令和2年第1回ふじみ野市議会定例会市長施政方針

はじめに

高畑市長

令和2年第1回ふじみ野市議会定例会の開会に当たり、私のふじみ野市政の施政方針を謹んで申し上げ、市議会の皆様と市民の皆様のご理解とご賛同を賜りたいと存じます。

さて、昨年は皇位継承が行われ、「令和」の時代の幕開けとなりました。

平成の時代は、人口減少・少子高齢化社会にみる人口構造の変化や、IT革命と言われるほどの先端技術の急激な進歩などにより、人々の生活様式や価値観の多様化が大きく進んだ時代となりました。

このような世の中の流れは、令和の時代も止まることなく、私たちの社会生活に様々な形で新たな変化をもたらすものと考えられます。

こうした新たな時代への転換期におきまして、今を生きる市民の皆様はもとより、次代を担う方々のためにも、このまちを更に住みよいまちへと発展させ、輝くふじみ野市の未来のために全力を尽くさなければならないとの思いを胸にしたところであります。

さて、東洋経済新報社の「都市データパック2019」によりますと、ふじみ野市は「住みよさランキング」におきまして、再び県内第1位となっております。

しかしこの結果は、あくまでも様々な指標に基づくものであります。

市民の皆様一人ひとりが、ふじみ野市に愛着を感じ、住み良さを実感していただいてこそ真に誇れるまちであると思っております。

令和の時代も誰もが住み良さを実感し、「夢と希望にあふれる故郷ふじみ野」に向けて、これからも市民の皆様と共にまちづくりを進めてまいる所存でございます。

社会情勢

さて、昨今の海外情勢は、米中の通商問題や英国のEU離脱、中東情勢の緊迫化など先行き不透明な状況にあります。

また、新型コロナウイルスの感染が中国を中心に広がりを続け、我が国をはじめ世界各国にも広がりを見せています。

これ以上に感染が広がることなく、一刻も早い収束を願うばかりであります。

次に、国内の経済状況としましては、1月下旬の内閣府発表の「月例経済報告」によりますと、基調判断は「景気は緩やかに回復している」との判断を維持しており、「先行きについては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、海外経済の動向や金融資本市場の変動に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要がある。」としております。

この報告にあるとおり、我が国の経済については、不透明さは否めないものの外需・製造業の落ち込みに歯止めをかけ、内需の堅調さを維持しつつ景気回復の継続に期待するところであります。

そして社会環境では、先端技術は急速に進化を続けております。

自動運転技術を取り入れたバスや乗用車は実用化段階に来ており、AIやIOTなどのデジタル技術は急速に社会実装が進んでおります。

こうした中で、本年は日本においても5Gの商用サービスが開始されるとのことであります。

高速・大容量、低遅延、多数同時接続を可能にさせ、IOTの基盤となり、AIも取り入れる中で、医療、交通、産業、農業などのあらゆる分野での利活用が見込まれており、Society5.0時代の基幹インフラとして期待されております。

こうしたことから、先端技術の普及により社会全体の利便性が向上すると同時に、行政サービスもより効率的で質の高いものへと転換を図ることが求められているものと考えております。

技術革新が進む時代にあっては、世の中の動向をしっかり見据え、ますます多様化する市民ニーズや地域課題にも的確に応えてゆくことができるよう、これからも市民の皆様の立場に立った行政運営を進めてまいります。

絆を紡ぐ地域づくりに向けて

さて、昨年は気候変動が危惧される中で、9月から10月にかけて立て続けに台風に見舞われ、各地で大きな風水害をもたらし多くの尊い命が失われました。

台風15号では、記録的な強風により送電網が損傷し、千葉県を中心に広域にわたる停電や屋根などの家屋被害をもたらしました。

また、東日本を直撃した非常に強い台風19号では、各地で記録的な豪雨により、県内をはじめ東日本各地で多数の河川で決壊や氾濫などを引き起こし、大規模な浸水被害をもたらしました。

本市におきましても、多くの世帯で浸水被害が発生いたしました。

今後も激甚化する自然災害は、常態化しつつあるとされており、更なる備えの強化を進めてまいります。

そして、災害に備える上で何より大切なことは、命を守る行動です。

まず、自らの命を守る「自助」、そして、その守られた命でみんなの力を合わせて地域を守る「共助」、この「共助」の力を揺るぎないものとして、さらに行政や防災関係機関などが果たすべき役割である「公助」、この「三助」を実践していくことにより、市民の皆様と共に、強い地域防災力を築き上げてゆくことであります。

日ごろから様々な地域活動に積極的に参加していただき、顔の見える関係を構築し、更に強い地域力を育んでいただきたいと思います。

市といたしましても、これまで以上に世代を越えた地域の絆づくりを全力で支援してまいります。

令和と共に躍動するふじみ野市に向けて

さて、昨年のラグビーワールドカップの開催により、スポーツへの関心が高まった中で今年はいよいよ「東京2020オリンピック・パラリンピック」が開催され、更なるスポーツへの関心や健康志向の高まりが期待されております。

こうした中、本市におきましては、昨年第2運動公園が完成したことにより、予定をしておりました市内の運動施設の整備が完了し、運動や各種スポーツに親しんでいただく環境が一層充実したところでございます。

これまで積み重ねてきた元気・健康都市としての取組を継続しつつ、一新した運動施設を市民の皆様に大いに利用していただき、自国開催のオリンピック・パラリンピックイヤーを、更なる健康の維持増進に向けた契機の年にしていただきたいと存じます。

また、運動施設の整備に続き、これからは文化施設の更新整備を順次進めてまいります。

まず、本年4月より「上福岡公民館・コミュニティセンター」の大規模改修工事を実施いたします。

新たな施設が、これまで以上に魅力ある施設として、あらゆる世代の皆様に様々な文化や芸術、趣味の活動を通して交流を深め、親しまれ愛される施設となるよう努めてまいります。

令和という言葉には、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ意味が込められている」と言われております。

ふじみ野市におきましても、令和の時代と共に、市民の皆様が心を通わせ合いながら、一層躍動していただけるような環境づくりを進めてまいります。

令和2年度の予算概要

さて、令和2年度における政府の予算案は、消費税率引上げによる財源を活用した社会保障の充実、経済対策の着実な実行、歳出改革の取組の継続により、経済再生と財政健全化を両立する予算として編成され、一般会計の総額は102兆6,580億円となり過去最大となりました。

特に社会保障関連経費は、対前年度1兆7,495億円増加し、35兆8千億円に達しております。

また、地方財政計画におきましては、地方が人づくり革命の実現や地方創生の推進、地域社会の維持・再生、防災・減災等に取り組みつつ、安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交付税等の一般財源総額について、令和元年度比1.2パーセント増の63兆4,318億円が確保されております。

