令和3年第1回ふじみ野市議会定例会市長施政方針

はじめに

高畑市長

令和3年第1回ふじみ野市議会定例会の開会に当たり、私のふじみ野市政の施政方針を謹んで申し上げ、市議会の皆様と市民の皆様のご理解とご賛同を賜りたいと存じます。

さて、昨年は新型コロナウイルス感染症が瞬く間に世界に拡大し、今なおその勢いは止まることを知りません。

日本国内においても、多くの方々が感染し、尊い命が失われてしまいました。

改めまして、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、罹患された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

また、医療機関や様々な施設などで、日夜、感染防止対策に尽力されている全ての方々に深く感謝を申し上げます。

感染拡大は、人の活動や社会・経済活動、そして生活環境に大きな影響をもたらしました。

いまだ感染拡大は続く状況にあり、本市におきましても、昨年から様々な市の催しや地域の活動も中止などの対応を余儀なくされております。

こうした中、市民の皆様におかれましては、一人ひとりがご自身やご家族、そして周りの方々の大切な命と健康を守るため、感染拡大防止の徹底に向けてご理解ご協力をいただいておりますことに、改めて感謝を申し上げます。

本市といたしましても、引き続き市民の皆様が健やかに住み続けることのできる環境づくりを進めるとともに、未来へつながる持続可能なまちづくりのために、市民の皆様と共に歩みを進めてまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

社会情勢

さて、世界の感染状況は、感染者数が累計で1億人を超え、いまだ感染の猛威は衰えを見せていません。

最近では、感染力が強いと言われている変異株の感染事例が相次いでおり、埼玉県内においても確認され、警戒感が更に広がっております。

また一方で、様々な国でワクチンの接種が行われている状況にあります。

そして世界経済は、各国で感染拡大防止のため、社会・経済活動や人の移動の制限を行った結果、大きな影響を受けました。

国際通貨基金が本年1月に改定した世界経済見通しでは、世界経済は、2020年は3.5パーセントのマイナス成長であったと推定されるが、2021年は5.5パーセントのプラス成長を遂げると予測されております。

次に国内の状況といたしましては、昨年11月に感染症の第3波が急拡大し、その後も勢いが収まらず、1月7日には2回目の緊急事態宣言が発令され、現在に至るまで延長されている状況でございます。

このような状況の中で、国内においてもワクチンの先行接種が始まり、その効果が期待されるところであります。

そして経済状況は、2月19日に内閣府から公表された「月例経済報告」の基調判断では、「景気は、感染症の影響により依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さが見られる。」とされており、先行きについては、「内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある。」としております。

景気は依然として厳しい状況にあるとされておりますが、感染症が収束に向かい、経済や景気の回復を願うところであります。

一方、国政におきましては、デジタル化の推進とグリーン成長戦略がこれからの重要課題とされ、デジタル庁を創設し官民のデジタル化を進め、また、脱炭素社会の実現に向けては、自動車の電動化をはじめとした様々な取組を進めていくこととしております。

これからは様々なデジタル技術の利活用が進み、行政の効率化や市民サービスの向上はもちろんのこと、国や社会の様々な動きにも迅速に対応していくことが求められます。

本市といたしましても、こうした世の中の趨勢をしっかりと捉えて、引き続き、市民の皆様の生活を支え、市政運営を着実に進めてまいる所存でございます。

確かな未来へつながるまちづくり

さて、昨年から現在に至るまで、本市におきましては「新型コロナウイルス感染症対策本部会議」を重ねて開催し、様々な対策を検討し、市民の皆様や事業者の方々への市独自の支援策などを、いち早く実施してまいりました。

また、国や埼玉県の方針を踏まえ、感染拡大防止に向けた公共施設の利用制限を行う中で、各種団体の皆様をはじめ市民の皆様のご理解を賜り、ご利用をいただいております。

このほかにも、市で基本的な感染拡大防止の周知啓発ポスターを作成し、商店や事業所などに個別に掲示のお願いをさせていただきました。

多くの皆様のご協力に重ねて感謝を申し上げる次第でございます。

また、毎年行ってまいりましたタウンミーティングは、今年度は3密を回避するため開催を見送り、全ての自治組織会長との懇談会を少人数単位で実施させていただきました。

地域の実情などを直接お聞きする中で、感染症の影響により地域の催しやサロン活動などを自粛したため、地域コミュニティを維持する上で大変ご苦労をされ、顔の見えない地域の方々の健康を気遣うご意見などもございました。

こうした状況下においては、人と人との接触機会に気を配り、感染拡大防止の徹底を子どもからシルバー世代まで、皆様にご協力をいただいております。

一方、社会では在宅勤務やオンライン授業などのデジタル技術を活用した遠隔のシステムが広がり、これまでのあり方が大きく変わりました。

今はコミュニケーションの仕方が少なからず制限される中にあって、様々な人と関わることがいかに大切か、改めて認識したところであります。

会えない人を思いやる心や身近な人と協力し合う精神、こうしたことの気付きや経験は、これからの「新しい日常」の中で大いに生かされ、これまで以上に強い絆で結ばれる地域づくりにつながるものと確信しております。

さて、この1年は、私たちの環境に様々な変化がもたらされました。

しかし、どのような状況の中でも、市政の停滞は1分1秒たりとも許されないとの思いの下、本年度も市民の皆様が安心して住み続けられ、次代を担う子どもたちに希望と誇りの持てるまちをつないでいけるよう、一つひとつの施策に丁寧に取り組んでまいりました。

これからも市民の皆様の満足度が更に高まるよう、様々な施策を展開していくとともに、オンラインを利用した生活スタイルが進む中にあっても、身近な地域に愛着を深めていただけますよう、市民の皆様と共に協働のまちづくりを進めてまいります。

そして、どんなに時が移ろうとも、市民の皆様に「住み続けたい、住んで良かった」と実感していただき、ふじみ野市の確かな未来へつながるように引き続き 全力で取り組んでまいる所存でございます。

令和3年度の予算概要

さて、令和3年度における政府の予算案は、感染拡大防止に万全を期しつつ、少子化対策など全世代型の社会保障制度の構築など中長期的な課題にも対応する予算として編成され、一般会計の総額は106兆6,097億円となりました。

一方、地方財政計画では、感染症の影響により地方税収が大幅な減収となる中、安定的な財政運営を行うために必要な一般財源総額は令和2年度と同水準が確保されました。

こうした状況の中で編成した本市の令和3年度当初予算案の概要でございますが、一般会計の予算規模は、414億7,813万5千円で前年度と比較してプラス0.2パーセント、6,360万円の増額となり、令和2年度当初予算とほぼ同規模の予算案といたしました。

