措置として合併特例債の発行がありますが、これにつきましては当初発行できる期間は合併後10年間とされていましたが、幸いにも法律の改正により15年間発行できることになりました。
これにより本市においては、平成32年度いっぱいまでは発行できることとなりました。
今議会においても平成28年度新年度予算案において合併特例債発行の予算を歳入の中で計上させていただきましたが、平成28年度発行後、残りの発行可能額は約73億円となります。
法律改正の恩恵を享受すべく残された期間でいかに有効にこの合併特例債を活用するか、そして、先ほど申し上げた交付税の段階的な減額において、いかに行財政運営をコントロールしていくか。
ふじみ野市の未来に向けて次の10年は非常に大事な期間であり、特にその上半期にあたる平成28年度からの5年間は、まさにふじみ野市の未来を左右する期間であると言っても過言ではありません。
その非常に大事な期間に突入するにあたり、舵取の重責を感じているところであります。
ふじみ野流戦略 ー 次の10年を見据えた舵取り ー
さて、そこで新たなステージでの舵取りについてお話ししたいと思います。
国においては、急速な少子高齢化の進展に対応し、人口減少に歯止めをかけるとともに、東京圏の一極集中を是正し、それぞれの地域で住みやすい環境を確保することにより、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくため、一昨年、「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、人口の現状と将来の展望を示す「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」及び5か年の政府の施策の方向を提示する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を示しました。
これを受けまして本市におきましては、今年度、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げるとともに、まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会を設置し、ふじみ野市総合戦略とふじみ野市人口ビジョンを策定いたしました。
策定にあたっては、平成27年10月末までに総合戦略を策定し、重要業績指標の設定など一定の条件を満たす場合については、国から交付金が受けられることが示されていたことから非常にタイトなスケジュールではありましたが、10月末までに一旦総合戦略を作りあげ、交付金を獲得したうえで、11月以降も継続的に検討を行い、戦略として更に必要なことを加え、この度、改訂版として議員の皆様には本日お手元にお配りさせていただいたところであり、同時に市のホームページにもアップさせていただきました。
このように交付金を獲得するため、さりとて不十分な、戦略には絶対にしないように二段構えで総合戦略を策定したことが既に、ふじみ野市の戦略の始まりとなったわけであります。
さて、その総合戦略についてご説明したいと思います。
戦略は本市の実情に応じた5か年の施策を示しております。
まち・ひと・しごと創生の実現に向けて効果的な戦略を練る上では、ふじみ野市の人口の現状を分析し、今後の人口の変化がふじみ野市の将来に与える影響の分析や考察が必要となります。
その上で目指すべき方向と人口の将来展望を見据え、そこに到達するためにはどのような戦略が必要なのか作戦を練る上で必要なものが人口の将来展望であるため、総合戦略の検討と並行して策定したふじみ野市人口ビジョンについて先にお話しいたします。
これまで、幾度となく申し上げてまいりましたが、本市は合併時より転入超過の状況が続いております。
とりわけ平成24年度からは超過の割合が非常に大きくなってきております。
転入超過の年齢構成を見てみますと0歳から19歳、25歳から39歳までの割合が多くなっており、子育て世代の流入が多いことが見て取れます。
再開発事業や区画整理事業、大規模な開発との政策融合の結果だと確信するところであります。
一方で20歳から24歳までの年齢では若干の転出超過という状況になっています。
これについては就職などの関係で転出が多くなっているのではないかと推察されますが、今後更にこの辺の詳細な調査・分析は必要と考えております。
次に、人口の自然増減について目を向けてみますと、合併時点から見た場合、年度によって多少の増減はありますが全体的に合計特殊出生率は上昇しており、合併した年、2005年1.23に対し2013年は1.36まで上昇し、埼玉県平均は超えたところであります。
そこで全国平均でありますが、同じように上昇傾向にあり追いつきそうで追いつかないといった状況となっております。
しかしながら、ここ数年で見ますと上昇カーブが本市の方が急なカーブとなっていることから、政策効果によりやがて追いつくのではないかと期待するところでもあります。
そこで将来の展望でありますが、市民意識調査の中で、結婚に対する考え方や結婚の予定また、希望する子どもの数などの調査を行いました。
それらから実際の有配偶者割合や結婚を希望する割合と予定、または、希望する子どもの数を掛け合わせて算出した本市の希望出生率は1.8となりました。
この数値は結果的に国の長期ビジョンにおける国民希望出生率1.8と同じ数値となりましたが、本市もこの1.8を掲げ2013年における実績値1.36から段階的に上昇し、2030年には1.8に到達するものと想定し、更に社会増を見込んだなかで人口の将来展望をお示しいたしました。
さて、そこで肝心の本市の総合戦略でありますが、ふじみ野市の現状や市民意識調査の結果を踏まえた中で、人口ビジョンで示した将来目標を達成するため、5つの目指すべき将来の方向を基本目標として定めました。
次に、戦略の中で展開していく主な施策を述べさせていただきます。
1 ふじみ野市における安定した雇用を創出する
これは創業・新産業の創出などによる本市で働きたい人のための働く場の確保や既存産業の活性化を進め、若者や女性などの就労を支援する取組を進めるため、「企業誘致の推進」「上福岡駅周辺を中心とした商業の活性化」などの施策に取り組むものです。
2 ふじみ野市への新しい人の流れをつくる