こうした状況の中で編成した本市の令和2年度当初予算案の概要でございますが、一般会計の予算規模は、414億1,453万5千円で前年度と比較してプラス8.6%、32億8,611万4千円の増額となりました。

予算総額として大幅に増加し過去最大の予算規模となっておりますが、これは幼児教育無償化をはじめとした社会保障関連経費の増額のほか、土地開発公社において先行取得した用地の買戻し予算が18億4,634万円計上されていることによるものでございます。

歳入面では、法人税率の引下げ等にかかる法人市民税の減少があるものの、人口増加、所得増加に伴う納税義務者数の増による個人市民税の増加などにより、市税全体では、約7千万円増の163億9,855万7千円を見込んでおります。

歳出面では、幼児教育無償化に伴う経費や、障がい者や高齢者、子育て支援などに要する経費の伸びに対応するため、扶助費全体で前年度比約5億円増の119億6,238万5千円、公債費では、合併特例債や臨時財政対策債などの過年度分の償還完了の影響により、前年度から約1億1千万円減の40億5,881万円を予算措置しております。

また、普通建設事業では、令和3年度までの継続事業である上福岡駅東口駅前広場の整備費や(仮称)第3庁舎整備にかかる経費、そして引き続き小中学校の教育環境を改善するための予算を計上しております。

なお、本年度は土地開発公社において先行取得した上福岡駅東口駅前広場用地や都市整備用地の買戻し予算として約18億5千万円を計上していることから、普通建設事業全体では約25億1千万円増の50億5,859万1千円を計上させていただいております。

この様に、本市の財政状況につきましては、市税収入が堅調に推移している状況にはあるものの、歳出における社会保障関連経費は増加し続けており、また、公共施設やインフラの老朽化対策、防災・減災対策などを計画的に講じていく必要があるため、今後も厳しい状況が続くものと見込んでおります。

このため、令和2年度の予算編成に当たっては、限られた財源を効率的かつ効果的に活用できるよう、行政経営の視点を持ち事務事業の選択と集中を図ること、AI等による先端情報処理技術を活用することによる事務の効率化を図ること、民間活力の導入を含めた事業手法を検討することなどにより経常経費の増加を抑制し、安定的な財政基盤を構築することで、将来にわたって持続可能な財政運営を図るべく、必要な予算を配分したところでございます。

引き続き、将来構想に掲げた「人がつながる豊かで住み続けたいまちふじみ野」の実現に向け、多岐にわたる課題に対しスピード感を持って着実に取り組んでまいる所存でございます。

続きまして、令和2年度の各部の主な事業につきまして、説明させていただきます。

令和2年度の取組 ~主な事業~

1.総合政策部

まず初めに、総合政策部所管の主な取組についてお話しいたします。

令和2年度は、本市の最上位計画である「ふじみ野市将来構想 from 2018 to 2030」に基づいた数々の施策に取り組む3年目の年となります。

そのような中、本市の地方創生を担う重要な計画である「ふじみ野市まち・ひと・しごと創生総合戦略」においても、令和2年度を計画の初年度とする第2期の計画が始まります。

第2期総合戦略は、第1期総合戦略を基本的に引き継ぐものですが、新たな視点としてSDGsを原動力とした地方創生とSociety5.0の実現に向けた技術の活用を加え計画を推進いたします。

次に、「オールふじみ野」未来政策会議についてでございます。

平成29年度から実践編とし、「市の魅力の発信」をテーマに、メンバーが企画・検討を重ね、自ら情報発信する実践的な取組を進めており、市報の裏面に市内のお食事処を紹介する「ふじみんのいいとこ探し」を掲載しております。

レポートをメンバーが担当し、尚美学園大学の学生にイラストの協力を得て作成するこのコーナーは、市民の皆様から多くの好評をいただいているところでございます。

令和元年度は、これまで掲載させていただきました内容を冊子としてまとめ、今後、公共施設等で配布させていただきます。

また、令和2年度は、引き続き市報を活用して市の魅力をPRするとともに、公民連携のあり方について研究を深め、市の将来に向けた仕組みの構築を目指してまいります。

次に、個別施設計画の策定についてでございますが、公共施設の管理については、平成28年度にふじみ野市公共施設等総合管理計画を策定し、長期的視点での基本方針等を定めました。

令和2年度は個別施設ごとの具体的な対応方針を定める個別施設計画を策定し、今後の方向性や更新等に係る時期、費用を捉え、計画的に施設の改修、更新等を進めることで、市民の皆様が安全・安心に利用できる公共施設の管理を進めてまいります。

さて、私が市長に就任して以来、政治信念として毎年度欠かさずに行っておりますタウンミーティングでございますが、令和元年度は、平成30年度から2年間かけまして市内すべての自治組織で開催させていただきました。

これまでの10年間を通しますと、延べ9,151人の皆様と直接対話をしてきたところであります。

市民の皆様と膝を突き合わせて対話をさせていただくことで、地域の様々な課題に対する意識の高まりや市民ニーズの多様性を直接肌で感じることができます。

令和2年度も、引き続き開催し、市政への理解を深めていただくとともに、皆様の意見を市政に反映させてゆきたいと考えております。

次に、市の情報発信手段として大きな役割を果たしておりますホームページについてでございますが、令和元年度に新たなシステムを導入し、構築してきたところでございます。

間もなく、この3月上旬からリニューアル公開の予定となっております。

現在、ホームページにつきましてはスマートフォンやタブレット端末での閲覧割合が高く約65パーセントとなっております。

そのような状況を踏まえ、どんな大きさの画面でも見やすく、使いやすいものとなるよう、レスポンシブWebデザインを採用しております。

また、検索機能の強化を図るとともに、全国瞬時警報システム(Jアラート)と連携し、災害時の緊急情報の迅速な情報発信にも対応しております。

さらに、市民の皆様がホームページからメンバー募集やイベントの周知などができる掲示板機能を新たに設けております。

これによりまして、市民同士のコミュニティづくりを推進し、新たな地域コミュニティの醸成にもつながるものと考えております。

引き続き、より一層利用者の目線に立った分かりやすいホームページとすること、そして、更なる情報発信力の強化を図ってまいります。

次に、スマート自治体の推進についてでございます。

令和元年度は試験的にRPAを導入し、課税及び収税事務、給与等支給事務など各業務の自動化に向けた検証を行っているところでございます。

市の事務においては、手書きの申請書類が多くあり電子的に直接システムに取り込むことができず自動化には不向きでございます。

そこで、令和2年度は機械学習をAIが行い、高い認識精度を実現できるAI-OCRをRPAと併せて導入してまいりたいと考えております。

AI、RPAによる業務効率を改善する効果といたしましては、コストの削減ができ、ミスがなく、生産性が上がることにより、住民サービスの向上につながるものと考えております。