歳入面では、感染症による影響を受けて個人市民税、法人市民税及び固定資産税のいずれも減収を見込んでおり、市税全体では、約10億9千万円という大幅な減額が見込まれます。

歳出面では、まず、市が一丸となって取り組む課題である新型コロナウイルスワクチン接種業務について約5億7千万円を予算計上したことにより、衛生費全体で約6億円を増額いたしました。

また、普通建設事業費では、(仮称)西地域文化施設の整備費約19億9千万円をはじめ、継続事業である上福岡駅東口駅前広場の整備費や(仮称)第3庁舎整備費、そして引き続き小中学校の教育環境を改善するための予算などを見込み、普通建設事業全体では、約45億9千万円を予算措置いたしました。

これは、対前年度比約4億7千万円の減となっておりますが、令和2年度はふじみ野市土地開発公社からの用地買戻し費用約18億5千万円を計上していましたので、実質的には約13億8千万円の増となっております。

このように、令和3年度の本市の財政状況につきましては、感染症への対応を図りつつ、計画的に公共施設の整備、インフラの老朽化対策等を講じていく必要がある一方、市税については大幅な減少を見込んでおります。

この税収の減少による影響を軽減し、安定した継続性のある行政運営を確保するため、財政調整基金や公共施設整備基金等を活用し、前年度比約11億5千万円増の約21億8千万円を当初予算へ繰り入れる予算を計上いたしました。

今後の財政見通しといたしましては、少子高齢化の進展により社会保障関連経費は更に増加し、一層厳しい状況となることが見込まれます。

令和3年度の予算編成に当たりましては、限られた財源を効率的かつ効果的に活用できるよう、行政経営の視点を持ち事務事業の選択と集中を図ること、行政のデジタル化を推進し事務事業の効率化を図ること、民間活力の導入を含めた事業手法を検討することなどにより経常経費の増加を抑制し、安定的な財政基盤を構築することで、将来にわたって持続可能な財政運営を図るべく、必要な予算を配分したところでございます。

引き続き、多岐にわたる課題に対しスピード感を持って着実に取り組んでまいる所存でございます。

それでは、本市の令和3年度の取組について説明させていただきます。

まず、新年度の組織改正についてでございますが、「ふじみ野ステラ・イースト」の完成に伴い、施設を管理する組織を新たに文化・スポーツ振興課に設置いたします。ステラ・イーストで実施する社会教育事業につきましては上福岡西公民館で引き続き担うことから、上福岡公民館の事業担当職員を上福岡西公民館へ配置することといたします。

また、障がい福祉課に基幹相談支援の機能を持つ「障がい者総合相談支援センター」を新たに設置いたします。

続きまして、令和3年度の各部の主な事業につきまして、説明させていただきます。

令和3年度の取組 ~主な事業~

1.総合政策部

まず初めに、総合政策部所管の主な取組についてお話しいたします。

令和2年度には、感染症の影響を踏まえた市民の皆様への支援策として、国の特別定額給付金につきましては、早い段階から職員体制を整え支給事務を開始したことから、いち早く市民の皆様へ給付させていただくことができました。

また、基準日の後に生まれたお子さまに対しましては、市独自に特別出産給付金を給付させていただきました。

今後におきましても、国や県の動向を注視しつつ必要な支援策につきましては、迅速に対応してまいります。

さて、令和3年度は、本市の最上位計画である「ふじみ野市将来構想 from 2018 to 2030」の4年目を迎え、前期基本計画を折り返す年であります。

まちの将来像の実現に向け、残された課題を整理し、新しい発想と更なる創意工夫を持って6つの前期重点プロジェクトに取り組んでまいります。

次に、「ふじみ野市公共施設等総合管理計画」の改定についてでございます。

本市では、平成28年度に策定した、公共施設等の管理に関する基本的な考え方を示す「ふじみ野市公共施設等総合管理計画」に基づき、令和10年度までの公共建築物ごとの保全や更新について、具体的な対応方針を定める「公共建築物個別施設計画」の策定を進めております。

令和3年度は、公共建築物個別施設計画とインフラ資産の個別施設計画を踏まえ、「ふじみ野市公共施設等総合管理計画」の改定を行うとともに、施設の管理方法についても効率的かつ効果的な手法を研究するなど、引き続き市民の皆様が安心して公共施設をご利用いただけるよう総合的なマネジメントを進めてまいります。

さて、私が市長に就任して以来、政治信念として毎年度欠かさずに行ってきましたタウンミーティングでございますが、令和2年度は、感染防止対策を徹底した上で、「自治組織の会長と市長の懇談会」を開催したところでございます。

令和3年度も、感染症の状況に応じた形で市民の皆様のご意見を伺う機会を設け、市政への理解を深めていただくとともに、皆様のご意見を市政に反映させていきたいと考えております。

次に、市の重要な情報発信手段であるホームページについてでございますが、令和2年3月に新たなシステムを導入し、ウェブアクセシビリティ(注)の向上を図るとともに、更新頻度を高めることで、市民の皆様が必要な時に必要な情報を得られる体制を整備いたしました。

引き続き、ホームページ、市報、SNS、Fメールなど、様々な媒体を活用しながら市の情報発信力の強化に努めてまいります。

また、シティプロモーションの一環として、ふるさと納税を活用し、市内事業者の商品やサービス、並びに本市のPRを図っているところでございます。

これまで、ポータルサイト、決済方法、及び返礼品目の拡充に努めてきた結果、令和2年度のふるさと納税の寄附金総額は1月時点で約2,150万円となり、令和元年度決算額と比べ、1,540万円の増額となっております。

今後も市内事業者と協力して返礼品目の拡充を図り、ふるさと納税の寄附額の増額に努めるとともに、市の魅力や知名度の向上につながる取組を進めてまいります。

次に、ICTの活用についてでございます。

令和2年度はAI-OCR及びRPA(注)を本格導入し、課税及び収税事務、給与等支給事務などの一部を自動化することにより、業務の効率化を図ったところでございます。

また、感染症の影響により生活様式も大きく変わり、働き方にも変革が求められ、Webによる会議や研修、テレワークなどが広く普及してまいりました。

本市におきましてもインターネット環境を利用したWeb会議の環境を整備し、全庁的に会議や研修に利用しているところでございます。

テレワークにつきましても、地方公共団体情報システム機構が公募した自治体テレワーク推進実証実験事業に応募し、現在実証実験に参加しております。

令和3年度も引き続き、ICTに関する新技術について情報収集を行い、ICT技術を活用した業務の効率化・高度化を図ってまいります。

(注)ウェブアクセシビリティ:高齢者や障がいのある方を含め、誰もがホームページ等で提供される情報や機能を支障なく利用できること。

(注)AI-OCR:手書き書類や帳票の文字読取を行い、データ化する人工知能技術。大量の書類のデータ化により、帳票処理業務の稼働削減が期待できる

(注)RPA:コンピュータ上で人間が行う操作を自動化するソフトウエア。作業時間や人的コストの削減、業務の品質向上などが期待できる

2.総務部

次に、総務部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに、防災対策についてでございます。

近年、想定外と言われる災害が常態化する中、令和2年7月には、熊本県を中心に九州地方や中部地方などに豪雨をもたらし、統計開始以降、最大の雨量を計測し甚大な被害を受けるなど、日本各地で激甚化する災害が頻発しております。