これにつきましては、次世代の本市を担う若者やファミリー層から選ばれ続けるまちを目指すため、生活環境の整備や暮らしのサポートの推進と併せ、本市が持つ様々な魅力を市内外に効果的・戦略的に発信します。
そして、本市のブランド力を強化することにより、交流人口の増加やその先の移住・定住につなげていく取組を進めるため、転入超過数を重要業績指標に設定し「ファミリー層が魅力を抱く生活・教育環境の整備」や「地域のブランド力の強化とシティプロモーションの推進」に取り組むものであります。
3 結婚や出産がしやすい環境を創出する
これは、今後本市で子どもを産み育てたいと思う人へ、子どもを産み育てていくための支援の充実を図ることにより、出産に希望や期待が持てるよう、「妊娠・出産・子育てまで切れ目のない継続した支援」を展開いたします。
4 誰もが子育てのしやすいまちを創出する
これについては、次世代を担う地域の宝である子どもたちが健やかに成長できることに併せ、出産や育児にかかる家庭や親の仕事への負担を軽減します。
そして、若い世代に子どもを安心して産み育てられるまちとして、選ばれるまちを目指すため「育児サポートの支援」や「待機児童ゼロの達成と保育環境の充実」などに対しこれまで以上に力を注いでまいります。
5 時代に合った地域をつくり、安全なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する
最後の5つ目につきましては、性別や年齢などを問わず、子どもから高齢者や障がい者が暮らしやすい地域であることが求められていることから災害に強く、犯罪が少ないことなどが市民にとって住みやすさのポイントとなります。
このため、地域力を高めつつ安全対策や都市基盤の整備を通じて、本市で暮らす人が住んで良かったと思えるまちづくりへのアプローチとして「安全・安心に過ごせる環境の整備」や「暮らしやすい生活環境の整備」「だれにもやさしいまちづくり」などに取り組んでいくものであります。
これらの総合戦略については、「住んでみたい、住んで良かった、住み続けたい」と思える人を如何に獲得し増やしていくかに重点を置いております。
そのためには、市民一人一人の皆さんにこのことを実感していただくこと、そしてその思いを個々に発信していただくことが、最大のシティプロモーションではないかと考えております。
今後は、今申し上げました5つを基本目標としてふじみ野市の総合戦略を推進してまいりますが、現在のふじみ野市の最上位計画であります総合振興計画につきましては、計画期間が平成29年度までとあと2か年と迫っています。
平成28年度、29年度と2か年かけまして平成30年度からの次期計画の策定を進め、総合戦略と次期最上位計画を基に次の10年と更にその先を見据えたまちづくりを独創と協創という2つの創造で行っていきたいと考えております。
独創とは、右へ倣えではなくふじみ野市独自、言い換えればふじみ野流の創造が必要であるということです。
そして協創とは文字どおり市民との協働によりまちを創造するということであります。
先ほどお話ししましたとおり、合併後まだ残っている課題を整理していくことと並行して新たな行政需要にも応えていかなければなりません。
一方で大きな財源の一つ地方交付税は段階的に縮減していくなど、容易な舵取りではありません。
しかし、独創つまりふじみ野流のまちづくりを市民の皆さんと協創することによりこの難しい期間である次の10年も突き進んで行けるものと確信しております。
私はこれまでと同様に積極的に市民の皆さんのもとへ足を運び、私の考えをお話しし、市民の皆さんの声を直接お聴きしてまいります。
そして、引き続き市民が主役のまちづくりを推し進めてまいります。
平成28年度の取組 ー 組織体制と主な事業 ー
それでは、新たなステージへの第一歩となる平成28年度の主な取組についてお話しさせていただきます。
平成28年度の各施策を推進していくにあたり、組織体制の強化と事務の集約などを図ることを目的に一部組織の改編を行います。
まずは組織のことについてお話ししたいと思います。
大きな改編では都市政策部になりますが、都市計画課の業務につきましては、都市基盤として総合交通体系の在り方や新たな循環バス交通など交通政策を担う係として交通政策係を新設します。
また、現在事業に着手しております上沢勝瀬通り線の整備や上福岡駅東口駅前広場の整備など今後本格的に事業を進めていくことから、現在の計画・事業係から事業実施部分を切出し、まちづくり整備係を設置いたします。
これに伴い都市計画関連事務や開発許可関係の事務を統合し、計画・開発係に再編いたします。
更に、同課内にありました公園緑地係を来年度からは、新たに公園緑地課といたします。
公園の改修、整備は、これまでも力を入れてきたところでございますが、更に運動公園のプール解体に伴うその後の整備、新環境センター整備に伴う地域要望による拡張、そして現在取得に向けて埼玉県と協議を重ねております旧福岡高校の整備の検討などが必要であります。
また、苗間、みほの地区の公園新設や大井弁天の森の保全など、従来からの維持管理に加え、新たに大きな事業を推進していくことから組織の強化を図るものであります。
この都市計画課の再編に伴い一部事務の所掌替えを行うことから道路課においても係体制の見直しを行います。
また、建築課ですが、建築技術職につきましては、これまでは必要に応じて他の部にも配置してきたところでありますが、事務の効率化を図るため建築技術職を建築課に集約し、市内の各公共施設の営繕関係業務などを一元化することといたしました。
これにより建築課の営繕・住宅係を公共施設営繕・住宅係と改名いたします。
同部内の公営企業につきましては、水道事業はこれまで公営企業として事業を行ってまいりましたが、来年度からは、下水道事業につきましても、公営企業として新たにスタートいたします。
これに伴いまして、上下水道課につきましても、係の再編をいたします。
以上、都市政策部につきまして、この度、大きな見直しを行うものといたしました。
続きまして、私の最優先政策であります子育て関連でありますが、来年度から子育てコンシェルジュ事業をスタートいたします。
詳しくは後ほど各部署の取組の中でお話しさせていただきますが、この事業の立ち上げを機会にこれまでの子育て支援センターの位置付けをより明確にし、事業の推進と子育て支援策の強化を行うため今議会で「ふじみ野市立子育て支援センター条例」を提案させていただいております。