引き続き、AIやRPAなど活用できる業務を検証し、更なる業務の効率化に向け取り組んでまいります。

2.総務部

次に、総務部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに、防災対策でございますが、近年、想定外と言われる災害が常態化する中、令和元年台風19号は、10月12日から13日未明にかけて、東日本から東北地方を中心に広範囲にわたり大雨を降らせ、各地で甚大な被害をもたらしました。

本市も、12日の24時間雨量が314.5ミリを記録し、元福岡、川崎、滝、中丸及び水宮などの地域におきまして、内水による床上浸水など多くの被害が発生いたしました。

これまで、本市におきましては、災害に強いふじみ野市を目指し、ハード面とソフト面の両面から体制を強化してまいりました。

主なものといたしましては、迅速な避難行動や災害対応につなげられるよう「風水害タイムライン」の見直しを図ったほか、河川の氾濫や内水による被害が発生しやすい地域の自主防災組織と連携し、地域の身近な場所に新たに「土のうステーション」を設置いたしました。

また、平成31年3月に完成した防災備蓄品管理倉庫におきましては、台風19号の災害対応時に県からの受援物資の受入れや各避難所への備蓄品搬送のほか、激しい暴風雨の中、急遽屋内で土のうを作成するなど、実災害を通して中核的な倉庫として機能することが実証されたところでございます。

災害が激甚化する中、令和元年度には、8回目となるふじみ野市総合防災訓練を実施し、地域防災計画に基づく「災害対策本部」「地域防災拠点」「地区対策本部」の3層の応急活動体制を検証したところでございます。

この訓練におきましては、様々な課題に対応するため、災害対策本部では、防災備蓄品管理倉庫における自衛隊からの物資受入れや仕分けのほか、ダムウェーター、シューター、ハンドフォークリフト及びカゴ台車など、あらゆる設備を活用した搬入搬出訓練を実施いたしました。

また、地域防災拠点では、日中の災害対応の担い手不足や防災教育の一環として、100人を超える多くの中学生がボランティアとして訓練に参加していただきました。

さらに、地区対策本部では、平成30年度に引き続き、全自治組織が中心となって、避難行動要支援者名簿を活用した訓練を実施いたしました。

また、台風19号の際、本市としては初めて6箇所の避難所を開設したところでございますが、ある避難所では、避難者自ら率先し、避難所開設の準備や閉鎖時の片づけに至るまで共助運営がなされ、また、ある地域では、自主防災組織が中心となり、地域の社務所に多くの要配慮者と共に避難し、台風通過まで寄り添いながら見守りを行った事例がありました。

これまで、毎年積み重ねてきた総合防災訓練の効果が、様々な場におきまして表れたものと実感したところでございます。

私は、「訓練は上手に行うことだけではなく、行った訓練内容を振り返って検証し、新たな課題を見つけ出すことが重要」であると考えております。

今後におきましても、災害や訓練などを検証し、明らかとなった課題を整理しながら、市民や地域、防災関係団体と緊密な連携の下、実践的な訓練を実施してまいります。

また、災害対策用携帯電話につきましては、現在使用しているPHS電話機が、今後廃止となることから、いかなる事態にも対応できるように通信網の多重化を図るため、災害時優先電話制度や4G・LTE帯域を活用した携帯電話機へと円滑に移行いたします。

さらに、IP電話機能付小型無線機を新たに導入し、災害時における災害情報の即時取得と共有化を図ることにより更なる災害対応の強化を図ってまいります。

続きまして、防犯対策についてでございますが、本市におきましては、自治組織や青色防犯パトロール隊をはじめ、学校、事業所などで構成されておりますふじみ野市防犯推進会議の加盟団体の皆様を中心といたしまして、防犯意識啓発キャンペーンや防犯のぼり旗の掲示のほか、市内防犯パトロールや子どもの見守り活動など、幅広い防犯活動にご協力をいただいております。

こうした地域・警察・行政が一体となった防犯活動の成果により、令和元年の本市での犯罪発生件数は、平成30年の935件と比較し191件減少しており、治安が大きく改善されております。

また、高齢者を狙った特殊詐欺については、全国的にも被害が跡を絶たない状況にあり、市民の不安が増しております。

しかしながら、犯人による予兆電話が令和元年は、平成30年の301件と比較し、123件増加したにもかかわらず、令和元年の被害件数については平成30年の33件と比較し、12件減少しております。

これは、警察と連携した注意喚起のほか、補助制度による振り込め詐欺等対策機器の購入促進などが効果を上げたものと確信しております。

今後におきましても、振り込め詐欺等対策機器の購入費に対する補助をはじめ、積極的に地域へ出向き防犯講話等による注意喚起や防犯啓発を行うとともに、防犯ボランティア活動に対する支援や警察、関係機関と連携したタイムリーな情報発信による防犯対策を強化し、全市民を犯罪から守る「安全・安心なふじみ野市」の実現を目指してまいります。

続きまして、庁舎整備につきましては、令和2年度から3か年の継続事業として、現在の老朽化している第3庁舎、ヘルパーステーション及びふれあいプラザを統合し、新たな第3庁舎として建設いたします。

建物は鉄骨造3階建てで、1階部分は、点在していたふじみ野市社会福祉協議会本部事務所をワンフロアに集約化し、効率的な運営が図れるようにするとともに、令和2年度に新たに開設する「成年後見センター」を配置いたします。

また、2階部分につきましては、ふれあいプラザにあります入間東部シルバー人材センター上福岡事務所、ふじみ野市体育協会、ふじみ野市いきいきクラブ連合会、第4庁舎にあります高齢者あんしん相談センターふくおか及びふじみ野市勤労者福祉共済会の事務所としてご利用いただき、団体活動等の利便性向上を図ってまいります。

3階部分につきましては、必要な備品等を収納するための物品庫を設置いたします。

併せまして、県道から上福岡公民館に通じる歩行者用道路を第3庁舎北側に新設し、公民館利用者の利便性向上を図るとともに、交差点前をポケットパークとして整備し、歩行者等の安全確保に努めてまいります。

3.市民生活部

続きまして、市民生活部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに市民窓口サービスについてでございます。

