福岡河岸記念館主屋
福岡河岸記念館 主屋(おもや)
店空間を有した主屋は、木造二階建、切妻造り、瓦葺きで道路に南面して建っています。河岸記念館の導入的建物です。
桁行(けたゆき)
1階:7.280メートル
2階:7.280メートル
梁間(はりま)
1階:13.905メートル
2階:8.190メートル
軒高(棟頂上まで)
8.000メートル
建築面積(台所棟含む)
185.19平方メートル
延床面積
280.88平方メートル
正面入口は、片引きの格子戸・障子附の引き違い板戸・揚げ戸の三重の建具で閉ざし、商家の厳重さが伝わってきます。
一階は、二列三段の六間取りで、帳場と金庫部屋の他、その背後に生活空間としての部屋をもうけています。
また、居住空間として使っていた二階は、田の字型の四間取りとなっています。
上下階は移動可能な箱階段で繋がっています。
現在は一階のみ公開しています。
離れの特別公開日には、主屋二階の公開も行います。日程は「福岡河岸記念館トップページ」でお知らせいたします。以下のリンクよりご覧ください。
主屋の見どころポイント
- 玄関の取り外し可能な敷居。
- 一階西側の帳場脇の三畳の広さの床下を石で囲い金庫部屋にしている。
- 一階おくの間(書院)の欄間の菱格子は明治期の細美な意匠や精巧な仕上げは品格をもつ。
- 夏期は障子部分をとりはずせ、格子のみにできる倹飩(けんどん)式の建具。
- 屋根裏の「女部屋」空間は、明治期の雇用人の住空間を知る貴重な遺構。(非公開)
展示品の紹介
主屋では、新河岸川舟運や河岸場の船問屋についてパネルで紹介しています。再現した帳場には、荷主との取引で必要だった帳場道具や番頭たちが着ていた印半天を展示しています。
また、土間には、市内川崎地区の船大工が描いた図面をもとに復元したオカジを展示し、往来した荷船の大きさを感じとっていただけるようにしています。
おくの間(書院)には、幕末の兵法者で水戸藩士の藤田東湖が書いた額を複製。福田屋と交流のあった明治期の画家尾形月耕の「桃太郎出陣図」の天袋建具も複製展示してあります。
また、主屋入口の外の塀下には長さ9.5メートルの帆柱があります。荷船は風向きの良いときには白い帆を張り、風の力もかりて航行してました。帆柱は、船の中央のシンヅカと呼ばれる2本の柱を支えにして立てられ、先端についた滑車を利用して帆をあげました。
吉野屋土蔵の鬼瓦
河岸記念館駐車場内にある蔵は福岡河岸の吉野屋で唯一残る遺構です。平成24年の修理に際し、新しい瓦と葺き替え、所有者から旧瓦の寄贈を受けましたので敷地内に展示をしました。
更新日:2021年08月31日