この条例の制定により一つの独立した公の施設としてその役割を十分に果し、より一層の子育て支援体制の強化を図るものであります。
市民生活関連でも同様に「ふじみ野市消費生活センター条例」を提案させていただいております。
これは、不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律の施行に伴い、消費生活センターの組織及び運営等に関し必要な事項を条例で定めることとなったものであります。
消費者の権利を守るために、消費者がいつでもどこでも相談が受けられる消費生活センターの相談体制の充実が不可欠であり、条例の制定により、引き続きセンター機能の強化を進めてまいります。
そのほかといたしまして、政策担当部署については、合併後の課題等に対し様々な改革をスピード感持って進めるため、市長就任直後に、企画政策室を改革推進室と改めこれまで改革を進めてまいりました。
その改革の考えは一定程度庁内に浸透・定着してきたと思っております。
そこで、今後次の10年をにらんだ中で必要な改革は引き続き推進するとともに、更に行政経営を戦略的に行っていくため組織名を経営戦略室と改め、係制を撤廃しチーム全体で今後の政策推進にあたっていくものであります。
その他、若干の改正を行うほか、人員につきましては、事務や事業の内容と量を鑑みて適切な配置を行い、次にお話しいたします各部署における主な事業を始めとし、各施策の展開を図っていきたいと考えております。
それでは、平成28年度の主な事業について所管ごとにお話しさせていただきます。
1 総合政策部
まず初めに、総合政策部所管の主な取組についてお話しいたします。
先ほど、総合戦略のお話しの中で少し触れました総合振興計画についてでございますが、現計画の策定の根拠は改正前の地方自治法によるものであります。
しかし、その後地方自治法が改正され、法律上の策定義務はなくなり、策定「する」「しない」そしてする場合の根拠や決定方法等も各地方公共団体に委ねられることとなりました。
本市におきましては、ふじみ野市自治基本条例制定の議論の中、最終的にはその条例第16条において「市長は、市政運営の指針となる総合的な最上位計画を市民が参加する組織をもって策定し、市議会の議決を得るものとする」と規定したものであります。
そこで、現計画の期間は残すところ2年となったため、平成28年度から2か年かけまして新たな最上位計画を策定いたします。
策定にあたりましては、法律で定めるところではなく自らの意思において策定するものであるという認識のもと、従来の発想ではなく新たな視点に立ち、総花的ではなく現実を直視した中で、将来に向かってどうあるべきかをしっかりと議論しながら作っていきたいと考えております。
次に新たな公会計制度への対応として、準備を進めておりました財務会計システムの構築を行います。
発生主義を採用することで現金主義では即座に見えにくかったコスト情報の把握が可能となり、また、複式簿記を採用することで単式簿記では見えにくい資産・負債といったストック情報の把握が可能となります。
また、各部署の資産を統一した基準により固定資産台帳を整備することにより、耐用年数・更新費用の把握、統廃合や長寿命化の判断などに活用することができます。
平成28年度中にシステム構築を図り、平成29年度から新たな会計処理を行うことから、同年度分よりコスト情報・ストック情報が「見える化」され、これまで以上に議会や市民の皆様に説明責任を果たせるものと考えおります。
その他、総合政策部におきましては、シティプロモーション関係では、子育てしやすいまちをおもいっきりPRするため、PR冊子を作成し、不動産の販売・賃貸事業者の協力を得ながら、子育て世代のさらなる転入増加を図っていきたいと考えております。
また、情報処理担当部署では、オープンデータの推進を図ってまいります。
市が保有するデータを利用しやすい形でオープン化することにより、市民・企業と協働による公共サービスの提供や民間サービスの創出が期待できるほか、更に市民生活の利便性を向上させるアプリの開発など、より利便性を増した行政サービス、生活環境の提供が可能となるものであります。
2 総務部
次に、総務部所管の主な取組についてお話しいたします。
まずは、防災の関係でございますが、私は常日頃から「自助7割・共助2割・公助1割」とお話しさせていただいております。
災害対策の基本は、どのような事態においても「自分の命は自分で守る」という備えが大切です。
従いまして日頃より地域の防災力を高めることこそが、防災・減災の最も重要かつ最善の手段であると確信しております。
現在、地域の自主防災組織の体制整備については、組織率98.2%となっており、平成27年度に引き続き自主防災組織の強化を図るため、補助事業として、資機材整備や活動支援、地区防災計画の策定など重点的に支援をしていくとともに、平成28年度からは老朽化した防災倉庫の建て替えも毎年計画的に推進してまいります。
また、既に市民の皆様に全戸配布させていただいております地震ハザードマップ・洪水ハザードマップについては、被害想定や上位法が改正されたことから、最新版のマップに作り替え、再度全戸配布いたします。
次に、第37回九都県市合同防災訓練についてお話しいたします。
市では、防災関係機関の連携を検証するとともに、市民一人一人が自ら何をすべきかを考え、また、自治組織等の活動を通じ、災害に対する備えや意識の高揚と知識の向上を図ることなどを目的に、この大規模な防災訓練を実施することといたしました。
会場は市役所東側の民有地を借用いたしまして、本年8月28日に埼玉県とふじみ野市の主催により開催するものでございます。
会場レイアウトとしては、消防・警察・自衛隊等を中心とする機関系訓練エリアと市民等の体験・実践を重視した住民系訓練エリア、関係団体等が出店する防災フェアエリア等で大別する予定でございます。
また、防災訓練の成果をより具現化するものとして、ふじみ野市医師会との連携を図る中で、来年度は、発災時初期対応医薬品の備蓄を推進いたします。
これにより、災害時に設置される救護所において、医師による迅速な応急手当が行えるものと考えます。