本庁、大井総合支所及び出張所の各市民窓口におきまして、毎年度実施しております来庁者サービス満足度調査では、令和元年度におきましても満足度90%以上の評価をいただいております。

しかしながら、この結果に満足することなく、100%に満たない部分としてのご意見やご批判を真摯に受け止め、今後一層の市民サービスの向上や気持ちのこもった接遇を徹底してまいります。

なお、出張所は、日曜日の開庁が定着しはじめており、年々利用者が増加傾向にございます。

そのため、令和元年度には、窓口対応の人員を増やすなどサービス提供体制を強化したところであり、引き続き市民の皆様に喜ばれる窓口サービスの充実を図ってまいります。

また、出張所が入ります公共施設棟は、ココネ上福岡2番館の大規模修繕に併せ改修工事を実施することから、令和2年度は、その設計を進めてまいります。

次に、マイナンバーカードの普及促進対策につきましては、令和2年3月から毎週木曜日の受付時間を延長し、申請手続支援及び交付を行ってまいります。

併せまして、今後の申請者の増加や個人認証更新事務などを見込み、令和2年度からは窓口の人員強化を図ってまいります。

さらに、出張所におきましては、新たに日曜日の申請手続の支援を実施してまいります。

続きまして、消費生活相談につきましては、近年、インターネットなどの情報通信サービスの普及・多様化などにより、高齢者のみならず、若者を狙った詐欺被害の事例も増加しており、その内容は複雑かつ巧妙化してきております。

このようなことから、本市では地方消費者行政強化交付金の活用により、消費生活相談員による相談体制について、国の基準を上回る週5日の相談日を設けることにより、消費者被害や多重債務者の救済等に取り組んでいるところでございます。

今後におきましても、ふじみ野市消費者安全確保庁内推進会議などを有効に機能させながら、地域との連携を深め、消費者被害を防止するための啓発と被害に遭われた方への相談を充実してまいります。

次に、国民健康保険につきましては、平成30年度に県が財政の主体を担うという、いわゆる広域化が実現いたしました。

しかし、財政基盤が脆弱である構造的課題は解消されておらず、いずれの市町村においても厳しい財政運営を余儀なくされているところであります。

本市におきましては、従来からの医療費適正化対策を推進するとともに、国民健康保険財政調整基金の有効活用と保険税収納率の向上、そして保険者努力支援制度による交付金の獲得等を通じて、赤字補てん分である法定外繰入金の計画的な削減に努めてまいります。

また、毎年県から参考として示される標準保険税率については、本市の医療費水準や所得水準において計算されたものと承知しておりますが、現行税率との乖離もあることから、ふじみ野市国民健康保険運営協議会におけるご意見などを伺いながら、被保険者の負担が急激に増加することのないよう、適切に対応してまいりたいと考えております。

なお、埼玉県後期高齢者医療広域連合の「後期高齢者健康診査の見直しに係る今後の方針」及びその後の検討の結果、令和2年度以降の後期高齢者の健康診査については、原則として自己負担を求めないこととされました。

本市におきましても、令和2年度からの健康診査を無料化いたします。

これによりまして、受診が促進され、疾病の早期発見や早期治療による重症化予防にも資するものと考えております。

4.市民活動推進部

続きまして、市民活動推進部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに、自治組織への支援についてでございます。

自治組織は、地域の皆様にとりまして、住みよいまちづくりに欠かせない組織であります。

近年は加入率の低下が著しいため、令和2年度には地域振興基金で生み出された財源の一部を活用して、自治組織の加入率向上を目的とした取組へ充てるために補助金を拡大し、自治組織の活性化に向けた支援に取り組んでまいります。

また、主な活動拠点となる集会施設につきましては、自治組織の会長及び元会長、学識経験者で構成する検討組織を立ち上げ、ふじみ野市流の新たな集会施設の在り方について、議論を深めてまいります。

次に、国際化推進事業につきましては、外国語版生活ガイドブックを更に多くの外国籍市民にご利用いただくため、英語をはじめとする6か国語に加え、外国籍市民にもわかりやすく表記した「やさしい日本語」を追加いたします。

さらに、ふじみの国際交流センターに委託している外国籍市民向けの生活相談の時間を延長するとともに、引き続き同センターと連携しながら共生社会の構築に努めてまいります。

続きまして、心の健康を保つ文化の分野でございます。

文化施設の整備につきましては、令和元年度まで施設整備計画の検討を進めてまいりましたが、いよいよ令和2年4月から、「(仮称)東地域文化施設多目的棟」の大規模改修工事に着手してまいります。

改修内容といたしましては、新たにDIY室や音楽スタジオを設置するほか、機能面をアップグレードすることにより、誰もが利用しやすい、賑わいのある拠点となるよう、令和3年4月のリニューアルオープンを目指して取り組んでまいります。

また、エントランス前には、歩行者と車両の動線を分離した安全対策を講じるとともに、主要地方道さいたま ふじみ野 所沢線から勾配を気にせずお越しいただけるよう、新たに歩行者専用通路を整備してまいります。

次に、「(仮称)西地域文化施設」及び「(仮称)東地域文化施設ホール棟」の特定事業者の選定につきましては、施設整備と維持管理を一括して発注するDBO方式で進めており、令和2年第2回定例会に契約議決議案を上程する予定でございます。

令和2年度は、「(仮称)西地域文化施設」の基本設計・実施設計、また、大井中央公民館の解体設計・解体工事に着手し、ふじみ野文化を創造する拠点整備として、令和5年夏の完成を目指して取り組んでまいります。

なお、文化施設のハード面とソフト面の事業を計画・着手するに当たりましては、株式会社KDDI総合研究所の「リビングラボ」の手法を活用した市民ワークショップなどを今後も開催し、文化芸術に触れる事業を発展させ、「行ってみたら楽しかった」「また、行ってみたい」と実感できるような事業展開を検討してまいります。

一方、ソフト面の文化振興事業につきましては、令和元年度に開始した文化芸術活動未来応援事業、また、5回目の開催となるアートフェスタふじみ野を拡充し、未来のふじみ野文化を担う人材育成とともに、より多く文化芸術に触れる機会を提供してまいります。

さらに、これまで子どもたちを対象に実施しておりますアウトリーチ事業の拡充や事業の企画段階から参加していただく文化芸術コーディネーターを新たに設置し、事業内容の充実を図るとともに、アウトリーチ事業を担う人材の発掘及び育成に取り組むことで、市民の心の豊かさや健康づくりの増進を進めてまいります。