このような状況の中、本市において令和2年は、幸いにも避難所を開設するような大きな災害に見舞われることはありませんでしたが、感染症の影響により、災害時における避難所での感染防止対策の徹底が急務となりました。

そこで、避難所における受入れ時の対応や過密状態の防止、衛生管理及び健康管理など新たな運営方法の徹底を図るため、令和2年5月に「感染症対策における避難所開設運営方針」を策定し、この方針に基づいた訓練も実施したところでございます。

さらに、市内に工場を有する段ボール事業者と災害協定を締結し、段ボール製の間仕切りや簡易ベッドなどを優先的に提供いただける体制を構築するなど避難所における感染防止対策の強化を図りました。

また、イオンタウンふじみ野と災害協定を締結し、生活物資の提供などに加え、水害時などにおける車両の一時避難場所として駐車場を提供いただけるなど、本市が取り組んでおります地域防災力の強化におきましても大きく前進したものと感じております。

次に、令和2年11月に実施した「第9回ふじみ野市総合防災訓練」につきましては、感染拡大防止のため例年同様の市民参加型訓練の実施は見送らせていただきました。

しかしながら、いつ起こるか分からない災害時に最大限にできることを実行するため、市職員と自衛隊、警察、消防などの防災関係機関を中心に訓練を実施いたしました。

訓練では、特に感染防止対策を意識した各避難所での開設訓練や救護所でのトリアージと感染の疑いのある患者に対する受入れ、通報、引渡しまでの一連の流れを実践的に行うブラインド訓練をはじめ、災害発生時における応急対策に関する確認と検証及び災害対応力の向上を図ることを目的とした各種訓練を実施いたしました。

私は、いざ大規模災害が発生した場合、これまでに行ってきた準備や訓練をどれだけ機能させることができるか、それこそが「市民の命を守る」ことにつながるものと考えております。

令和3年度におきましても、引き続き、実災害を想定した実践的な総合防災訓練を実施してまいります。

また、地域防災の要であります自主防災組織の防災資機材整備に係る費用につきましては、補助を継続し、更なる地域防災力の向上を図るとともに、近年、配慮を要する外国籍の方の人口が増加していることを踏まえ、外国語に対応したハザードマップを作成し、外国籍の方の防災意識の向上に努めてまいります。

今後も自助、共助、公助における様々な側面から総合的な防災力の向上に努め、災害に強いまちづくりを進めてまいります。

続きまして、防犯対策についてでございますが、令和2年度は感染症の影響により、一部活動を自粛せざるを得ないなど困難な状況でありましたが、自治組織や青色防犯パトカー市民パトロール隊をはじめ、学校、事業所などで構成するふじみ野市防犯推進会議の加盟団体の皆様を中心に、感染防止対策を講じながら、市内防犯パトロールや子どもの見守り活動のほか、防犯のぼり旗の掲出や店内放送を活用した防犯意識啓発など、防犯活動を推進してまいりました。

こうした地域・警察・行政が一体となった防犯活動の成果により、令和2年における本市での犯罪発生件数は651件であり、令和元年と比較して93件減少し、治安を大きく改善することができました。

しかしながら、高齢者を狙った特殊詐欺については、いまだ被害が後を絶たず、令和2年本市での特殊詐欺発生件数は暫定値では20件であり、令和元年と比較して1件減少となっております。

今後におきましても、年々巧妙かつ複雑化する特殊詐欺を含め、凶悪な犯罪から市民を守るため、警察や関係機関と連携した情報発信、防犯ボランティア活動に対する支援に加え、振り込め詐欺等対策機器の普及促進、及び高齢者世帯に対する啓発活動を実施するなど、様々な取組を展開し、地域防犯力の強化を図ってまいります。

続きまして、令和2年度から開始いたしました(仮称)第3庁舎建替え工事につきましては、現在、安全と環境に配慮しながら、既存建物の解体工事を進めているところであります。

令和3年度には、憩いの場の創出とステラ・イースト利用者の利便性の向上を図るため、ポケットパーク及び歩行者専用道路の整備を令和3年7月の供用開始に向けて進めてまいります。

また、第3庁舎本体工事につきましても、令和4年夏の完成に向けて整備工事を進めてまいります。

次に、財産管理事業につきましては、令和2年度において、インターネット公売なども活用して、長年の懸案であった栃木県那須町の市有地や未利用となっていた旧西保育所跡地などの土地売却が実現し、1億6千万円を超える歳入を確保したところでございます。

今後におきましても、市有地の効果的な活用を推進するとともに、未利用となっている土地につきましては、積極的に売却を進め、適切な財産管理に努めてまいります。

また、税収につきましては、自主財源の根幹である市税の収納率が皆様のご理解をいただき、令和元年度決算において本市として初めて県平均を超えることができました。

令和3年度におきましても、キャッシュレス化が急速に普及していることから、クレジットカードからも納付できるように利便性の向上を図るなど納付環境を拡充し、税負担の公平性を確保するとともに、更なる収納率の向上に努めてまいります。

3.市民生活部

続きまして、市民生活部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに市民窓口サービスについてでございます。

本庁、大井総合支所及び出張所の各市民窓口で毎年度実施しております来庁者サービス満足度調査では、令和2年度は、市民の皆様に感染拡大防止のため、大変ご不便をおかけしております中ではありますが、満足度90パーセント以上の高い評価をいただきました。

しかしながら、様々なご意見もいただいております。

私はこうした市民の皆様の声を真摯に受け止め、より一層の市民サービスの向上や心のこもった接遇を徹底していくことが重要であると考えております。

なお、ご好評いただいております市民課の「書かない窓口」を令和3年度中に出張所においても実施してまいります。

また、出張所が入っておりますココネ上福岡公共施設棟は、外壁などの修繕を実施いたします。

同時期には、ココネ上福岡全体の大規模修繕工事が実施されますことから、持分に応じた費用負担をしてまいります。

次に、マイナンバーカードの普及促進対策につきましては、本年2月より毎月第2土曜日に申請や交付などを行う臨時窓口を開設いたしました。

これにより、マイナンバーカードの普及促進につながるものと考えております。

併せまして、今後、健康保険証との一体化をはじめとする様々な普及促進のための施策展開が予想され、更なる申請者数や個人認証更新事務などの増加が見込まれることから、令和3年度より窓口の人員体制の強化を図ってまいります。