なお、災害時の要配慮者支援体制としては、今年度、避難行動要支援者名簿を自治組織、民生委員・児童委員、ふじみ野市社会福祉協議会、入間東部地区消防組合、東入間警察署、地域包括支援センターの6団体の関係機関に提供しましたので、引き続き正確な進行管理に努めていきたいと考えております。
次に、庁舎整備の関係でございますが、市民サービスの拠点としてはもちろんのこと、防災の拠点としても重要な役割を果たす庁舎の整備につきましては、大井総合支所の建替えから始まり、現在は本庁舎の整備を行っております。
ご承知のとおり、増築棟の建設は完了し、既存棟の耐震補強、大規模改修工事もほぼ終わり、当初計画していた配置での業務を既に始めたところであります。
工事については現在地下と外構の一部を残すだけとなり、それも間もなく完了いたします。
これにより関連部署が密接した配置となりましたので、より一層の市民サービスの向上が図れるものと確信いたしております。
そして平成28年度は最終工事といたしまして、本庁第2庁舎の大規模改修を1年間かけて行ってまいります。
引き続きご理解ご協力をお願い申し上げます。
3 市民生活部
続きまして、市民生活部所管の主な取組についてでございます。
平成28年度、市民との協働による新たな市民大学を開校いたします。
本大学の名称は「市民大学ふじみ野」と冠し、市とともに市民がその運営の中心を担っていただく予定となっております。
本大学は、基本理念を『市民の学び 地域の学び 知の好循環』と定め、本大学での市民の学びが市民力の向上になり、大きな力となった市民力を結集し、今後顕在化する地域の諸問題の解決に向けて、市民のチームで取り組む仕組みを構築し、市民一人一人の生きがいづくりと地域力のパワーアップを同時に促進することを目的に設置いたします。
本市としましては、「市民大学ふじみ野」の開校によって市民と行政との協働の絆が今後一層大きく、太くなることを期待するとともに、地域での協働の輪が更に大きく広がりをもって、市内の各地域のコミュニティ活動が一層活発化・活性化することを期待しております。
次に文化とスポーツの関係でございます。
平成27年10月1日に文化・スポーツ振興条例を制定いたしました。
当然のことながらこれがゴールではなく、ここからが本番であり、文化、スポーツを通じたまちづくりのスタートとなったわけであります。
そこで、ふじみ野市全体で文化振興及びスポーツの推進に取り組むために、平成28年度中に文化振興計画、スポーツ推進計画を策定いたします。
文化やスポーツに関わる市民の皆さんの熱心な活動を見ていますと、計画の策定にあたっては、市民の皆さんの参加が不可欠と感じております。
次世代を担う子どもから大人まで、様々な背景を持った方々に参加いただくワークショップを開催し、ふじみ野市の特色を活かした計画づくりを進めてまいります。
文化を通じたまちづくりでは、近年、子どものコミュニケーション能力の向上や福祉の現場でのアートセラピーなど様々な課題解決の手段としての文化・芸術の力が注目されております。
日常生活にプラスアルファの豊かさを求める文化活動の環境整備とともに、こういった新たな取組についても視野に入れて進めていきたいと思います。
例えば、子どもたちがプロの芸術家から直接指導を受けながら、創造的な文化活動に取り組むことで、自主性や柔軟性、コミュニケーション能力などを伸ばし、多様化する社会に対応できる能力を付けていくような取組をしていきたいと思っております。
2020年には東京オリンピックが開催されます。
近隣では川越市、さいたま市で競技が予定されております。
市民のスポーツへの関心の高まりが期待される中で、ふじみ野市のスポーツについては、幅広い年齢層に合わせた様々な教室などを引き続き開催いたします。
児童を対象とした教室では、最近人気急上昇のラグビー教室、毎年大変人気のある夏休みスイミング教室や中学生の部活動を応援するスキルアップ教室を開催いたします。
また、成人層では、ラジオ体操普及事業を実施いたします。
これは、子どもから高齢者まで気軽に取り組めるラジオ体操で運動習慣の定着化を図り、元気・健康の好循環のまちづくりの推進を目指すものであります。
また、体育協会との共催事業では「スポーツカレッジ2016」を開催いたします。
今年1月に開催いたしました新春ロードレース大会では、今年も過去最多の参加申込みがありました。
市民の皆さんのスポーツ熱の高まりを感じるものであります。
この気運を、更に盛り上げてまいりますと同時に、ハード面の整備といたしましては、市内全体のスポーツ施設の在り方や配置など検討を進めつつ、まずは平成29年度の実施に向けて平成28年度は大井総合体育館及び武道館大規模改修工事の設計業務と併せ武道館の耐震診断を行ってまいります。
続きまして、来年度の組織体制の中でもお話しいたしました、消費生活センターについてでございます。
消費者を取り巻く環境は、高度情報化やサービスの多様化によって年々複雑に変化しており、消費生活センターに寄せられる相談も、複雑・多様化そして高度化しております。
複雑かつ巧妙化している消費者被害の防止・救済に対応するため、専門性や交渉力の高い相談員体制を維持していくことが必要であることから、ふじみ野市では地方消費者行政活性化交付金を活用して、消費生活相談員の体制を充実させ、弁護士、福祉部門など庁内や関係機関との協力体制の強化を図ったことで、高齢者などの消費者被害の防止・啓発や多重債務者の救済が進みました。
また、消費者被害を未然に防ぐため、出前講座や啓発事業など消費者教育の取組を積極的に行っております。
平成28年度も引き続き市民の皆様の安全・安心を確保するため、消費者にとって身近な地方消費者行政の一層の推進に取り組んでまいります。
4 環境経済部
続きまして、環境経済部所管の主な取組についてでございます。
平成28年度から2か年をかけ、「第2期ふじみ野市環境基本計画」を策定いたします。
策定にあたっては、ふじみ野市環境基本条例の目的でもある「快適で良好な環境の確保」に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、21世紀半ばを展望した豊かな自然とその恵みを次世代に継続し、自然と共生する社会の実現を目指します。
現在、私たちを取り巻く生活環境は、地球温暖化問題を始めとする気候変動などの地球規模の環境問題から、高齢化やライフスタイルの変化に伴う身近な環境問題まで広範、多岐にわたっております。