次に、体の健康を保つスポーツの分野でございます。

東西地域のスポーツ施設の整備につきましては、令和元年10月の第2運動公園多目的グラウンドのオープンにより、当初計画した施設の整備が完了したところでございます。

今後におきましては、これらのフィールドを大いにご活用いただくとともに、併せて、誰もがスポーツに親しめるよう、多様な事業展開を進めてまいります。

また、これまで東西各地域で開催されておりますスポーツフェスティバルにつきましては、本年ふじみ野市が誕生15周年を迎えることを契機として、4年に一度、オリンピック・パラリンピックの開催年に合わせて東西地域合同で行いたいとのご提案を自治組織連合会よりいただきました。

これに伴い、設置されました「オールふじみ野市民スポーツフェスティバル実行委員会」において、開催が正式に決定されたことを受けまして、令和2年10月25日の開催に向けて、趣向を凝らした競技種目やイベント等を計画するなど、実行委員会の皆様を支援しながら進めてまいりたいと考えております。

さて、2020年夏、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。

あらゆる世代がスポーツに親しむきっかけとなり、スポーツ振興や健康づくりに大きく寄与することが期待されます。

令和2年7月7日には、聖火リレーが富士見市を出発した後、三芳町を経由しながら川越街道を進み、東台小学校入口付近をゴールとして実施されます。

また、8月20日には、ランタンに灯された聖火を囲んでロビーコンサート「聖火ビジット」を開催いたします。

さらに、オリンピックチケットの有償頒布も行う予定でございます。

こうした取組を通して、東京オリンピック・パラリンピックを身近に感じていただき、未来を担う子どもたちに夢や希望を与えるとともに、スポーツを通して市民の皆様の健康づくりはもとより、活気ある地域づくりにつながるよう努めてまいります。

続きまして、環境の分野に関する取組についてでございます。

本市では1人1日当たりにおける家庭系ごみの排出量が少ない市として県内で4年連続第1位を達成いたしました。

私はこのことに心から感謝をするとともに市民の皆様一人ひとりの努力の成果として大変誇らしく思っております。

今後におきましても、平成29年度に策定した第2期環境基本計画・前期行動計画に基づき、快適な生活環境の保全や環境美化活動の推進、また快適で良好な環境を将来の世代に継承していくため、市民・事業者と協働、連携し、施策展開を進めてまいります。

また、第3期一般廃棄物処理基本計画の基本理念であります、「みんなで育てる 日本一ごみの少ない美しいまち ふじみ野市」の実現に向け、環境センターの施設見学や環境学習講座、エコラボフェスタ、フリーマーケットなど、環境教育と環境学習の機会を増やし、資源や自然を大切にする意識の向上を図るとともに、3Rを更に推進させるために各種施策を展開してまいります。

続きまして、産業振興についてでございます。

令和2年度は、これまで商工会と共に検討を重ねて策定に向けて取り組んでまいりました、経営発達支援計画に基づいて事業を展開してまいります。

この計画は、令和2年度から令和7年度までを実施期間とし、新たな需要開拓・ビジネスモデルの再構築に対する積極支援、創業に向けた仕組みの整備や事業承継への基盤づくりを目標として策定するものでございます。

今後は、地域の経済動向調査、経営分析、目標達成に向けた計画策定、実施支援及び新商品開発に対する調査等を実施してまいります。

また、平成29年度より県が指定するモデル地域として取り組んでまいりました空き店舗対策プロジェクトの成果として、商店街の空き店舗に菓子屋「ぶんぶん」がオープンいたしました。

現在、文京学院大学が運営しておりますが、市といたしましても引き続き支援し、商店会や地域の皆様にも参加していただきながら更なる展開を目指してまいります。

次に、農業支援策でございますが、農業生産改善事業への補助制度や多面的機能支援補助金制度等を今後も継続するとともに、農業振興地域整備計画の改正に併せて、今後の農地のあり方について調査研究を続け、農業委員会と共に農地の最適化に努めてまいります。

併せまして、軽トラ市や直売市の拡充を図ってまいります。

5.福祉部

次に、福祉部所管の主な取組についてお話しいたします。

まず初めに、地域共生社会の実現に向けた地域福祉の推進につきましては、令和2年度が、第1期子どもの貧困対策推進計画、第1期障がい者プラン及び第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の最終年度でございます。

これまで、各計画に基づき取り組んでまいりました施策の進捗状況や評価を総合的に行いますとともに、市民の皆様や関係機関等への調査結果を分析し、次期計画の策定につなげ、的確な実態把握と推計に基づいた実効性のある計画を策定してまいります。

また、経済状況の変化や家族機能の低下、少子高齢化による地域の持続性への懸念など、様々な社会環境の変化を背景とする複雑かつ多様化する福祉ニーズに対応するため、平成31年4月にふくし総合相談センターよりそいのサテライト拠点として、介護予防センター内に「ふくし総合相談センターにじいろ」を開設し、コミュニティソーシャルワーカー3名を配置したところでございます。

令和2年度も引き続き、アウトリーチによる支援や地域住民の皆様及び様々な関係機関との連携を強化し、地域の課題に対する総合的な相談支援に取り組んでまいります。

次に、お出かけサポートタクシー事業につきましては、アンケート調査の結果を踏まえまして、令和2年度より共通乗降場方式を廃止し、市内に限っていた運行範囲を2市1町まで拡大いたします。

これによりまして、大幅な利便性の向上を図るとともに、利用回数と補助金額の上限を設定させていただき、多くの皆様が公平に利用できる福祉サービスとして実施してまいります。

また、今後の地域社会は、認知症高齢者や単身世帯高齢者の増加が見込まれております。

そのような中、障がいなどにより契約等の法律行為における意思決定が不十分な方につきましては、その方に寄り添い、丁寧に意思を汲み取りながら生活を守り、支援していく「成年後見制度」の利用促進を図ることが喫緊の課題でございます。

この課題に対応するため、令和2年度新たに「成年後見センター」を開設いたします。

これにより、成年後見制度に関する機能の集約化や相談窓口の明確化が図られることから、相談から支援に至るまでの総合支援体制が整備され、制度利用の促進に大きな効果が得られるものと考えております。

次に、障がい者の重度化や高齢化、親亡き後の課題に対応するため、障がいのある方が住み慣れた地域で安心して生活するための環境づくりとして、社会福祉法人入間東部福祉会と連携を図り、令和元年10月、緊急時などに利用可能なショートステイを併設した「グループホームふじみ野かがやき」を開設したところでございます。

さらに、令和2年度には、同法人が運営いたします障がい者入所施設「入間東部みよしの里」の増床を2市1町で連携しながら整備してまいります。

また、障がい者の地域生活を支えるための多機能拠点であります「地域生活支援拠点」のあり方につきましては、地域自立支援協議会で様々な社会資源の連携活用も踏まえて検討していただき、令和2年度中の整備に向けて取り組んでまいります。