さらに、令和3年10月からマイナンバーカードを活用した各種証明書のコンビニ交付を実施してまいります。

導入に当たりましては、住民票、印鑑登録証明、所得証明、課税証明など交付件数の多いものを対象として準備を進めてまいります。

これにより、市民の皆様におかれましては、利便性の向上が図られるとともに、市役所の各窓口の混雑緩和につながるものと考えております。

続きまして、消費生活相談につきましては、高齢者のみならず若者を狙った詐欺被害の事例が増加しており、その内容も複雑かつ巧妙化しております。

このようなことから、本市では地方消費者行政強化交付金の活用により、消費生活相談員による相談体制につきましては、国の基準を上回る週5日の相談日を設け、消費者被害や多重債務者の救済に取り組んでいるところでございます。

今後におきましても、ふじみ野市消費者安全確保庁内推進会議などを有効に機能させながら、地域との連携を深め、消費者被害を防止するための啓発と被害に遭われた方への相談を充実してまいります。

次に、国民健康保険につきましては、広域化の実施から3年が経過いたしました。

しかし、財政基盤が脆弱である構造的課題は解消されておらず、財政運営については、引き続き厳しいものであると言わざるを得ません。

加えて、令和2年度は感染症の影響による受診控えなどもあり、令和3年度の医療費推計をすることが非常に難しく、これに連動して県から示されます国民健康保険事業費納付金につきましても、受診控えなどにより医療費が大きく変動した月が除かれて算定されております。

こうした医療費の動向や負担の在り方など、広域化後の財政運営の安定化はまだまだ先になるものと認識しております。

本市におきましては、県から参考として示されている標準保険税率は、現行税率との乖離があるものの、医療費適正化対策を推進するとともに、国民健康保険財政調整基金の有効活用と保険税収納率の向上、そして保険者努力支援制度による交付金の獲得等を通じて、赤字補てん分である一般会計からの法定外繰入金の計画的な縮減に努め、令和3年度予算編成では税率改正を行わないものといたしました。

なお、令和2年度から後期高齢者の健康診査の自己負担の無料化に続きまして、令和3年度からは国民健康保険の特定健康診査の自己負担も無料化いたします。

これにより受診が更に促進され、疾病の早期発見や早期治療による重症化予防にも資するものと考えております。

4.市民活動推進部

続きまして、市民活動推進部所管の主な取組についてお話しいたします。

初めに、自治組織への支援についてでございます。

令和2年度に行った自治組織連合会の正副会長と懇談をさせていただく中で、地域のために活動する自治組織の重要性を改めて強く認識いたしました。

市民の皆様の力を結集し、より良い地域を築いていただくため、引き続き加入率向上を目的とした事業への補助金交付や自治組織の活性化に向けた様々な支援を行ってまいります。

次に、国際化推進事業につきましては、外国語版生活ガイドブックを更に多くの外国籍市民にご利用いただくため、現在の7か国語に加え「ネパール語」を追加し、多言語に対応できる環境を整えてまいります。

さらに、ふじみの国際交流センターに委託している外国籍市民向けの生活相談を引き続き実施するなど、同センターと連携しながら多文化共生社会の構築に努めてまいります。

続きまして、文化の分野でございます。

平成30年度から進めております文化施設整備事業の第1弾として、「ふじみ野ステラ・イースト多目的棟」が令和3年4月にリニューアルオープンいたします。

各居室の整備に際しましては、誰もが居心地よく、利活用しやすいことをコンセプトとして進めてまいりました。

新たな機能として、陶芸や日曜大工、手芸などが行えるDIYルームやバンド練習ができる音楽スタジオ、バレエバーを設置したダンススタジオなど様々な機能を備えた活動の場所を提供してまいります。

また、包括連携協定を締結しておりますKDDI総合研究所と協働して正面入口にデジタル看板を設置し、360度動画を自由自在にフォーカスして歌や声、音色を楽しむことのできる「音のVR(注)」など、最先端の視聴体験を楽しみながら実践できる場を整備してまいります。

ステラ・イースト多目的棟の完成に続き、長年、地域の皆様に愛され、利用されてきました大井中央公民館に代わる西地域文化施設の基本設計が、令和3年1月に完了いたしました。

令和3年度中に実施設計を行い、その後工事に着手し、令和5年夏のオープンを目指してまいります。

一方、ソフト面の文化振興事業のうち、ステラ・イーストでの事業といたしましては、DIYルームや音楽スタジオなどを活用した講座や体験教室などの事業展開を図るとともに、ホール棟におきましては、地域で文化芸術活動を担ってきた方々のご協力をいただきながらコンサートやイベントなど、新たな事業展開を図ってまいりたいと考えております。

文化振興事業全体のソフト事業といたしましては、令和2年度は本市初となるオンラインを活用したアートフェスタふじみ野2020を開催し、多様な音楽やアート作品のビデオ配信に加え、生ライブでの配信もお届けすることができました。

令和3年度におきましても、これまで培ったノウハウを十分活用しながら、多様な事業展開を進めてまいります。

このほか、新文化施設の整備と並行し新たな文化芸術振興を展開していくため、令和3年度から2か年をかけ「第2期文化振興計画」の策定を行ってまいります。

本計画では、文化施設を拠点に、市民やアーティストの皆様がいきいきと活動できる環境づくり、ふじみ野文化が花開く施策を構築してまいります。

次に、スポーツの分野でございます。

令和元年度には、これまで計画しておりました東西地域のスポーツ施設の整備が完了したところでございます。

今後におきましては、これらのフィールドを大いにご活用いただくとともに、スポーツや健康増進に取り組めるような環境づくりを進めるため、令和3年度から2か年をかけ「第2期スポーツ推進計画」の策定を進めてまいります。

また、これまで東西各地域で開催されておりました「市民スポーツフェスティバル」につきましては、ふじみ野市が誕生15周年を迎えることを契機として、4年に一度、オリンピック・パラリンピックの開催年に合わせ、東西地域合同で開催することが実行委員会において決定されました。

感染症の影響により、1年間延期となりましたが令和3年10月上旬の開催に向けて、実行委員会の皆様を支援しながら進めてまいりたいと考えております。

続きまして、環境の分野に関する取組についてでございます。

本市では1人1日当たりにおける家庭系ごみの排出量が少ない市として、県内第1位を5年連続で達成いたしました。

私はこのことについて、市民の皆様に心から感謝いたしますとともに市民の皆様一人ひとりの努力の成果として大変誇らしく思っております。

また、「環境基本計画」につきましては、社会情勢等の変化に的確に対応するとともに、環境基本条例の基本理念である、快適で良好な環境の確保を推進するため、令和3年度から2か年をかけて「第2期環境基本計画・後期行動計画」を策定いたします。