第2期環境基本計画では、市民の皆様の環境意識や環境課題を改めて捉え直し、第1期環境基本計画の成果である市民・事業者の皆様との連携・協働の広がりを更に発展させ、環境に配慮した環境にやさしい持続可能なふじみ野市を築いてまいりたいと考えております。
続いて、ふじみ野市・三芳町環境センターの整備でございますが、当初計画では、今年度中に完成する予定でしたが、約半年ほど工期が延長となっております。
工事そのものは現在順調に進んでおり、本年7月より試運転ができる見込みにあります。
その後本格稼働となり、これまで以上に効率のよいごみ処理、資源物処理が可能となります。
本市は市民の皆さんの3Rなど廃棄物・資源物に対する意識が非常に高く、市民一人当たりの燃やすごみ量の少なさは県内でもトップクラスを誇っております。
市民の皆さんのご協力により、資源物売却収入は多くなり、逆に燃やすごみ処理経費が低く抑えられています。
市民の皆さんお一人お一人が財源を産み出していただいていること、とても感謝しております。引き続きご協力をお願いいたします。
ただ今、新環境センターのお話しをいたしましたが、現在ごみ処理を行っております、上福岡清掃センターにつきましては、適正な閉鎖に向けて来年度以降準備を進めてまいります。
次に企業誘致についてでございます。
地域経済の活性化を図るためには、商業の発展と併せて、製造業や流通業などの企業誘致、企業立地が必要と考えております。
新たな企業が立地することによって、地域経済や雇用の面など地域の発展に大きく寄与するとともに、自主財源の確保にもつながります。
そのため、昨年度から産業振興課内に新たな組織を設置し、現在まで積極的に企業誘致に取り組んでおります。
これまでの取組でございますが、短期的な取組として亀久保大野原地区の権利調査をもとに、地権者の方と直接お会いして今後の土地利用の意向を伺いました。
今後は立地企業の適地の検討などを行う予定になっております。
次に中期的な取組として、総合振興計画で産業系土地利用促進ゾーンに位置付けられています国道254号バイパス沿道地区については、平成26年度に地権者を対象に実施いたしました農業に関する考え方や将来の土地利用の考え方の意向調査の結果において約8割の方が、土地活用に賛同の意向があったため、事業の実現可能性の調査を進めております。
今後は、地権者の意向を更に把握するとともに、地権者組織の立ち上げを目指し、併せて、国・県と協議をするための適地調査等を進めてまいります。
また、市内全域を対象とした企業立地のあり方や指針を示すための「企業立地基本計画」の策定に着手しております。
市内外の企業約一千社を対象とした企業アンケートを実施し、企業が本市に対して、どのようなものを求めているのかを把握するとともに、どのような業種の企業が本市への進出ニーズがあるのかを調査をし、その結果を基に、進出希望の高い企業に直接訪問調査を行いました。
更に、市内の既存企業からも意向を把握して、市としてどのような施策が必要なのか検証していきたいと考えております。
また、昨年は、圏央道の県内全線開通により、埼玉県を核とした高速道路の交通網が完成いたしました。
平成30年度には、関越自動車道三芳インターの全面フル化が予定されております。
そして、近い将来国道254号バイパスと外環道が連絡します。
これらにより、埼玉を中心とした、東北地方、北陸地方、関西地方、首都圏との強固なネットワーク、更には航空便を利用した諸外国とのネットワークが完成いたします。
関東に進出する企業、また東北方面への進出を狙う企業にとって、埼玉県の道路網を含めた交通条件は非常に注目されております。
また、人材を確保するという点でも首都近郊での本市の存在意義は非常に高くなっております。
私としても、ぜひ、この機を逃さず、積極的な企業誘致・企業立地に取り組んでまいる所存でございます。
5 福祉部
続いて福祉部所管の主な取組といたしまして、福祉総合支援チームでは、今年度から始まった生活困窮者自立支援法の円滑な施行とともに、複合的な生活課題等を抱えた方を総合的に支援するため、組織的な支援体制の構築を図ってまいりました。
1月には庁舎整備も進み、市民総合相談室と福祉課が隣接することで、生活相談から就労支援までワンストップでつながる窓口の相互連携の環境が整いました。
これまでの支援実績といたしましては、約300件、述べ支援回数は800回近くに及び、迅速に支援調整を図り、問題解決に向けた組織的な対応を進めてまいりました。
地域社会が抱える課題がますます複雑化し、求められる支援が多様化している状況から、引き続き組織的な連携協力を推し進めるとともに、従来の福祉の枠組だけにとらわれず、多角的な視点から市民の様々な課題解決に向けた取組を進めてまいります。
具体的には人員体制について、複雑な事案や精神的な課題を抱えている事案が増えていることから、新たに「福祉総合支援員」を配置するほか、心理相談員を1名から2名に増員いたします。
また、生活困窮者や若者の自立支援としては、本庁舎に設置されたふるさとハローワークと隣接した環境を生かし、生活困窮者の求職支援や職業紹介サービスを強化するとともに、新たに社会復帰から支援する「サテライト事業」の活動拠点を整備いたします。
「サテライト事業」では、不登校や引きこもりの課題を抱える家族を支援するため、心理相談員による個別相談や心理的ケア、就労支援員等による訪問、セミナーや交流会、求職準備など、社会復帰に向けた様々な取組を展開してまいります。
更に、子どもの貧困対策として、中高生が利用しやすい学習環境を整えるため、新たに本市単独で東西2か所に庁舎等を活用した学習教室を開催いたします。
また、家族が養育や生活面で課題を抱えていることが多いことから、学習支援員が地域に密着しながら支援するとともに、就労支援事業を生かした体験学習や卒業後の就職支援、更に地域団体や住民と連携した見守りなど、若者が地域で孤立せずに成長できる環境づくりに取り組んでまいります。
続いて、保育所の待機児童対策でございますが、数週間前に今年度の認可保育所の1次選考の結果が出たところであります。
その結果につきまして、予想はしていたところではありますが、1歳児、2歳児といった低年齢児の申込が定員を多く上回る結果となりました。