入所施設や病院などから、障がい者の地域移行も進められる中、地域における受け皿としての環境を整備してまいります。

一方、医療的ケアを必要とする方の支援策につきましては、これまでレスパイトケア促進事業のほか、令和元年度には、県の「医療的ケア児支援体制整備促進モデル事業」を活用し、市内に2か所のサービス提供事業所を設けることができました。

さらに、令和2年度におきましては、災害などによる長期間にわたる停電に備えまして、医療機器への電力供給を確保するため、非常用発電機を日常生活用具の給付品目に追加し、ご家庭への配備を支援してまいります。

さらに、災害時における避難行動計画の策定が喫緊の課題となっておりますことから、「医療的ケアを必要とする方の個別支援計画」につきましては、在宅療養患者を支えている訪問看護ステーションなどへ委託し、積極的に策定を進めてまいります。

令和元年度には、本市の高齢化率も25%を超えたところであり、令和4年には、いわゆる団塊の世代の方々が75歳以上の高齢者に到達することが見込まれております。

このような中、令和元年度には県内でも先進的な取組として「介護予防センター」を開設し、介護予防や健康づくりの拠点として様々な事業を展開しており、多くの皆様に継続的にご利用いただいております。

令和2年度も引き続き、介護予防事業を積極的に展開してまいります。

そして、介護が必要となった場合でも、住み慣れた地域でいつまでも生活することができるよう、引き続き在宅医療と介護の連携を深めるとともに、認知症への理解を促すための事業を展開してまいります。

また、地域包括ケアシステムの構築を更に推進するため、4つの地域包括支援センター圏域のうち、「かすみがおか圏域」において、令和元年5月、身近な地域で課題解決が図れる体制づくりとして、第2層の協議体を設立したところでございます。

今後、本年3月末を目途に「つるがまい圏域」での設立に向けて準備を進めるとともに、令和2年度は、残りの2包括の「ふくおか圏域」と「おおい圏域」におきましても立上げに着手し、全包括圏域における第2層協議体の設立に向け取り組んでまいります。

なお、施設入所が必要な方の地域生活拠点として、令和元年度中に認知症対応型のグループホームが完成する予定であり、令和2年度につきましては、地域密着型の特別養護老人ホームの整備を着実に進めてまいります。

6.こども・元気健康部

次に、こども・元気健康部所管の主な取組についてお話しいたします。

将来構想スタート時より、これまで前期基本計画に基づいて、各種施策及び事業を展開してまいりましたが、令和2年度につきましては、前期基本計画6年間の折り返し地点となる節目の時期として、非常に重要な年度となります。

初めに、関係機関との広いつながりを意識し取り組んでおります「切れ目のない継続した子育て支援」につきましては、これまで大輪の花を咲かすべく、一つひとつ大事に種をまき、今まさにその成果がつぼみとなって数多く表れてきている状況を実感しております。

ふじみ野市流子育てコンシェルジュ事業として、子育て支援課や子育て支援センター、保育所をはじめとする子育て支援部門と、各種の専門的知識がある保健センターとが、がっちりとスクラムを組み、リアルタイムで情報共有しながら、密接に連携することにより、支援が必要な子育て世帯に対し、着実な支援が行われております。

その結果、発生事例数として全国的にも右肩上がりの状況が続き、社会問題となっている「児童虐待」につきましては、本市においても重大なケースや課題が山積しており、決して対岸の火事とは言えない中ではありますが、現状としては大事に至ることなく子どもたちの健やかな成長へとつながっております。

この「児童虐待防止」に係る取組といたしまして、更に児童相談所及び警察等外部の関連機関との連携強化を図るため、あらゆる情報媒体を駆使し効果的な手法を研究した結果、試験運用での提案を全国規模で展開するシステム運営会社へのアプローチを行い、「児童虐待情報共有システム」の提供について具体化する運びとなりました。

このことにより、非常に期待値の高いシステムを、今後5年間、本市としては費用負担することなく導入できますことから、今後の支援については、更なるスピード感と危険回避の精度アップを期待できるものと考えております。

また、昨今の子どもを取り巻く社会環境や生活様式の変化から、運動機会の減少や生活習慣の乱れが生じており、子どもの体力・運動能力が長期的に低下傾向にある現状につきまして、子ども優先のまちづくりを掲げる本市といたしましては、大変憂慮すべき状況と捉えております。

そこで、まちぐるみ「オールふじみ野」で子どもたちを見守り育む体制の構築を目指し、「こどもにやさしいまちづくり条例(仮称)」の制定に向けた検討を令和2年度からスタートいたします。

この条例制定の狙いといたしましては、先進事例に見られるような「子どもの権利」という視点のみにフォーカスした内容にとどまらず、子どもの体力向上のために本市全体で何ができるのかなどについても皆さんで検討を進めてまいりたいと考えております。

さらに、子どもの放課後における安全な居場所として、のびのびと過ごすことができるよう、これまで、毎年度整備してまいりました放課後児童クラブにつきましても、令和2年度は、鶴ケ丘放課後児童クラブの建て替えを行うとともに、大井放課後児童クラブにつきましては、建て替えに係る設計業務を実施してまいります。

次に、保育所の待機児童対策についてでございます。

これまでの民間保育園整備の成果といたしまして、民間の認可保育園が15園、認定こども園が2園、小規模保育事業所が4園という状況にまで保育環境が整ってきたことから、平成31年4月時点の待機児童数は2名まで減少しております。

しかしながら、受け皿を増やし多様な保育ニーズに応えていく中でも非常に重要であり、最優先に考えていかなければならないこととして、安全・安心な保育環境の確保は当然のことながら、保育内容における質の向上を常に目指していかなければなりません。

このことから、令和元年度まで3年間にわたり実施してまいりました民間保育コンサルタントによる「保育運営等巡回相談業務」の成果を活用するとともに、そこで得た多種多様なアドバイスを基に、令和2年度からは、定期的な検証を実施し、必要に応じた指導を行ってまいります。

併せて、幼児教育無償化もスタートしたことにより、本市では、保育園児1,716人、幼稚園児1,616人の子どもたちがいる世帯に対する、経済的負担を軽減するための膨大な業務も抱える中、効率的かつ効果的な事務体制を構築していく必要があることから、入所選考事務においては「AI」を導入し、約2,500人に及ぶ令和2年度保育所入所希望者の選考を実施いたしました。