新たな計画では、現行の前期行動計画の進捗状況を評価し、施策の内容や行動指標の見直しを図り、新たな施策展開を図ることにより、市民・事業所・行政などが更に連携し、引き続き市民の皆様が快適な生活が送れる環境を構築してまいります。

また、3R推進事業につきましては、令和3年度が「一般廃棄物処理基本計画」の改訂年度でありますことから、今後における長期的視点に立った基本的な方針を策定いたします。

そして、「第3期一般廃棄物処理基本計画」の基本理念であります、「みんなで育てる 日本一ごみの少ない美しいまち ふじみ野市」の実現に向け、引き続き環境センターの施設見学会や環境学習講座、エコラボフェスタ、フリーマーケットなど、環境教育と環境学習の機会を増やし、ごみの減量や分別意識の向上を図るとともに、3Rを更に推進させるための各種施策を展開してまいります。

続きまして、産業振興の分野についてでございます。

令和2年度は感染症の拡大により影響を受けた事業者の皆様を支えるため、直ちに国や県の支援事業に対する申請サポート窓口を開設するとともに、小規模事業者等臨時支援金給付事業、プレミアム付商品券事業など、ふじみ野市独自の支援策を講じてまいりました。

特に申請サポートは、ほかの自治体ではあまり例を見ない取組であり、産業振興課を中心に全庁的な協力やふじみ野市商工会からの職員派遣などを得て、20人以上のスタッフがローテーションを組み、これまで延べ700件を超える相談に対応してまいりました。

現在も営業時間短縮の要請に協力いただいた事業者への埼玉県感染防止対策協力金の申請サポートを行っております。

令和3年度におきましても必要な支援策につきましては、迅速に対応してまいります。

また、中止を余儀なくされてきましたイベントや令和2年度から新たに取り組む予定で一時中断している事業等についても、ふじみ野市商工会をはじめ関係団体と連携を図りつつ、実現に向けた準備を進めてまいります。

次に、農業支援策でございますが、農業入門塾を令和3年4月から開設いたします。

これは、農業に興味のある農業初心者などを対象として、専門家による栽培技術指導付きの農園を開設するものでございます。

これにより、地域コミュニティの活性化が図られるとともに、農業に対する意識の高揚や新規就農の促進を期待しているところでございます。

今後も農業の魅力を実感してもらえるような事業を展開してまいります。

さらに、農業生産改善事業への補助制度や多面的機能支援制度等を今後も継続するとともに、今後の農地のあり方について調査研究を続け、農業委員会と共に農地の最適化に努めてまいります。

併せまして、軽トラ市や直売市の拡充を図ってまいります。

(注)VR:コンピュータでつくられた三次元空間を視覚その他の感覚を通じ、疑似体験できるようにした技術。

5.福祉部

次に、福祉部所管の取組についてお話しいたします。

感染症の拡大及び長期化により、生活に困窮する方々は増加傾向にあります。

本市では、以前よりこうした方々の相談支援体制を強化し、アウトリーチ型の相談支援体制を取り入れるとともに関係機関との連携強化を図っており、こうした事態にも大きな混乱を招くことなく、各種支援制度の相談や申請受付をはじめ、就労に向けた支援などを行ってまいりました。

今後も生活に困窮する方々の増加が懸念されることから、引き続き関係機関と連携して寄り添った支援を行ってまいります。

また、子どもの貧困対策につきましては、令和3年度より「第2期ふじみ野市子どもの未来応援プラン」がスタートいたします。

効果が現れている「子どもの学習・生活支援事業」を継続し、教育と福祉の連携を図りながら総合的に教育支援を行うとともに、ジョブスポットふじみ野と連携した就労支援のほか、新たな取組といたしましてひとり親家庭などが利用できるフードパントリー事業をふじみ野市社会福祉協議会と連携して展開してまいります。

次に、高齢者福祉施策では、令和3年度より「第8期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」がスタートいたします。

この計画では、団塊の世代が後期高齢者となる2025年、さらに団塊ジュニア世代が65歳以上になり高齢者人口がピークを迎える2040年を見据え、誰もが活動的に暮らせる活力ある社会、そして地域を共に創っていく「地域共生社会」を実現するため、「ふじみ野市型地域包括支援システム」の構築を目指してまいります。

さて、本市では、元気・健康の好循環を生み出すため、介護予防や介護を要する状態になっても重度化することを防ぐ取組に重点を置いて推進しており、筋力アップを実感している方や要介護状態の維持・改善が見られる方など、その効果が芽生え始めていると実感しております。

このような高齢者の自立支援・重度化防止等に関する取組や、介護予防・健康づくりに資する取組が評価され、国の財政的インセンティブ制度である保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金の評価点数において、令和2年度分、令和3年度分と2年連続で県内第1位を達成することができました。

しかしながら、昨今の感染症の影響による外出自粛などにより介護予防活動が縮小し、高齢者の方々にその影響が出ることを危惧しております。

今後も介護予防の取組を止めることなく、適切な感染防止対策を講じ、実施方法を工夫しながら事業展開してまいります。

そして、介護予防を加速させるため、令和3年度に行う大井総合福祉センターの空調設備更新と併せまして、障がい者デイケア施設で使用していたフロア部分を改修し、介護予防の西地域の拠点として整備し、介護予防センターと連携を図りながら事業を一層推進してまいります。

また、認知症への対応といたしまして、認知症の理解を深め、地域の方々やボランティア、事業者などと連携し、住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう、本人や家族介護者などへの支援を広げる取組を推進するとともに、成年後見センターを中心に成年後見制度の周知を図り、利用促進を図ってまいります。

次に、障がい者福祉施策におきましては、従来の身体、知的、精神の障がいに加えて、難病や発達障がい、強度行動障がいがある方々のニーズが多様化しております。

こうした状況を踏まえまして、社会福祉士や精神保健福祉士などの専門職を配置し、高度で専門的な相談支援を行うとともに、地域における相談支援体制の強化を図る中核的な役割を担う機関として、「基幹相談支援センター」を設置いたします。

現在の障がい者相談支援センター・就労支援センターの機能を拡充して設置し、「障がい者総合相談支援センター」として令和3年4月から業務を開始いたします。

そして、今後、重度の障がい者の日中活動などの場を確保することが重要でありますことから、大井総合福祉センター内の大井デイケアセンターの受入れ人数を増やすため、令和3年4月の事業開始を目途に、現在、改修工事を実施しているところでございます。