当初は、平成28年度1年かけて、保育需要の調査検討を考えておりましたが、「すぐにこの状況が変わることはありえない」「待っているわけにはいかない」との思いから決断し、平成29年度に1園を増設することといたしました。
従って平成28年度においても民間認可保育所の建設に向けて建設費の補助や支援を行ってまいります。
次に、私立幼稚園の関係ですが、毎年、私立幼稚園に通うお子さんの保護者の方々と懇談会を行っております。
その中で、就園奨励費補助金拡充のご要望を受けておりましたので、平成28年度からその拡充を図ることといたしました。
続きまして、児童の増加と老朽化による放課後児童クラブの整備についてでございます。
今年度設計を行いました福岡・第2福岡放課後児童クラブにつきまして、平成28年度は建替工事を行います。
この建替えにより、放課後児童クラブを学校敷地内に移すことから、より児童の安全が図れるものでございます。
同様に今年度設計を行いました駒西放課後児童クラブにつきましても平成28年度に増築工事を実施いたします。
更に三角放課後児童クラブにつきましては、平成29年度の建替えを目指し、平成28年度はその設計を行ってまいります。
次は、新たな子育て支援策として、誰もが、安心して、子どもを産み育てることができるように、「子育てコンシェルジュ」を上野台子育て支援センターに配置し、子育てにかかるワンストップ相談窓口を開設いたします。
妊娠、出産、子育てに関する悩みや不安、孤立感や負担感は、多種多様であると思います。
子育てコンシェルジュが一人一人に寄り添いながら、個別のニーズを把握し、情報提供、相談支援を行い、そして必要なサービスが円滑に利用できるよう、きめ細かな子育て支援をしてまいります。
子ども優先の政策は来年度以降も強力に推し進めてまいります。
続きまして障がい福祉の分野ですが、平成28年4月に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、「差別解消法」が施行されます。
この法律は、全ての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しあいながら共生する社会の実現に資することを目的としております。
市民に対する啓発活動等を継続的に行い、障がいを理由とする差別の解消に向け、市民の関心と理解を深めてまいります。
また、障がいのある方が、地域で安心して生活を続けるためには、地域における権利擁護及び定着支援といった専門的な相談支援体制が求められております。
平成28年度より、市内の事業者の協力を得て、「ふじみ野市障がい者相談支援センター」の再構築を図り、相談支援や計画相談の機能を充実・強化してまいります。
6 健康医療部
続いて、健康医療部所管の取組についてでございます。
まずは、高齢者の就業確保に対する取組についてお話しさせていただきます。
高齢者が生きがいをもって豊かに生活するためには、健康維持や、趣味・余暇活動の充実などとともに、就業を希望する方には適切な就業機会が提供されることが必要です。
国においても一億総活躍社会の実現に先立ち生涯現役社会の実現に向けた検討がなされているところでございます。
こうした中、本市では、高齢者の就業に関する支援対策をふじみ野市シルバー人材センターと連携して実施しているところでございます。
シルバー人材センターにつきましては、本年4月1日をもって富士見市、三芳町のセンターと合併し、「公益社団法人 入間東部シルバー人材センター」として、新たなスタートを切ることになりました。
合併することにより、就業機会確保のスケールメリットを生かすとともに、より高齢者の技術や経験等が生かされる職種へ就労できる可能性が高まる派遣就労の拡充を図っていくとのことでございます。
今後は、富士見市・三芳町と連携し、新たな事業の拡充を図るとともに、公益社団法人としての会員の社会貢献施策などについて支援してまいります。
次に、介護保険事業についてお話しさせていただきます。
市民が可能な限り地域の中で、安心して生活を続けていける仕組みづくりである「地域包括ケアシステム」の構築が急務となっております。
住み慣れた地域で生活を継続するために、心身機能の状態や生活環境の変化に応じて、医療・介護・予防・住まい・生活支援を柔軟に組み合わせて提供する仕組みを、日常生活圏域単位でつくりあげていくことが本システムの目指す姿であります。
システム構築に向け、「介護予防・日常生活支援総合事業」、「生活支援体制整備事業」、「在宅医療・介護連携推進事業」、「認知症総合支援事業」の主に4つの事業を中心に取り組んでまいります。
2025年には団塊の世代が75歳を超え、今後、高齢者のみ世帯が増加し、在宅生活を支えるための生活支援ニーズが高まってくることが予想されております。
新たな生活支援の担い手を確保するための取組として、介護の専門資格を持たない高齢者等を対象に、清掃・買い物などの生活支援に関する訪問型サービスを提供していくために必要な研修を実施してまいります。
また、認知症や障害などにより、判断能力が不十分な方を身近な地域で支援する「市民後見人」の養成研修を実施してまいります。
更に、平成29年4月に予定している「介護予防・日常生活支援総合事業」の開始に先駆け、地域における高齢者への生活支援体制整備を推進するため、地域の資源開発や多様な主体のネットワーク化等を図る「生活支援コーディネーター」を配置してまいります。
次は、元気・健康についての取組でございます。
「元気・健康都市宣言」に基づき、市民の健康寿命の延伸と医療費の削減を目的に、「元気・健康マイレージ事業」を実施いたします。
この事業は、ICTを活用した健康ポイント制度で、元気なふじみ野市、活気あるふじみ野市、持続可能なふじみ野市を目指すものでございます。
具体的には、活動量計やスマートフォンを活用し、歩きを中心とした健康づくりを応援するとともに、御自身の健康管理や市で開催される体力づくり、健康づくりのイベントに参加することによりポイントが貯まる制度であります。
この事業に参加された市民の皆様が、健康に対する関心を高め、楽しみながら、健康的な生活習慣を実践する動機付けとなることを期待するものでございます。
更に、妊娠中の方から高齢者まで健康に関するデータを保管し、活用することで、生涯に渡り切れ目のない健康づくりを支援するためのシステムの構築を図ります。