令和2年度入所分につきましては、これまでのアナログ方式も並行して行っており、状況に応じた本格稼働を目指しているところでございます。

続きまして、元気・健康に関する取組についてでございます。

元気で健康に、快適な日常生活を送るために欠かすことのできないものの一つといたしまして、「目の健康」を守り続けていくことが挙げられます。

特に、緑内障は、中高年の方に起こる代表的な目の病気であり、現在、全国では340万人以上の緑内障患者がいると言われております。

40歳以上の成人20人に1人の割合であり、多くは自覚症状がなく進行してしまい失明に至るケースも少なくないことから、適正な時期に検診を受け、早期発見・早期治療につながるよう、令和2年度から、県内初の取組となります「緑内障検診」を実施してまいります。

より精度の高い検査内容となるよう、視神経の断面を撮影できる機器を使用しての検診を予定しているところでございます。

また、特定健診につきましては、受診率が平成23年度に県内第1位となり、平成30年度に再び県内第1位になるなど毎年県内トップクラスでございますが、特に受診後に行う保健指導が重要であると考えております。

この特定保健指導率につきましても、毎年県内上位に位置しております。

さらに、県内において、受診率及び指導率の双方がトップクラスである自治体は、我がふじみ野市のみとなっており、大変誇れる状況であると考えております。

このような状況を令和2年度は更にブラッシュアップし、市民の皆様の元気・健康につながるよう取り組んでまいります。

元気・健康マイレージ事業につきましては、令和2年度も1,000人の参加者を募集してまいります。

これにより、令和元年度までの全参加者4,200人の健康志向市民に加え、本市として5,000人に及ぶ規模での元気・健康マイレージ事業を展開していく予定でございます。

続きまして、令和元年度から実施しております「風しんに関する追加的対策事業」の継続につきまして、令和2年度においては、昭和37年4月2日から昭和47年4月1日までに生まれた男性に対し、令和元年度と同様にクーポン券を発送することにより、抗体検査及びその結果に応じた予防接種につなげてまいります。

また、ロタウイルスによって引き起こされる急性胃腸炎につきましては、乳幼児がかかりやすいことに併せ、5歳頃までの入院患者のうち、半数程度はロタウイルスが原因とされていることから、ロタウイルス感染症が予防接種法に位置付けられましたことを受け、令和2年10月から接種費用の全額を本市において負担していくものでございます。

乳児から高齢者まで、すべての市民の「命を守る」ことが、私に託された最大の使命であり、政治と行政の原点であると考えております。

この信念のもと、大きく関わりのある子育て支援や元気・健康の分野につきましては、今後も引き続き「信念の具現化」に向け、取組を推進してまいります。

7.都市政策部

続きまして、都市政策部所管の主な取組についてお話しいたします。

まず初めに、上福岡駅東口駅前広場整備についてでございます。

平成30年度における上福岡駅の乗降客数は、1日に平均で約57,000人の方が利用されており、これは、東武東上本線38駅中10番目に多い駅となっております。

このことから、上福岡駅東口駅前における朝夕のラッシュ時には、歩行者と車両が錯綜している状況でございます。

こうした状況を改善し、歩行者の安全確保を最優先とするため、本年3月より橋上駅舎からサンロードへとつながる歩道橋の整備工事を進めてまいります。

工事の実施に当たりましては安全を第一とし、地域の皆様の生活に影響が出ないよう、令和3年7月の完成を目途として進めてまいります。

次に、国道254号バイパスふじみ野地区の産業団地創出についてでございます。

現在、産業団地の創出による市の自主財源の確保と雇用創出を図るため、土地区画整理事業の認可に向けた県との継続的な協議を実施しております。

引き続き事業の早期実現に向け、土地区画整理事業準備委員会と共に事業を進めてまいります。

次に、上沢勝瀬通り線整備事業についてでございます。

現在までに事業用地の約60パーセントの用地取得が完了し、今後も地権者の方々へ丁寧な説明を継続的に行いながら事業用地の100パーセント確保と、県道との接続箇所についての安全確保に配慮した計画について、県や警察と協議を進め、引き続き早期の供用開始を目指して取り組んでまいります。

次に、公園整備についてでございます。

運動公園南側拡張部の整備につきましては、平成30年度から調整池、周辺道路及び外構の整備を実施してまいりました。

令和2年度にはベンチや日差し除け、複合遊具を設置することにより、来場者の休憩場所や小さなお子様連れの家族利用なども含めた「子ども広場」として整備を進めてまいります。

次に生産緑地についてでございます。

市街化区域内の農地面積は年々減少傾向にありますが、近年は都市農業への認識の変化から都市農地は都市に必要なものとの認識が広がっております。

そのような中で生産緑地法が改正され、新たに「特定生産緑地制度」が創設されたため、市内東側地区におきまして、平成4年に指定された生産緑地所有者を対象とした、特定生産緑地の指定に関する個別相談や再指定についての意向調査を実施してまいります。

また、令和元年に「生産緑地地区の区域の規模に関する条件を定める条例」を制定したところでございます。

今後につきましては、面積要件引下げに伴う生産緑地の追加指定の受付を行ってまいります。

次に空き家対策についてでございます。

空き家は、放置され老朽化が進むほど、除却に要するコストの上昇や所有者の探索が困難になるなど、問題の深刻化につながるため、何よりも空き家問題を発生させない予防策が重要であります。

そのため、自治組織と連携し、随時、地域からの空き家情報を収集することを目的に令和元年10月にふじみ野市自治組織連合会と協定を締結いたしました。

これからもこの協定を基に各地域と連携による実態把握を行い、安全・安心な市民の生活環境の保全を図るための取組を進めてまいります。

さらに、空き家所有者が自ら責任を持ち、適正に管理してもらうための意識啓発を行い、新たな空き家を発生させない対策に取り組んでまいります。

次に雨水対策についてでございます。

令和元年10月の台風19号は、記録的な豪雨となり、本市におきましても甚大な浸水被害が発生いたしました。

平成29年の台風21号の浸水被害に比べ、特に水宮地区におきましては、床上床下浸水とも件数は増大してしまいました。

そのため、水宮地区の浸水被害の軽減対策といたしまして、福岡江川幹線の右岸側の谷田橋上流部にある市有地に溢水した雨水を貯留し、谷田橋の下流側へ放流する施設の整備を計画しております。