また、障がい者の重度化や高齢化、親亡き後の課題に対応し、地域生活における支援拠点の整備につきましては、入間東部福祉会と連携を図り「入間東部みよしの里」において、入所者居室2床と緊急時などに利用できるショートステイ4床の増床工事が完了し、令和3年3月より利用開始されるところでございます。

今後におきましても、令和3年度からスタートする「第2期ふじみ野市障がい者プラン」に基づき、障がい福祉サービスの充実を図るとともに、障がい者差別の解消に向けた啓発施策を積極的に展開してまいります。

さて、福祉事業を支える地域福祉の推進が一層求められる状況の中、令和3年度からは、これまで国のモデル事業として実施してまいりました「多機関の協働による包括的支援体制構築事業」、「地域力強化推進事業」の2事業が、地域共生社会の実現を図るため、相談者の属性を問わない、「断らない相談支援体制」を一体的に推進する「重層的支援体制整備事業」に再構築されました。

これまでのモデル2事業を基本としつつ、新たに「地域づくり支援」「社会参加支援」の機能が追加されることとなります。

本市におきましては、これまでもふくし総合相談センター「よりそい」「にじいろ」を設置するとともに、市内に事業所のある社会福祉法人の協力を得て、身近な初期相談の総合窓口として「つながる相談窓口」の設置をふじみ野市社会福祉協議会と協働で進めるなど、先駆的に断らない相談体制を整え、地域力の強化などに取り組んでまいりました。

今後も相談者に寄り添いながら関係機関と連携して支援を行うとともに、積極的に地域の社会資源を創出するなど、地域福祉の推進に取り組んでまいります。

6.こども・元気健康部

次に、こども・元気健康部所管の主な取組についてお話しいたします。

令和3年度は、ふじみ野市将来構想を踏まえ、令和2年度からスタートいたしました「第2期ふじみ野市子ども・子育て支援事業計画」の基本理念「子どもも大人もみんなが笑顔 子育てに優しくあったかいまち ふじみ野」の具現化に向けた様々な取組が2年目を迎えます。

令和3年度の大きな柱といたしましては、「こどもにやさしいまちづくり条例(仮称)」の策定がございます。

策定スケジュールといたしましては、令和2年度には、子どもたちとの協働事業ワークショップが予定されておりましたが、感染症の影響により、代替の取組として各小中学校などへ出向き、ご意見を伺うなどの取組を実施いたしました。

また、多くの子どもたちの「生の声」を聞くために実施したアンケート調査内容などを踏まえ、令和3年度は、庁内関係各課の職員で構成いたします内部検討組織と有識者や関係団体、そして市民公募委員などで組織いたします外部の検討委員会との両輪において本格的な検討に入ってまいります。

「たくさんの子どもたちの笑顔の花を咲かすこと」を主眼に置き、子どもの権利擁護のみにフォーカスした内容にとどまらず、併せて、子どもの体力向上に向けオールふじみ野で何ができ得るのか、様々な視点から検討を重ね、真に子どもファーストとなる条例を令和3年度中に制定することを目指してまいります。

また、放課後児童クラブの管理運営につきましては、令和3年度に大井放課後児童クラブの整備を実施いたします。

既存施設は解体し、同敷地に定員100人の新しい施設が誕生することになります。

平成21年度から毎年度複数校の施設整備を継続して実施してきた結果、本建設工事をもちまして、市内全ての放課後児童クラブにおける整備が完了することになります。

今後も、状況に応じた施設の狭隘対策についての取組を続け、待機児童ゼロの継続を目指してまいります。

併せて、放課後児童クラブにおける新しい取組として、令和3年度から、夏季休業期間における「給食サービス事業」を開始いたします。

本サービスの導入の観点といたしましては、過年度に実施いたしました保護者向けのアンケート内容の尊重が一義的に挙げられます。

しかしながら、このニーズへの対応には様々な課題が山積していたことから、その課題について検討した上で、令和3年度において実施の運びとなりました。

令和3年度は試行実施とし、ニーズを的確に捉えた上で令和4年度の事業規模に反映してまいりたいと考えております。

次に、児童発育・発達支援センターについてでございます。

これまで、児童発育・発達支援センターにつきましては、平成27年度から6年間にわたり、児童福祉法に基づく障害児通所支援事業者の指定を受けている事業者により運営してまいりました。

本市における当該センターの役割に鑑み、市内にある同種の支援施設において中心的役割を担う基幹施設としてその重責を果たしていくこと。そしてこれに併せ、法内・法外事業を併行実施するという難しい運営の中で、法外事業については更に強化を図ることを目指してまいりたいと考えております。

このことから、発育・発達支援を必要とする本市の全ての子どもたちへの支援を基幹的役割のもと効果的に発揮していくため、公設の施設への転換を図ろうとするものでございます。

これに向けて、令和3年度を準備期間とし、「ふじみ野市立児童発育・発達支援センター」として目指すべき姿を明確にするため、有識者や公募市民で構成する運営審議会を設置し審議してまいります。

続きまして、保育政策についてでございます。

これまでの民間保育園整備の成果といたしまして、民間の認可保育園が15園、認定こども園が2園、小規模保育事業所が4園という状況に保育環境が整ってきたことから、令和2年4月時点の本市における待機児童数は5人という状況でありました。

また、令和3年4月は、3人となる見込みでございます。

こうした状況にはあるものの、令和3年度に向けた新規申請数が40人程度増加していることや、これに伴う0歳から2歳児までの保育ニーズに応えること、また、数年内には子育て世帯の増加が見込まれていることから、今後も子育てと就労との両立を目指す子育て世帯のため、令和3年度は中規模程度の新規保育所1園の開園に向けて整備を支援してまいります。

続きまして、保健分野についてでございます。

まず、新型コロナウイルスワクチン接種事業につきましては、2月1日にワクチン接種を迅速かつ円滑に実施するため、「新型コロナウイルスワクチン接種推進チーム」を設置したところでございます。

今後、推進チームを中心に全庁を挙げて様々な準備を進め、国や県、特に本市医師会との強固な連携を基に、医療従事者、高齢者、そして一般の皆様へと順次接種が進められるよう全力で取り組んでまいります。

次に、母子保健包括支援事業についてでございます。

1点目として新規事業として導入してまいります「多胎産婦サポーター事業」についてでございますが、育児負担が大きい多胎産婦を対象に、出産後1年までの間における沐浴や授乳、外出時の補助なども含んだ育児全般に関する支援を自己負担金ゼロにより新たに実施いたします。