システム化することにより、家族単位での健康状況や、各地域単位での健康状況の把握ができるとともに、これからの健康づくりや介護予防などに役立てることが可能となります。
7 都市政策部
次に都市政策部所管の主な取組についてでございます。
平成28年度から新たに公園緑地課を設置いたしますことから、まずは公園関係のお話しをいたします。
新たな公園の設置といたしまして、(仮称)苗間みほの公園の用地として、今年度、旧大井教職員住宅の跡地を埼玉県から買収いたしました。
現在建物のアスベストの除去を行っており間もなく解体作業に入るところであります。
また、地域住民の方々にプランを提示し、ご意見を伺うことになっております。
平成28年度は、公園の詳細設計を行うとともに、造成工事に着手いたします。
同じく公園の関係でふじみ野市運動公園につきましては、平成18年より使用していないプールの解体撤去に向けて設計等準備を行っており、平成28年度は解体撤去の後、造成工事を行います。
跡地の活用につきましては、現在内部で検討を行っているところでございます。
また、その運動公園付近にございます旧福岡高校の取得に向けて、現在埼玉県と協議を行っており、そのグラウンド等の活用と併せた一体的な検討、プランニングを進めていくことが必要であると考えております。
今後は、体育協会の方々のご意見もお聴きしながら、整備を進めてまいります。
そのほかの公園につきましても、トイレ改修や園内整備を引き続き行ってまいります。
次に新たな市内循環バスのことについてお話しいたします。
この循環バスのことにつきましては、私のタウンミーティングにおいて、どの会場でも必ずと言ってよいほどご意見をいただく項目の一つであります。
これまで、アンケート調査や乗降調査など各種調査を行うとともに、多くの議論を重ねる中、ようやく実証運行をスタートするところまでたどり着きました。
新たなバスの運行においては、民間の既存路線があるエリアは民間に任せ、いわゆる公共交通空白地域を市が運行するという考えのもと進めてまいりました。
従って公平性の観点からも料金につきまして、減額等の措置は民間と同様に扱わせていただくことといたしました。
車両につきましては、小型化し台数を増やしたうえで、ルートはこれまでよりコンパクトにし、1コース当たり1日の便数を増やすことにより利便性の向上を図るものであります。
今後は実証運行をする中で、必要があれば見直しを行うなどして本運行につなげていきたいと考えております。
更に、この新たな循環バスを補完するものとして高齢者や妊婦、未就学児とその保護者、障がい者を対象として各福祉の担当部署において「お出かけサポートタクシー」と称しタクシー利用の助成制度も併せて行ってまいります。
続いては、上福岡駅東口の駅前広場整備ですが、これまで、地権者の方々のご協力をいただき、限られた範囲ではありますが建物等の物件調査を実施するとともに、ご意向なども伺ってまいりました。
また、約3か月前になりますが、東武鉄道の本社まで出向き、直接私から駅前整備に対する思いや協力のお願いをしてきたところであります。
平成28年度は、地権者の方々を始めとする関係者の意向を踏まえた駅周辺の計画案を作成してまいります。
以前から申し上げておりますとおり、駅は市の玄関口であり駅前は市の顔でもあることから、何としてでも実現させたい、実現させなければならないと思っております。
続いて上沢勝瀬通り線整備事業でございますが、現在のところ着々と進んでおります。
来年度以降も引き続き用地取得を行い、早期の整備に向けて努力してまいります。
同じく道路の関係で、葦原中学校前のすれ違いが困難な市道につきましては平成28年度に拡幅いたします。
また、埼玉県からの受託事業として現在行っております、国道254号歩道拡幅事業でございますが間もなく完了することから接続する東台小学校入口交差点から次の交差点までの市道につきまして拡幅事業を進めてまいります。
続いて、公共下水道事業についてでございます。
公共下水道事業の会計方式につきましては、平成28年度から企業会計に移行いたしますので、利用者への説明責任を果たすとともに健全経営に努めてまいります。
次に、雨水対策でございます。
江川都市下水路の上流地域であります関越自動車道西側地区の雨水対策では、地域内の3か所に大規模な雨水浸透施設を計画し、公共下水道事業として進めるため、都市計画事業認可変更を取得いたしました。
現在、大井西中学校周辺に整備を進めております貯留量約8000立方メートルの雨水浸透施設が今年度末に完成いたしますので、通学路を含めまして、雨水浸透施設周辺の道路冠水が大きく軽減されるものと考えております。
更に、国の補正予算により確保いたしました交付金を財源に、急遽、今定例会におきまして補正予算を提案させていただきましたので、ご可決賜りましたら、大井武蔵野地区に計画する2か所目の雨水浸透施設設置工事を1年前倒しをして進めてまいります。
また、福岡江川雨水幹線下流地域の水宮地区につきましても、雨水を効率よく排除するための排水ポンプ施設を設置し、浸水被害の軽減を図ってまいります。
次は、水道事業についてでございます。
東側地区の老朽管更新事業につきましては、配水管の口径を小さくするダウンサイジング事業をスタートするため、平成28年度は配水管の一部を増径する工事を実施いたします。
この増径により、今後は多くの路線でダウンサイジングが可能になり、老朽管更新事業費が大幅に縮減されます。
西側地区につきましても、平成28年度に実施いたします管網計算により、ダウンサイジング事業に取り組んでまいります。
水道事業でもう一点お話しさせていただきます。
平成28年度から2か年により、水道ビジョン及び水道事業基本計画を策定いたします。
計画の策定のコンセプトは、本市の合併による効果を高めるため、2つの浄水場の給水区域の見直しを検討し、併せて現在の水需要を踏まえ、浄水施設のダウンサイジングを検討してまいります。
厳しい経営が続く水道事業ではありますが、水道施設のダウンサイジング事業を積極的に取り入れることで、徹底した経費の削減を図り安定した経営を行ってまいります。
8 教育部
最後に、教育部所管の主な取組についてお話しいたします。
まずは、小中学校の環境整備についてでございます。