これからも国や県に協力を仰ぎながら、周辺地域での浸水被害の軽減を図るため、内水浸水対策を着実に進めてまいります。

また、西鶴ケ岡地区では、令和元年度に4基目の雨水貯留浸透槽の設置工事が完成し、令和2年度、更に5基目の工事を実施してまいります。

周辺の道路冠水の防止と併せて、福岡江川下流部における浸水被害の軽減効果も期待しているところでございます。

平成27年度から5か年計画で進めている雨水対策事業でございますが、大井武蔵野地区に2基の施設が完成しており、3基目として亀久保大野原地区の自衛隊大井通信所西側に約10,800立方メートルの調整池の築造工事を現在進めているところでございます。

完成いたしますと、この地域に約30,000立方メートルの雨水貯留浸透施設を有することになります。

これにより、周辺地域はもとより、下流域である江川流域都市下水路周辺の元福岡地区の浸水被害軽減にもつながるものと考えております。

併せまして、浸水被害が発生した場所への対応といたしまして、既に配備しております毎分30トンを排水できるポンプ車1台のほか、10トンを排水できるポンプ車2台に加え、新たに毎分5トン排水できるポンプ車を1台配備することにより、合計4箇所での排水作業が可能になり、浸水被害軽減が図れるものと考えております。

次に、公共下水道汚水事業についてでございます。

公共下水道汚水管の老朽管などの更新事業につきましては、令和元年度に国の制度を活用し、ストックマネジメント実施方針を策定いたしました。

令和2年度にはストックマネジメント計画を策定し、更新費用の平準化等を図ることにより持続可能な下水道事業を展開してまいります。

また、未整備地区の市街化調整区域への対応といたしましては、自治組織からのご意見やご意向を伺いながら整備手法や受益者負担の観点をご理解いただく中で、整備の基本的な考え方を基に、整備地区の選定作業を進め、整備に向けた計画策定を慎重に進めてまいります。

次に水道事業についてでございます。

水道管路におきましては、老朽管及び耐震性の低い石綿セメント管の更新事業を引き続き実施するとともに、浄水場の震災時における耐震対策として、令和元年度から2か年計画で、福岡浄水場第4配水池の耐震補強工事を実施しているところでございます。

今後におきましても、計画的に災害に強い管路及び浄水場施設を構築してまいります。

その他、水道事業用取水井戸につきましては、停電時対策として非常用発電機を積載する車両を導入し、停電時でも井戸からの取水が可能となることにより、水道水の安定供給を図ってまいります。

8.教育部

最後に、教育部所管の主な取組についてお話しいたします。

本市の子ども優先の政策の柱の一つは学校教育であり、これを推進するため小中学校における児童・生徒の良好な学習環境を確保すべく、ハード・ソフト両面から整備に力を入れてまいりました。

まず、学校校舎の大規模改造工事につきましては、令和元年度から3か年をかけて実施しております西小学校の工事を令和2年度も引き続き行ってまいります。

また、さぎの森小学校は令和2年度から2か年をかけて工事を行ってまいります。

校舎の大規模改造工事に加えまして、学校体育館につきましては災害時避難所となりますことから、トイレの洋式化を引き続き計画的に実施するとともに、エアコン設置へ向けた検討を進めてまいります。

次に、学校のICT環境の整備についてでございます。

本市では従来から計画的に学校のICT環境を整備してまいりましたが、Society5.0時代を生きる児童生徒のために、令和2年度には高速大容量で機密性の高い校内ネットワークを整備するとともに、令和5年度末までに1人1台の端末を整備してまいりたいと考えております。

続きまして、地域協働学校についてでございます。

本市では、保護者や地域の方々の力を学校運営に活かし、あったかな絆で育む「共育」を目指して、ふじみ野市版コミュニティスクールである地域協働学校の設置に鋭意取り組んでまいりました。

令和2年度は、いよいよ全小中学校が地域協働学校となります。

この取組が、地域で子どもを育てる仕組みとなり、子どもが育つ、大人が育つ、そして地域が育つための大きな役割を担っていくものと考えております。

次に、学校の中に目を転じますと、近年、発達に課題のあるお子さんが増加傾向にあります。

そのため、特別支援学級で学ぶことが望ましいお子さんが、自ら慣れ親しんだ地域で学ぶことができるように特別支援学級を設置してまいります。

通常学級に在籍している発達に課題のあるお子さんには、引き続き「学び・育ちサポーター」を配置するなどして、きめ細かな教育を行ってまいります。

また、令和2年度は、専門資格を持つ教育心理相談員を増員することにより、教育相談体制を更に充実してまいります。

次に、図書館についてでございますが、令和2年度から上福岡図書館に加え大井図書館も指定管理者による管理といたします。

平成27年10月から指定管理者が管理している上福岡図書館では、開館時間の延長、開館日の増加、市内全小学校への学校図書館支援員の配置、各種自主事業の実施等、図書館サービスを拡充しご好評いただいております。

大井図書館においても、サービスの拡充を図るとともに、図書館司書の資格を有する市職員が十分なモニタリングを行いながら、両図書館において質の高いサービスを提供してまいります。

以上が教育部の主な取組でございます。

なお、本市の教育の振興に関する基本的な方針を定めた「ふじみ野市教育振興基本計画」の第2期が令和2年度から始まります。

次代を担う子どもたちが健やかに育ち、学び合いの中から心豊かな人を育むまちづくりに向け、引き続き教育委員会と連携して取り組んでまいります。

結びに

さて、出生数や新成人の減少が物語るように令和の時代も人口減少、少子高齢化社会は進行してゆくと言われております。

そして、人と人とのつながりや「市民力」の向上が問われているところであります。

いま、世の中はデジタル社会の進展により、どこでも情報をやりとりすることが可能となり、先端技術は重要視されております。

こうした技術革新は、これからも日進月歩で進んでゆくものと考えております。

しかしそうした中でも、人の心の機微に触れ、相手を思いやり、喜びを分かち合うことのできる心の結び付きは決して置き忘れてはならないものであります。

私はこれからもこうした人のつながりを大切にした、心の通い合うまちづくりを進めてゆくことが何より重要であると確信しております。

そして令和の時代も、

 

このまちで暮らす全ての市民が一つの家族のような あったかいまちにしたい

そして何より大切なことは、子どもたちの笑顔を増やすこと

 

まだまだ取り組まねばならないことが山積しております。

これからも財政規律をしっかりと堅持し、市民の皆様の声を真摯に受け止めながら、市民の皆様と共に歩みを進めてゆきたいと考えております。

そして令和の時代と共に、夢と希望があふれるふじみ野市の更なる発展に向けて、引き続き全身全霊を注いで取り組んでゆく所存でございます。

市民の皆様、そしてここにお集まりの議員の皆様におかれましては、なお一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の令和2年度施政方針とさせていただきます。 

 

令和2年2月20日 ふじみ野市長 高畑 博

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更新日:2020年03月02日