また、2点目として現在も導入しております「不妊治療費助成事業」については、1年度当たりの回数制限を撤廃し、1組の夫婦につき最大6回までの助成という中で、1年度に複数回の助成を受けることが可能となることから、経済的・精神的な負担の軽減につなげていければと期待するところでございます。

続きまして、成人保健事業分野のフレイル対策に関する内容でございます。

令和元年度に健康保険法の一部が改正され、市町村における高齢者保健事業と介護予防とを一体的な枠組みの中で実施するよう位置付けられたことを受け、令和2年度も既存のマンパワーの活用によりフレイル予防事業を展開してまいりましたが、令和3年度からは本格的にマンパワーの増強を図りフレイル予防について取り組んでまいります。

事業概要として、主に75歳以上の高齢者を対象に、後期高齢者健康診査受診結果から低栄養や生活習慣病予防などに重点を置いた抽出を行い、およそ500人の対象者に向けて栄養指導や日常生活などにおける個別相談支援を行ってまいります。

このことに併せ、直接的な個別相談支援が難しい状況に対応するため、あらゆる年代の方々を対象にオンラインを活用した相談事業を令和3年度より新たに展開してまいります。

この相談支援ツールは、こころの不調をきたしている人のみならず、子どもの発達相談や育児相談など、保健センター全般における相談業務において、外出困難ケースや感染症の影響による電話相談が顕著に増えている中、視覚情報の少ない電話相談よりもはるかに精度の高い相談業務が展開できるものと期待しているところでございます。

続きまして、「元気・健康マイレージ事業」についてでございます。

平成28年度から毎年度継続実施してまいりました本事業につきましては、令和3年度で6年目を迎えることとなります。

元気・健康都市宣言の下、本市の健康意識は年々高まっており、令和2年度までのマイレージ事業参加者は4,500人を超える規模となっております。

さらに、令和3年度は700人ほどの新しい健康志向市民を募集し、5,000人規模での事業実施を目指してまいります。健康は何よりの財産であり、健康を実感することは何よりの心の栄養となります。

ふじみ野市の全市民が心の栄養をたっぷりと享受し、子どもも大人も笑顔の花でいっぱいになるふじみ野市に向けて、令和3年度も引き続き取組を進めてまいります。

7.都市政策部

続きまして、都市政策部所管の主な取組についてお話しいたします。

まず初めに、上福岡駅東口駅前広場整備についてでございます。

この事業は、歩行者の安全確保を最優先として橋上駅舎からサンロードへとつながる歩道橋の整備について、令和元年度より取り組んでおります。

また、令和2年度に駅前広場の未買収地のうち1件が取得できましたことから令和3年度には歩道橋整備とともに、取得した用地を含めた歩道の改修を計画しております。

整備完了後は、上福岡駅東口駅前広場の利便性や歩行者の安全性が向上し、市の玄関口である駅前広場のイメージアップが図られることと考えております。

次に国道254号バイパスふじみ野地区の産業団地創出についてでございます。

産業団地の整備は、企業誘致による市の自主財源の確保と雇用の創出が期待されており、将来の安定的な財源確保として重要な取組であります。

現在、令和3年3月末の都市計画変更及び土地区画整理事業の認可に向けて手続きを進めているところでございます。

認可後の令和3年度からは、土地区画整理組合による造成工事が開始されますので、早期に企業誘致をするために、土地区画整理組合と協議を進めてまいります。

次に、上沢勝瀬通り線整備事業についてでございます。

この事業は、歩行者の安全確保及びふじみ野駅への交通利便性の向上が図られるものであり、現段階では、約90パーセントの事業用地の取得が完了いたしました。

令和3年度は残る用地の買収を早期に進め、買収完了後は速やかに道路築造工事に着手できるよう、用地交渉と並行して関係機関協議及び道路設計に取り組んでまいります。

次に、公園整備についてでございます。

西ノ原中央公園は平成15年の開園以来、市民の皆様をはじめ市内外を問わず幼稚園、小学校の遠足や校外学習の場として、多くの方々にご利用をいただいております。

令和3年度におきましては、公園中央部にありますローラースライダーを含めた複合遊具の更新を進めることにより、さらに魅力ある公園として多くの方々に楽しくご利用いただけるよう整備を進めてまいります。

運動公園及び第2運動公園は、各種スポーツに親しんでいただく環境が整い、元気・健康都市として一新した運動施設を市民の皆様に大いに利用していただいております。

令和3年度は、運動公園野球場と第2運動公園の練習ボード裏にそれぞれ防球ネットを新たに設置し、より安全・安心にご利用いただけるよう努めてまいります。

次に、大井弁天の森についてでございます。

貴重な斜面林に生息する動植物保全のために、平成27年度に特別緑地保全地区を指定し、令和元年度にかけて用地取得を行ってまいりました。

令和2年度には更なる緑地保全を図るため、中央付近と西側に位置する部分を第2期特別緑地保全地区として区域を拡大したことから、令和3年度より新たな用地取得を進めてまいります。

次に、空き家対策についてでございます。

令和2年度には、ふじみ野市資源リサイクル協同組合及びNPO法人空家・空地管理センターと協定を締結し、管理サービスの充実を図りました。

これにより、空き家対策が一歩前進したものと考えております。

また、空き家問題などの啓発活動については、自治組織と連携し、感染防止対策を講じた上で、出前講座などの実施可能な方法を検討してまいります。

次に、生活道路に対する交通安全対策についてでございます。

駒西小学校周辺地域において、自動車の走行速度を抑制するゾーン30の整備として、路面標示やポストコーンなどの設置を平成29年度から平成30年度にかけて実施いたしました。

令和3年度には、当該地域でゾーン30の整備実施に伴う通過車両の速度や通行車両の変化の検証を行い、新たにゾーン30区域を指定する際に関係機関へ提示する指標を策定し、地域の方々へ効果を分かりやすく説明するため活用したいと考えております。

次に、雨水対策についてでございます。

甚大な浸水被害が発生しました江川流域都市下水路の下流部における浸水被害の軽減を図るべく、川越市と共同で実施する内水対策事業といたしまして、本市川崎地区内に調整池及びポンプ場の整備計画を進めているところでございます。

これまで、本計画の対象地権者の皆様には、事業の説明をさせていただき、川越市との間でも施設整備に関する費用負担割合などを定め、協定を締結いたしました。

令和3年度の事業といたしましては、調整池用地の測量及び土質調査を実施し、国の交付金や事業債などを活用するため、事業認可を取得し、令和4年度から用地の購入、調整池及びポンプ施設整備の実施設計などがスムーズに実施できますよう、準備を進めてまいります。