大規模改造工事についてでございますが、福岡小学校と大井中学校につきましては、平成27年度から2か年かけまして、工事を実施しているところであり、平成28年度は2か年目の工事となり、大部分は、夏休み中に完了いたします。
また、大井小学校につきましては、平成27年度に設計を行ったところであり、平成28年度から平成29年度の2か年かけまして工事を行ってまいります。
同じく小中学校の環境整備として行っておりますエアコン整備でございますが、小中学校の普通教室においては、平成26年7月からエアコンを稼働したところであります。
これに引き続きまして、今年度は特別教室のエアコン設置に向けて設計を行い、来年度は設置工事に入りますが、これにより小中学校の普通教室、特別教室全てにエアコンが設置されることになります。
これら大規模改修やエアコン設置などによる教育環境の向上が、更なる学力の向上につながっていくものと期待をしているところでございます。
小中学校の授業の関係でもう一点お話しいたします。
平成28年度から小中学校の夏休みは1週間短縮となります。
これは児童生徒と教職員がふれあう時間を増やすことを目的としております。
増加した授業時間数分につきましては、各学校の工夫により活用することになります。
例えば補習や学習会を行ったり、学校行事に活用したり日没の早い冬季の6時間授業を5時間授業に変更して、放課後の部活動の時間を確保することもできます。
このようにゆとりある時間を確保することで、子どもたちがいきいきと笑顔で学校生活を送れることを期待しております。
一昨年6月に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が公布されました。
新制度に移行するまでの間、暫定措置もございましたが本市におきましては、ちょうど1年前のこの第1回定例会におきまして、教育委員長と教育長を一本化した新教育長の選任につきましてご承認いただき、今年度から既に新制度による教育行政が行われているところであります。
ご承知のとおりこの改正は、教育の中立性、継続性・安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化などを図ることを目的とした、大きな制度改正となっております。
その一つが今お話しいたしました新教育長の任命でありますが、そのほかといたしまして地方公共団体の長による総合教育会議の設置や教育に関する大綱の策定などがあります。
その総合教育会議についてでありますが、昨年12月に開催させていただき、教育委員会において策定をいたしました教育振興基本計画について、意見交換を行いました。
この基本計画策定につきまして幾つかキーワードがあり、共に育つという字の「共育」や「地域」という言葉がポイントとなっております。
詳しい説明は教育委員会に譲りますが、日頃より教育長とは意見交換や認識の共有を図るため話し合う時間を定期的に設けております。
もちろん教育行政に対し過剰に私が口を挿むものではないという事は申し述べておきますが、その様な場で私は常日頃より「地域の学校」という事をよくお話しさせていただいております。
今回の教育振興基本計画においては、その辺りが明確に記されており、とても良い計画にまとめていただいたと思っております。
各教育施策について引き続き教育委員会と連携し、取り組んでまいります。
結びに ー 激動する社会 オールふじみ野で ー
国内経済は、物価、賃金、株価の上昇、雇用の拡大などデフレから脱却し、経済も回復基調が続いてきた中、原油などの資源安、中国を始め新興国経済の減速、そして株価急落、為替の円高推移など外的ショックと金融市場の変動を背景に、先日公表された10-12月期のGDPはマイナス成長となり、この先、不透明感は拭いきれない状況にあります。
しかし行政の長といたしましてはどのような状況にあっても的確な地方行政運営を行っていかなければなりません。
国においては地方に対する補助金、交付金関係の予算配分も大きく変わってきております。
これまでは、小中学校関係施設の整備に関する交付金もほぼ要望のとおり配分されておりましたが、状況は一転して今後はどれほどの交付金が配分されるのか分からない状況にあります。
平成27年度分につきまして、当初配分では厳しい状況でした。
私も黙って見過ごすわけにはいかず文部科学大臣あてに要望書を提出させていただきました。
当日、大臣は公務都合によりお会いできませんでしたが、副大臣にお話しできる機会を得ましたので、本市の人口増加と小中学校の環境整備に対する取組をお話しさせていただき、要望書を直接副大臣にお渡ししてまいりました。
文部科学省においては、当初配分後に追加配分を行っており、そこで当初不採択となった2校分の大規模改造工事については採択となりましたが、他の2校のトイレ改修工事は残念ながら不採択のままとなってしまいました。
そこで、熟慮いたしましたが、不採択となった工事につきましては、先延ばしにはせずここにお集まりの議員の皆様にもご了解いただき自主財源や地方債により行うことといたしました。
決して財源が有り余っているわけではありません。
しかし「子育てするならふじみ野市」有言実行であります。
財源を捻出するのも私の責務であります。
合併からこの10年間、市民の皆様の様々な活動とふじみ野市に対する熱い思いの中、今や「オールふじみ野」体制が整ったのではないでしょうか。
先ほどお話ししましたとおり、日本の経済を始めとする社会情勢も目まぐるしく変化する中、どのような状況になろうとも11万3千人の市民が、そして、これから生まれてくる子どもたち「オールふじみ野」で立ち向かって行けば、必ずや進化を遂げたふじみ野市へと発展することは間違いないと確信しております。
このまちで暮らす全ての市民が一つの家族のような、あったかいまちにしたい。そして何より大切なことは、子どもたちの笑顔を増やすこと。
迎える平成28年度は「新たなるスタートの年」との位置付けのもと、注目度ナンバー1のまちを目指し、引き続き全身全霊で取り組んでいく所存であります。
市民の皆様そしてここにお集まりの議員の皆様におかれましては、なお一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の平成28年度施政方針とさせていただきます。
更新日:2024年03月07日