この調整池が完成いたしますと、元福岡地区における浸水被害の軽減に大きな効果をもたらすと同時に、地域の皆様の安全・安心につながるものと考えております。

次に、公共下水道汚水事業についてでございます。

市街化調整区域の公共下水道未普及地区における管渠整備につきましては、優先整備地区を選定し、都市計画決定、事業認可取得に向けた事務を進めるとともに、優先整備地区の皆様への工事説明につきまして準備を進めているところでございます。

整備対象地区の皆様にご理解をいただいた上で、令和3年度より実施設計及び調査業務を進め、令和4年度からの下水道管渠整備に着手できますよう、整備事業を進めてまいります。

次に、水道事業についてでございます。

水道管路におきましては、震災時における耐震対策として、耐震性の低い石綿セメント管の更新事業を引き続き実施してまいります。

浄水場施設におきましては、福岡浄水場第4配水池の耐震補強工事が完了いたしました。

令和3年度は、福岡浄水場第1配水池の耐震補強工事の実施設計を行います。

今後も計画的に災害に強い管路及び浄水場施設の構築を図ってまいります。

水道事業用水源井戸につきましても、停電時の対策として非常用発電機を積載する車両を導入し、停電時でも井戸から取水が可能となるように、令和3年度は2箇所の改修事業を進め、安全な水道水の安定供給を図ってまいります。

8.教育部

最後に、教育部所管の主な取組についてお話しいたします。

令和2年度を振り返りますと、感染症の拡大は教育にも大きな影響を及ぼしました。

学校における感染拡大を防止するために国の要請に基づき、5月末日まで小中学校を臨時休業といたしました。

この間、各学校においては、教員が工夫を凝らしたオリジナルの学習支援動画を作成してYou Tubeで配信したほか、タブレット端末の貸出しやパソコン室の開放を行うなどして、児童生徒の家庭学習を支援いたしました。

6月から学校を再開し、現在に至るまで「感染拡大防止の徹底」と「予測困難な社会をたくましく生き抜いていける児童生徒の育成」の両立を常に念頭に置きながら教育行政を推進しているところでございます。

まず、「感染拡大防止の徹底」に関しては、マスク着用、手洗い、「3密」の回避、校内の清掃・消毒の徹底、毎朝の登校時における児童生徒一人ひとりの健康確認に努めるとともに、各教科における学習活動や部活動の場面においては、最新の知見に基づいた学校衛生管理マニュアルに則った指導をしております。

引き続き万全の感染防止対策を講じて、児童生徒の命と健康を守ってまいります。

次に、「予測困難な社会をたくましく生き抜いていける児童生徒の育成」に関しては、本市は国のGIGAスクール構想以前から計画的に小中学校のICT環境を整備してきたところであり、令和2年度には全ての児童生徒のタブレット端末を整備いたしました。

申し上げるまでもなく、タブレット端末を整備することは、目的ではなく手段であります。

各学校においては、タブレット端末をツールとして十分活用し、児童生徒が周りの人たちと共に考え、学び、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業や、自らの学びを振り返り次の学びや生活に生かす力を育む授業を展開してまいります。

さらに、学校、保護者、地域の方々、行政が連携し、社会総がかりで子どもたちを育てていくふじみ野市版コミュニティスクール「地域協働学校」の取組も、たくましく生き抜いていける児童生徒の育成に大きく寄与するものと考えております。

令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により各学校とも活動は制限されてしまいましたが、令和3年度におきましては、感染症の状況を見ながら各学校が工夫をすることにより、地域協働学校の機運が更に高まるように努めてまいります。

次に、令和3年度に実施する学校施設の整備についてでございます。

本市は、校舎の大規模改造工事を計画的に進めております。

西小学校につきましては、令和元年度からの3か年工事の最終年度であります。

現在まで工事は順調に進んでおり、令和3年度は西校舎の工事を行います。

さぎの森小学校につきましては、令和3年度からの2か年で大規模改造工事を行いたいと考えております。

鶴ヶ丘小学校につきましては、令和4年度からの2か年で大規模改造工事を行うための設計を行いたいと考えております。

児童生徒が一日の大半を過ごす校舎の大規模改造工事を計画的に行うことにより、明るく快適な学習の場を提供できるよう努めてまいります。

さらに、令和3年度はいよいよ小中学校体育館の空調設備設置等工事に着手いたします。

近年では、地球温暖化などによる気候変動により、夏季は猛暑となっていることから、学校体育館においても熱中症対策の必要性が高まっているため、空調設備の整備、LED照明への更新、内・外装の改修を行うほか、災害発生時には市民の避難所としての役割も担うことからトイレ改修やバリアフリー化も行いたいと考えております。

これらの工事を行うことにより、児童生徒の良好な学習環境を確保することに加え、災害時の避難所としての防災機能向上も図ってまいります。

学校教育は、本市の子ども優先の政策の大きな柱の一つであると同時に、我が国にとっても未来を担う子どもたちを育む取組は重要な政策の一つであると考えております。

このような考えの下、教育委員会と連携しながら社会総がかりで教育行政に取り組んでまいります。

結びに

さて、歴史はこれまでに幾多の感染症を乗り越えてきた事実を物語っております。

新型コロナウイルス感染症につきましても、感染防止対策を継続し、ワクチン接種が国民に行き渡り、その先には収束に向かう日々が待つことを願うばかりであります。

そして、これからの社会は、暮らし方や働き方など、これまでの慣行が変わっていくものと思われます。

しかしどれだけ私たちの環境に変化がもたらされようとも、市民の皆様の暮らしと健康を第一に、安全・安心を基調としたまちづくりを進めることに何ら変わることはありません。

いつの世も、時代の節目には、希望に輝く未来への思いを胸に、一歩を踏み出した人たちが世の中を前へ進めてきました。

私は、どんなに変化の著しい時代にあっても、このまちに暮らす11万4千人の市民の皆様と共にふじみ野市の明るい未来のために力強く歩みを進めてまいる所存であります。

東日本大震災以降、日本中が「絆」という言葉であふれました。

そして現在、百年に一度と言われるパンデミック、新型コロナウイルスとの闘いが続いております。

この困難を乗り越え、何としてもこのふじみ野市を守り抜きたい。私は、政治と行政の原点は「市民の命を守ること」だと考えております。

そのためには、強い絆で結ばれた地域力が必要です。

だからこそ、

 

このまちで暮らす全ての市民が一つの家族のようなあったかいまちにしたい

そして何より大切なことは、子どもたちの笑顔を増やすこと

 

この思いを胸に、これからも、全身全霊を注いで市政運営を進めてまいる所存でございます。

市民の皆様、そしてここにお集まりの議員の皆様におかれましては、なお一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の令和3年度施政方針とさせていただきます。

令和3年2月22日 ふじみ野市長 高 畑 博

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更新日:2021年02月24日